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堅く評 #大村知事のリコールを支持します #ピーチ航空は障碍者の敵 #静岡県を解体せよ モーリシャス関連は検索窓から

「専門訴訟」は民訴法界隈の大きな研究テーマ。「専門訴訟」のメインは、医者連中との戦い(医事事件)

2020-09-30 12:39:12 | 法学
京大法の笠井教授(元判事、京大LSトップ経験者)は、
名古屋地裁勤務時代に民訴法の「鑑定」「専門訴訟」に夢中になった末、研究者への道に進んだ。

「専門訴訟」の原点は、
専門家集団と被害者との「情報の非対称性」

この壁を破るための戦いです。

さて、

こういう「無自覚な暴君」連中に、
裁判所も、民訴法学界も、ドクター側の弁護士さえも、
手を焼いている(ドクター側の弁護士がドクターを説教する事もある)。


条文・概念の引用は阿呆でもできる。

条文・概念はエンフォースメントの仕組みを丁寧に整えなければ、簡単に「只の紙切れ」になる。
「無自覚な暴君」ほど、エンフォースメントを「意図的に」無視しつつ、条文・概念を振り撒くことで、体裁を整えようとする(条文・概念の内容を無視する気、バレバレですよ。)。

アラビア圏のことわざ
「寝たふりする者を起こすことはできない」
の体現。
法学に限らず、主な文献を引っ張れば、
ドクターと患者が対等ではない、という前提を如何に崩すか、
腐心しているのだけど……


例えば、ドクターが作成した診断書。
刑法・刑訴法上、その扱いは、私人の作成した文書とは異なる。

例えば、死亡か否かの判断権限は原則、ドクターにある(だから「心肺停止」という曖昧な言葉が使われる)。

例えば、守秘義務。
ジャーナリストには認められていない特権です。

 
「法的権利や専門知識、技能と言った非対称性や格差」
これらを崩すため、
「専門訴訟」という分野が生まれる。

ドクターと患者側との間に
「何かドクターに都合の悪いこと」が起きれば、
「法的権利や専門知識、技能と言った非対称性や格差」
を駆使して、保身に走る傾向。

(だから、証拠保全のため、執行官とカメラマンを医療機関に連れていく必要が生じる。。。こういう仰々しい証拠保全は、商事事件では珍しい。)
見事な指摘。
保身に走る姿に対する見事な指摘。

 
という、保身。 

「寝たふりする者を起こすことはできない」

村中璃子名誉毀損第二次訴訟の可能性。書籍も、名誉毀損の道具になります。

2020-09-27 21:14:54 | 法学

別訴で以て、村中璃子と出版社に対する出版物の差し止め・損害賠償請求、という流れになるでしょう。
こればかりは、請求権者の腹一つです。

別訴提起に至ったとしても驚きませんし、前田雅英先生が元信州大副学長側に付いたとしても驚きません。

自然科学界隈に対する、
法学系界隈の疑念は、年々濃くなっている。


参考

第190号 科学的証拠の意味 ― 揺さぶられっ子症候群と傷害致死罪 
~大阪高判令和元年10月25日 傷害致死被告事件※1~
文献番号 2020WLJCC002
日本大学大学院法務研究科 客員教授
前田 雅英 



住民訴訟での勝ち目は、厳しいかな。「菅首相出身の秋田でお祝いに公費」

2020-09-26 17:58:04 | 法学
法的リスク高いから、
政治家の就任に際して、ここまでの公費支出はまずやらない。
真っ当な自治体ならば……


首長が賠償責任を負う展開は、十分あり得る。

(だから、こういう田舎者連中は、小馬鹿にされる……)

売春の対価を免れる目的の財産犯(二項強盗・二項詐欺)は、成立しない、

2020-09-24 00:53:53 | 法学
という見解(例えば、札幌高判昭和27年11月20日 高刑集5巻11号2018頁 )がある。当方もこの立場。
「財産上の利益」 に、売春の対価は含まれない(含まれるべきではない)から。

(名古屋高判昭和30年12月13日 裁特2巻24号1276頁 という古い裁判例はあるものの、売春防止法(昭和三十一年五月二十四日法律第百十八号) 昭和三十一年五月二十四日法律第百十八号)公布前の裁判例。真正面から扱った最判・最決は未だ、なし。 )

