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国道165号の大阪・奈良府県境の拡幅が進まない理由

国道165号は大阪府と奈良県を結ぶ幹線道路の1つ(国土交通省直轄)ですが、奈良県内は近年になってバイパスが整備されたのに対し、府県境付近は交通量が多いにもかかわらずカーブが多くかつ歩道のない2車線のままです。

ストリートビューで見た府県境付近の様子

この状況を鑑みて改良計画が立案され、都市計画道路中和幹線との合流点から西名阪道柏原ICの間の2.8kmが「国道165号香芝柏原改良」として2011年度に事業化されました。事業主体は近畿地方整備局奈良国道事務所です。

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kairyou/165.html

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kairyou/bval4b0000001gfm-att/kashibakashiwara-panf.pdf

完成の暁には車道4車線に加え自転車歩行者道も整備され、大阪教育大学北側の急カーブも緩和されます。

しかし・・・

現実には、事業化から10年以上経過しても(上記ストリートビューを香芝市側・柏原市側それぞれにシフトさせるとわかりますが)工事が開始されている様子はなく、若干の用地買収の形跡が見られるのみです。

その理由が、地元香芝市議会の議事録で公開されていました。(2022年6月の代表質問)

https://www.city.kashiba.lg.jp/uploaded/attachment/12547.pdf

事業費ベースの進捗率は2022年度はじめの段階で約45%<総事業費110億円として>、用地買収は約88%完了済みとのことです。

ただ、このエリア一帯の地中には埋蔵文化財が存在することが既に判明しており、工事着手前に発掘調査が必要となります。発掘調査を奈良県立橿原考古学研究所が担当することは決まっているものの、より優先度の高い京奈和自動車道(京都~奈良~和歌山を結ぶ高規格幹線道路)のほか、平城宮跡そのものの調査で手いっぱいなため、京奈和道がらみの発掘調査が終わってもすぐに香芝柏原改良にシフトできないとのこと。

ということで、現地での工事着手は当分先になりそうです。そして、発掘調査の結果次第では、さらに工期が長引きそうです・・・

 

ちなみに、大和北道路も近畿地方整備局奈良国道事務所が担当しており、特設ページも設けられていますが、2020年以降は更新されていません。

https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/yamatokita/index.html

こちらは平城宮跡の東側を経由することになっており、大がかりな発掘調査が必須ですね。

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