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2024年12月時点でも磁気バスカードの廃止予定のないバス事業者について

1990年代~2000年代前半にかけての路線バスの車内におけるキャッシュレス決済手段は「磁気バスカード」が主流でしたが、2000年代後半以降はICカードの普及と磁気バスカード対応機器の老朽化から廃止が進み、このブログ記事を書いている時点で廃止予定のない事業者は以下の通りとなっています。

1.道南バス(北海道の胆振・日高地方が主な路線エリア)

2.糸魚川バス(新潟県糸魚川市内が路線エリア)

3.中鉄北部バス(岡山県津山市周辺が路線エリア)

4.備北バス(岡山県高梁市・新見市周辺が路線エリア)

5.船木鉄道(山口県宇部市・山陽小野田市周辺が路線エリア)

6.ブルーライン交通(山口県長門市・下関市北部などが路線エリア)

それぞれについて解説します。

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1.道南バス

磁気バスカードの廃止予定のないバス事業者としては最大の規模となっています。

https://www.donanbus.co.jp/kougai/

同社の磁気バスカードは「1,000円カード(使用額1,100円)」「3,000円カード(使用額3,350円)」「5,000円カード(使用額5,700円)」の3種類となっており、いずれも1割かそれ以上のプレミアがついています。

https://www.donanbus.co.jp/ticket/

紙の回数券の代替という位置づけからこのレベルのプレミアが一般的でしたが、現在主流のICカードはPASMOのように何のプレミアもポイントサービスもないものもあり、独自ICカードであってもプレミアやポイントサービスは縮小傾向にあります。

2.糸魚川バス

同社は新潟県上越地方一円で路線バスを運行する頸城自動車のグループ会社です。頸城自動車は1980~90年代に地域ごとに分社化を行いましたが(糸魚川バスは1994年営業開始)、磁気バスカードを導入したのは糸魚川バスだけで、

https://www.marukei-g.com/publics/index/163/#page-content

他は頸城自動車本体を含め2024年に至るまで一般路線バスについては磁気カードもICカードも導入していません・・・頸城自動車の高速バスは「りゅーと」および全国相互利用交通系対象ICカード対応

3.中鉄北部バス

1996年に誕生した磁気バスカード「岡山県共通バスカード」は岡山市やその周辺を拠点とする各バス会社の路線で使用できましたが、2008年に廃止され、その後は以下の3つに分かれました。

 ・ICカード「Hareca」に移行<PiTaPaにも対応>=両備バス・岡山電気軌道・下津井電鉄

 ・代替カード「自社専用バスカード」の販売を開始(共通バスカードも自社発行分のみ継続して利用が可能)=宇野自動車・備北バス・井笠鉄道・中鉄北部バス

 ・路線により「Hareca」と「自社専用バスカード」に二分=中鉄バス

うち中鉄北部バスに関しては、親会社の中鉄バスの自社専用バスカードを販売し共通利用が可能になっていました。

その後井笠鉄道は2012年にバス事業を廃止し、宇野自動車は2013年以降にHarecaに移行<PiTaPaには非対応>しました。中鉄バスも2021年に磁気バスカードから撤退しHarecaに移行<このタイミングで移行した路線はPiTaPaには非対応>しましたが、中鉄北部バスは引き続きその自社専用バスカードを利用可能です。

http://www.chutetsu-bus.co.jp/qa/index.htm

同社が運行する津山市内のコミバス「ごんごバス」一部路線は2023/2/21付ブログ記事で書いた通り2023/4/1からICOCAのシステムを導入し全国相互利用対象交通系ICカードに対応していますが、他路線への拡大や磁気バスカード縮小の予定はないようです。

4.備北バス

過去の経緯は上記の通りです。こちらも2024/2/1付ブログ記事で書いた通り新見市の市街地循環バス(コミバスの1路線)に限り2024/2/13からICOCAのシステムを導入し全国相互利用対象交通系ICカードに対応していますが、他路線への拡大や磁気バスカード縮小の予定はないようです。

5.船木鉄道

以前に山口県バス協会は「県内の路線バスを全てICカード対応にする」と宣言しました。その後県の助成制度もあって大半の路線は全国相互利用対象交通系ICカードが使えるようになり(サンデン交通はnimoca、防長交通・JRバス中国・宇部市営バスはICOCA、いわくにバスの一般路線はPASPYをそれぞれ導入)、これら路線ではICカードと引き換えに磁気バスカード(山口県共通バスカード)は使用停止となりました。ただ、船木鉄道に関しては2024年12月時点でICカード導入の動きはなく、磁気バスカードを山口県共通バスカードのフォーマットで発売を継続しています。

https://www.sentetsu.jp/scheduled-bus/bus-card/

6.ブルーライン交通

ブルーライン交通はサンデン交通グループですが(かつてサンデン交通本体で運行していた下関市北部・長門市・美祢市などのローカル路線を順次同社に移管)、nimocaなどICカード導入の動きはなく、磁気バスカードを山口県共通バスカードのフォーマットで発売を継続しています。

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