以上からも、
色事への厳しい態度に、
察しが付くでしょう。


この事件は、
国に対しては請求棄却、
私企業に対しては訴え却下
でしょう。

「合理的な区別」であれば、
憲法14条違反の主張は立ちようがない。

安倍一派の残党を刈り取る作業は、長期化する予感。

2020-09-19 00:40:41 | 法学
安倍一派が蒔いた悪い種は、
時節とは無関係に、
芽を出し続ける。

排外主義・膨張主義・反知性主義という分厚い土壌がある以上、
地道に刈り取ることになる。

に対して、

権限配分について詳細な規定を設けている憲法典(主に連邦制を採る憲法典)ならば、必要です。


しかし、日本国憲法は、権限配分について極めて僅かな記述しかない。つまり、国会と内閣の裁量範囲が、極めて広い。
その結果、現行の日本国憲法の下ならば、法律の制定と施行で乗り切れます。


なので、国家緊急権は不要です。


http://touchikaiken.publog.jp/archives/6317209.html


憲法に口出したいならば、もう少し学を身につけてからにしましょ(安倍程度では話にならない)。

のように。

あまり使わない道具。『遺骨は「祭祀財産」です』編

2020-09-17 21:28:42 | 法学

松本元死刑囚の遺骨、次女に引き渡す決定
9/17(木) 17:54配信
 2018年7月の死刑執行後、法務当局が保管しているオウム真理教の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)=の遺骨と遺髪について、東京家裁が17日、元死刑囚の次女(39)に引き渡す決定をしたことが関係者への取材で分かった。 

東京家裁が出てくる理由は、

(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

という条文。
慣習が明らかでないとき
は、家裁が「祭祀財産」の持ち主を決めます。
(相続財産とは、全く異なるルールです。なので、「祭祀財産」では、法定相続人の事は忘れて下さい。)

で、
系譜、祭具及び墳墓の所有権
には、遺骨・遺髪も含まれると解釈されています(勿論、争いはありますけど、家裁は含まれる前提で審判)。

もし遺骨・遺髪が相続財産に含まれるとなれば、

遺骨・遺髪になる前に人は、所有権の対象になるのか

という疑義が出てきますから。

そもそも人は、
財産を持つ者(主体)であって、
持たれるもの(客体)ではないですから。

で、
冒頭のケース。
どういう理由で「次女」に承継させる判断したのか。
審判例を見ていないので、当方には何とも言い難いです。

なぜならば、「祭祀財産」周りでは、
まともに使える成文法が民法第八百九十七条以外になく、
過去のケースがあるばかりだから。


20世紀に出た関連裁判例・審判例


その後も裁判例・審判例は順次出ている(著名人絡みの審判例も)ものの、
未だに、
家庭裁判所が「法」を作り出している状況。
(しかも、過去の裁判例・審決例との整合性が、微妙。)

「祭祀財産」周り、
条文一つではなく、まとまった分量の法典が必要です。

そういう時代です。

追記。




二重課税回避のための道具二つ。或いは、租税条約ネットワークから見える事。

2020-09-13 17:07:18 | 法学

タワマン売り始めた?「アジア富裕層」に想定外の税金
9/13(日) 9:30配信

は、
国税庁タックスアンサー
No.2884 源泉徴収義務者・源泉徴収の税率
を念頭に置いた記事。

ただ、非居住者が居住国にて受けるであろう課税処理については、沈黙。

非居住者が居住国にて受けるであろう課税処理は、
二重課税回避のため。

一つ目は、外国税額控除。

No.1240 居住者に係る外国税額控除

No.1241 非居住者に係る外国税額控除

この方法は、非居住地国で納めて、居住地国で税額控除を受けることで、二重課税を回避する方法。各国の税法さえあれば、可能。なので、租税条約が不要。

もう一つは、租税条約に基づく還付請求
 
No.2889 租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求
この方法は、居住地国で納めて、非居住地国で還付請求を受けることで、二重課税を回避する方法。居住地国と非居住地国との間で、租税条約が締結されていることが必要。
日本が締結している租税条約の一覧は、
に詳しい。ただし、この一覧には、情報交換協定や税務行政執行共助条約が含まてれいるのでご注意を。

