最近は本屋さんに行かなくなりました。まあ、近所にないし。
大体の調べ物はパソコンのお陰で本の必要もなくなったし、
立ち読みも疲れるし・・・・図書館で節約。
昔は本に目がなくて、本屋さんは大好物がたくさん並んでいました。
今ふと、昔のことを思い出しました。
ある画集が欲しくて探し回っていたのですが・・・・
欲しかった本、ようやく見つけたのです。
その本を手に取り、もう一つ側にあった本が気になって
平積みになっていたその本の中身を確かめようと、手を伸ばした時でした。
隣から、背は高くないけれど、がっちりとした固太りの男が、
わたしを押しのけるように出てきて、大きな声で話し始めました。
平積み本の向こう側ににスラリとした女性が雑誌を
見ていたのですが、その人に向かって、
「○○○○さん」と。
周囲にわたしの他、二人位いたと思いますが、
いかにも体育会系の大きな声だったものでみんな振り向きました。
美人とまでは思いませんでしたが、スタイルがよく、
ちょっときれい目に見えるその女性は、
戸惑う様子もなく、男性に目を向けました。
男「いつも〇×図書館で見かけます 自分は・・・(自己紹介)」
女「ああ・・・・・」見覚えがあるのでしょう。
男「少し話をしてもらえませんか、お願いします」懇願
女「わかりました」自信満々
男「いいんですか」
女「少しなら」
傍から観察するに、男はスポーツマンの真っすぐな青春を演じ、
女は自分に自信があり、ちょっといい女を演じていました。
しかしですね、朝からずっと歩き回って本を探していたわたしにとっては、
その男が邪魔で、手に取りたい本が取れないのよ。
まるで無粋なやつがそこに立っているみたいだけど、
別にあなたの恋路を邪魔する気はないのよ。
そりゃ、あなた方にとっては、わたしは脇役で目にも入らないでしょうけれど、
わたしは、一応わたしが主役の目であなた方を見ているのよ。
男は爽やかな男を演じていますが、見た目はそう爽やかではなく、
女はその以前から、、男が自分に気のあることを知ってか知らずか、
選択権は彼女のみにある雰囲気で、顛末はどうなったことやら・・・。
わたし以外の脇役たちもどこかシラケた目。
他人の真剣な恋心を嗤うのは品のないことだけど、
まだわたしも若かったもので、田舎芝居を見ているようでした。
人生って常に自分が主役だけど、ちょっと脇に逸れて
同じシーンを見たならば、全然違ったものになるということが
年を重ねるとよくわかります。
あの人どうなったでしょうね。
もうすっかりそんなことは忘れているかもね。
あの人から見たら脇役のわたしが覚えているのに。
案外うまくいって、結婚していたり・・・・
物語はどんな広がりを見せたことやら。
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