JR予讃線は伊予市と大洲市の間で山まわりと海まわりに分かれます。1986年に山まわりの路線が開通するまで幹線だった海まわり(伊予長浜経由)は遠回りなので今は完全なローカル線に転落しており、景色の良さを売りにした観光特急列車「伊予灘ものがたり」以外はローカル列車が走るだけです。
途中の伊予上灘駅(かつての伊予郡双海町の中心駅)で15分以上停車するとのことで、駅前に出てみました。
すると、駅の目の前に「自動運転バス」と書かれたバス停の標柱が立っていました。
月曜日と日曜日以外は原則1日5往復しているとのこと。終点の日尾野バス停は伊予市双海町の山間部です。
バス停の標柱には「BOLDLY」と書かれていますが、これは全国各地で自動運転バスを走らせている(実証実験主体ですが、茨城県境町のように何年も本格的に運行している例もあり)ソフトバンク子会社の社名です。地元伊予市との共同プロジェクトで、運賃は無料です。
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20230524_02
https://www.city.iyo.lg.jp/kikakuseisaku/zidouunten.html
ここで走っている自動運転バスはエストニア製の7人乗り「MiCa」で、当ブログでは2023/9/24付記事「神戸・須磨海岸の自動運転バス体験乗車会の様子」で紹介していますが、こちらでは公道を走るので当然ナンバープレート付きです。そして、全国にあまたある自動運転バスの事例と同様完全無人ではなく、車内にはオペレーターが乗っています。
なお、自動運転バスの導入効果としてよく「運転手が不要なので少ない人員で対応でき、雇用コストが削減可能」と謳われていますが、このブログ記事を書いている時点での伊予市双海町の場合は「 使用するバスは1台だけであり、オペレーターとして1人の要員が必要な上に、そのバスを遠隔監視する要員が別途必要」なので、普通に人間が運転するバスに比べ人員削減にはなっていません。バスにオペレーターを乗せず、1人の要員が何台もの自動運転バスを遠隔監視する体制ができて初めて人員削減効果が発現されるわけですが・・・ そして、有料バスの場合は、オペレーターを乗せずしてどのように乗客から運賃を確実に徴収するかも課題だったりします。