ちなみに、 ザンビアやパナマとの間に租税条約がある理由は、高校地理の問題と大いに関係しています。

執行共助条約がモーリシャスとの間にある理由(けど租税条約がない理由)は、タックスヘイブンと大いに関連があります。
 
 

自己責任とカネにみっともない本庶佑 その二。国税局編 或いは、発生主義。

2020-09-10 10:19:55 | 法学

ニュースを確認すると、


ノーベル賞の本庶氏、22億円申告漏れ 特許使用対価巡り国税局指摘
9/10(木) 5:00

 本庶氏は対価が低すぎるとして受け取らなかったため、小野薬品工業は法務局に供託。国税局は供託金であっても有効な契約に基づいており、課税対象となる本庶氏の所得にあたると判断したとみられる。 

所得の把握では原則、(会計原則の一つ)発生主義(経済的事象の発生または変化に基きその時点で収益または費用を計上しなければならないとする原則、現金主義と対を成す)、そして、(税法の)権利確定主義(取引事実が確定したときに収入として計上すべきという原則)に依拠(現金主義では、計上時期を操作し放題ですから)。
(発生主義の代表的な例外としては、工事の進行状況に応じて計上する工事進行基準、複数会計年度に及ぶ大プロジェクトで使われる)。

なので、個々のロイヤリティ支払債権の発生日に、所得として計上される。
供託しようが、札束を燃やそうが、所得として計上されます。
(税法は、会計原則の上に組み立てられています)

本庶の代理人は、会計や税法に疎かったのでしょうか。
杜撰な仕事ぶりです。


「黒い」医療経営入門 リーガル編「厚労省の通知は大切だよ」「契約とは意思の合致」「善きサマリア人の法とは、緊急事務管理のこと」

2020-09-09 20:28:07 | 法学
「通知」
とは言っても、
只のお知らせではなく、
厚労省(の内部部局)による法解釈を伝えるもの。
(法務省民事局長回答の「いとこ」です。)


「診察」とは、医療行為(医行為) の一つ。診療も、医療行為(医行為) の下位概念。

実は、ドクターだけでなく、ナースも、診察をしています(身に覚えがない?それは、あなたが気付いていないだけです)。看護学生たちが、実習を繰り返す意義の一つは、診察技術を身につけることです。

さて、
厚労省は、医行為か否かの判断基準について
を出しています。

事細かく書いていますね。
ただ、
これですべてを網羅している、
と思わない方がベターです。


医療契約(診療契約)については、
が網羅的です。

医療契約(診療契約)は、準委任契約である、
と習います。
委任契約では、信頼関係が大切です。
で、
契約では、意思の合致が大切。

まあ、
「ブルグドルフェリ。@ixodesix」 は、
映像に経験則を適用して、一定の判断を導く事を
「診察」と称しているのでしょうけど……
反復継続的に準委任契約に関わる者として、
あるまじき信頼破壊行為です。

(医師法云々は敢えて触れないでおきますが、ナイスな返しです。)
一方、

債権債務(権利義務)が生じる原因は、四つ。
契約、不当利得、不法行為、事務管理。

「ブルグドルフェリ。@ixodesix」 は、
事務管理を始めたことにすら、気付いていないのだろうか。


民法
管理者による事務管理の継続
第七百条 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。

委任の規定の準用)
第七百一条 第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。





「ブルグドルフェリ。@ixodesix」 は、「事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかである」と知った上で、「診察」をしたのでしょうか。

名古屋圏にとっての栃木県は、東京圏にとっての滋賀県に似ているのかも

2020-09-08 21:14:18 | 法学

によると、

県内では、
現在の県名をひらがなにして、
「とちぎ県」に改名させる
アイデアが出ていると新聞記事が、
TVで紹介されました。

と。

この改名には、法律の制定が必須です。

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)

第三条 地方公共団体の名称は、従来の名称による。

○2 都道府県の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。

で、この「法律」は、名称変更しようとする都道府県のみに適用される法律。

なので、都道府県の名称を変更する法律は、

日本国憲法第九十五条
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

に登場する「一の地方公共団体のみに適用される特別法」です(日本国憲法第九十五条に基づく住民投票ならば、実施の先例はあります。広島平和記念都市建設法や旧軍港市転換法など)。

