これが最終回です。
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18.熊野川本宮道路
旧本宮町(現田辺市)と旧熊野川町(現新宮市)の境界区間で、熊野川沿いの旧国道が一部狭隘かつ落石が多かったことから、背後の山に二ツ石トンネルと東敷屋トンネルの2つのトンネルをぶち抜き、2006/3/25に全線開通しました。
http://www2.w-shokokai.or.jp/hongu/kumanogawa-hongu-doro-kaitu-170325.html
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この区間の旧道は普通に通行可能で、旧道沿いにも人家が少なからずありますが、路線バスは全て国道経由で、旧道は通りません。
19.宮井~志古~日足間
この区間(旧熊野川町の西部で、日足の集落にかつて町役場がありました)も、その7で取り上げた「17.熊野本宮大社とその前後」と同様、山と川に挟まれて災害には脆弱なものの、道路自体はそこそこ整備されていることから改良予定はありません。
志古地区にあるドライブイン「瀞峡めぐりの里熊野川」は、高度成長期から2000年代前半にかけて南紀地方の代表的な観光スポットであった遊覧航路「瀞峡ウォータージェット船」の発着点でした。しかし2011年の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受け、再開にはこぎつけたものの、ジェット船の航路への土砂流入が増え、航路整備に多大な手間と費用がかかり収益が悪化しました。そこにコロナ禍がとどめを刺した形で、2020年4月半ばから運休となり、2020年末限りで正式に事業を休止しました。
https://kumanokanko.nankai-nanki.jp/news/jetship/
https://www.agara.co.jp/article/94488
以下はドライブイン前の志古バス停に停車中のバス車内から撮影したものですが、廃止ではなく休止扱いだからか、建物に「ジェット船のりば」の看板が取り付けられたままになっています。手前は駐車区画のはずですが車はおらず、ドライブインとしての営業は継続しているものの収益的には厳しそうです。ちなみに、近辺の国道168号沿いにあるジェット船の宣伝看板もそのまま(休止中との追記もされていない)です。
20.日足道路
熊野川町内の狭隘区間(かつ大雨が降ると浸水しやすい区間)および直角に曲がる交差点を回避するために、熊野川沿いに新たに高架橋からなるバイパスを建設しました。そして、その東側の熊野川沿いの区間を回避する田長トンネルも新たに建設しました。2014/3/22に全線開通しています。路線バスは田長トンネル区間を除き基本的に旧道を通ります。
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21.相賀高田工区
旧熊野川町中心部から新宮市街地までの国道168号は、ひたすら熊野川に沿う形です。ある程度整備はされていますがやはり山と川に挟まれて災害には脆弱で、中間部の新宮市高田地区~相賀地区の間では背後の山にトンネルを建設して強靭性を高める工事が進められています。工事延長は4.8kmで、2017年度に事業化され、2019年度に着工しました。全体事業費は115億円の予定です。
南側区間の「仮称1号トンネル」は2023/6/13に貫通しました。
https://nikkankensetsukogyo2.blogspot.com/2023/06/1681jv.html
北側区間の「仮称2号トンネル」は2022/12/1に安全祈願祭が執り行われ、現在掘削工事中です。
https://kumanoshimbun.com/press/cgi-bin/userinterface/toppage.cgi?target=20221201&mode=3
22.越路道路
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国道168号が新宮市の市街地に出る直前区間の改良工事です。まずトンネル西側の南桧杖橋を含む区間が2008年11月に開通し、次いで新越路トンネルを含む区間が2009/2/28に開通して全通しました。路線バスも新道を経由します。
https://www.nikken-times.co.jp/tips/1236143862.html
新旧越路トンネルの東側坑口付近のストリートビューはこちら・・・大きさの違いがよくわかります
ちなみに、越路トンネルの東側一帯の市街地の地名は「新宮市五新」です。おそらく、「五條と新宮を結ぶ幹線道路の新宮側のスタート地点」が由来なんでしょう。
(おわり)