2022/6/1付ブログ「阪神高速の3年間通行止め→当初計画は仮設道路での対応だった」の続きです。
上記ブログで参照した株式会社鋼構造出版が運営する専門サイト「道路構造物ジャーナルNET」に7年前の2015年2月に掲載された記事によれば・・・
阪神高速3号神戸線の京橋ランプ付近の橋梁が、今回架け替え対象の14号松原線喜連瓜破の橋梁と同様の構造であり、同様の問題(ヒンジ部付近の桁の沈下が止まらない)を抱えており、少なくとも2015年2月時点では架け替えを計画していたとあります。
https://www.kozobutsu-hozen-journal.net/interviews/11042/?spage=2
上記URLには「京橋付近高架橋の更新計画概要と現況写真」が掲載されており、
とされています。参与の発言は「京橋付近の高架橋は港内にあり、船の利用があったためスパンを飛ばしていましたが、現在はその船の利用が減っていることを鑑み(当時は設置できなかった個所に橋脚を建てるなど)、いろいろな条件を考慮しながら整備を進めていきたいと考えています。」となっています。 ※上記図表とカギカッコ内は引用
確かに、京橋ランプ付近で工事たけなわだった1965年当時は国際航路のコンテナ化はまだ進んでおらず、現場付近は「はしけ」がたむろしており、港湾労働を生業とする水上生活者も(その家庭の子どもたちも含め)少なからずいました。したがって海上に建てる橋脚の本数は最小限にせざるを得なかったわけです。
しかし、その後コンテナ化が急速に進み、さらに貿易港としての神戸港の機能は1980年代までにポートアイランドなどに移っており、現在このあたりを使用しているのは海上保安庁・税関など公的機関が使用する船舶や数隻のタグボートくらいなので、橋脚を増やして一般的な構造の高架橋として建て替えること、そして海上を一部占有する形で仮設道路を設置することへの障害はさほどないものと思われます。
なお、2015年時点での工期は平成33~40年度、事業費は249億円とされていました。
さて、2022年6月時点の阪神高速道路会社公式サイトを見ると、確かに3号神戸線京橋付近は大規模更新・修繕事業の対象になっていますが、
https://www.hanshin-exp.co.jp/company/torikumi/renewal/project/kyobashi/
まだ調査・設計段階であり、2015年時点の構想通り(海上を一部占有する形で仮設道路を設置した上で現在の橋梁を撤去→新橋梁を設置)になるのか、それとも、迂回路に位置づけられる大阪湾岸道路西伸部が開通するまで修繕や補強を繰り返しつつ対応するのか、正式に発表されるのはまだまだ先と思われます。