2017/7の九州北部豪雨により大規模に被災したJR九州・日田彦山線添田~夜明間は、利用客が近年大幅に減少していたこともあり、鉄道での復旧は行わず、長大トンネルで並行道路がない釈迦岳トンネルの前後区間について線路敷をバス専用道化した上で、全区間をBRT(バス高速輸送システム)として2023/8/28に運行を開始しました。夜明駅は周辺に人家の少ない単なるJR久大線との接続駅のため、いずれの便も地域の中心駅である日田駅まで運行します。
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2023年12月の平日の朝に乗車してきたので、状況を報告します。
冬の九州の夜明けは遅いので、7時台の日田→添田の便に乗るべく準備していましたが、早起きしてしまったこともあり、6時台の久大線久留米行の列車で次の光岡(てるおか)駅まで行き、駅前から出る下りの始発BRTで日田駅まで戻ってから改めて当初予定をこなすこととしました。
光岡駅のBRTの標柱。
待合室は鉄道・BRT共用です。中にはBRTの運行状況を示す立派なデジタルサイネージが設置されていました。鉄道のほうは昔ながらの時刻表が待合室の外に掲示されているだけです。
もうすぐやってきます。「高校ルート」とは日田駅に直行せず高校や官公庁が集中する市街地北側を回る便のことで、下りは朝の2便のみで上りは昼1便・夕方~夜に4便のみです。
やってきたバスは、通学時間帯にかかることもあり小型電気バスではなく中型のディーゼルバスでした。乗客は高校生3人のみで、九州の高校特有の「朝課外」(受験対策のため通常の1時限の前に行う授業で実質必須)に合わせての早朝登校でしょう。
車内前方の案内表示。「林工」とは、大分県立日田林工高等学校のことです。ちなみに、昭和学園前停留所の近くには私立の昭和学園高等学校が、日田市役所前停留所の近くには地域トップ校の大分県立日田高等学校があります。
日田駅に到着。バスは折り返し添田行になるので、改めて乗車。
乗車口の様子。
バスは乗客2人(もう1人は沿線の工場の外国人労働者のようです)で定刻に発車。主に国道386号経由で、国道から外れた光岡駅に寄り道といった感じで走りますが、他の乗客のないまま市街地は終わりました。その先で下りの朝2番目の便とすれ違います。日田駅着8:03と通学ニーズがあるのでやはり中型ディーゼルバスでしたが、果たして乗客は2桁いたのでしょうか?
夜明駅の先で右折して国道211号に入ります。もう1人の乗客はBRT転換に伴い新設された国道沿いの停留所で降りましたが、工場までは徒歩10分くらいかかるようです。
鉄道時代に夜明駅の次の駅だった今山駅は国道から離れており鉄道代行バス時代は無視していましたが、BRT転換時に駅近くに立派な停留所が設けられ国道から寄り道するようになりました。駅付近は鉄道時代のプラットホームを残したまま公園として整備中です・・・全体像がわかるストリートビュー(2023/12現在)はこちら
(つづく)