なので、その都道府県住民による住民投票が必要です。

なので、、、

出来るけど、そこそこ面倒。

都道府県名の変更、
滋賀県内でもその機運が……

2015年02月26日 15時27分 JST | 更新 2015年02月26日 15時30分 JST
「近江県」に名前変更? 滋賀県では「知名度低い」と県議会で提案
滋賀県議会の2月定例会議一般質問で2月25日、「滋賀県」の知名度の低さから県名を「近江県」に変更しては、とする提案が議員から出た。

当方は、滋賀から一山越えた街(京都)に住んでいた。

なので、

滋賀県の微妙な存在感も、

改名を提案したくなる気持ちも、

分かるけど……


滋賀県民と栃木県民に伝えたい。

存在感の薄い岐阜県の存在を。

なお、「岐阜ってドコ?」と発した人物は、大阪人。
このタイトルも「八十亀ちゃんかんさつにっき」に登場する笑い話に由来。


栃木、滋賀、岐阜、

それぞれ経済的にも、食べ物的にも、それなりに充実しています。

名より実です。 


定期予防接種の「積極的勧奨の差し控え」は、厚労省が予防接種法に対して出来る最大限の抵抗。

2020-09-07 20:08:31 | 法学

予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)
(定義)
第二条 この法律において「予防接種」とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。

2 この法律において「A類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
一 ジフテリア

二 百日せき

三 急性灰白髄炎

四 麻しん

五 風しん

六 日本脳炎

七 破傷風

八 結核

九 Hib感染症

十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)

十一 ヒトパピローマウイルス感染症

十二 前各号に掲げる疾病のほか、人から人に伝染することによるその発生及びまん延を予防するため、又はかかった場合の病状の程度が重篤になり、若しくは重篤になるおそれがあることからその発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病


3 この法律において「B類疾病」とは、次に掲げる疾病をいう。
一 インフルエンザ

二 前号に掲げる疾病のほか、個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病


4 この法律において「定期の予防接種」とは、次に掲げる予防接種をいう。
一 第五条第一項の規定による予防接種


二 前号に掲げる予防接種に相当する予防接種として厚生労働大臣が定める基準に該当する予防接種であって、市町村長以外の者により行われるもの


5 この法律において「臨時の予防接種」とは、次に掲げる予防接種をいう。
一 第六条第一項又は第三項の規定による予防接種

二 前号に掲げる予防接種に相当する予防接種として厚生労働大臣が定める基準に該当する予防接種であって、第六条第一項又は第三項の規定による指定があった日以後当該指定に係る期日又は期間の満了の日までの間に都道府県知事及び市町村長以外の者により行われるもの


6 この法律において「定期の予防接種等」とは、定期の予防接種又は臨時の予防接種をいう。

7 この法律において「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。


第三章 定期の予防接種等の実施
(市町村長が行う予防接種)
第五条 市町村長は、A類疾病及びB類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であって政令で定めるものに対し、保健所長(特別区及び地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(第十条において「保健所を設置する市」という。)にあっては、都道府県知事)の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。


2 都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。

3 前項の規定による指定があったときは、その区域の全部が当該指定に係る区域に含まれる市町村の長は、第一項の規定にかかわらず、当該指定に係る疾病について予防接種を行うことを要しない。



なので、HPVワクチンは「定期の予防接種」です。

また、
市町村長は予防接種法第五条一項の規定があるので、
HPVワクチンの「定期の予防接種」を実施しています。

お住まいの市町村区の広報紙・広報誌をご覧ください。
HPVワクチンの「定期の予防接種」について、載っています。






(予防接種を行ってはならない場合)
第七条 市町村長又は都道府県知事は、第五条第一項又は前条第一項若しくは第三項の規定による予防接種を行うに当たっては、当該予防接種を受けようとする者について、厚生労働省令で定める方法により健康状態を調べ、当該予防接種を受けることが適当でない者として厚生労働省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該予防接種を行ってはならない。


(予防接種の勧奨)
第八条 市町村長又は都道府県知事は、第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項若しくは第三項の規定による予防接種の対象者に対し、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けることを勧奨するものとする。

2 市町村長又は都道府県知事は、前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者に対し、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けさせることを勧奨するものとする。


(予防接種を受ける努力義務
第九条 第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項の規定による予防接種の対象者は、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(同条第三項に係るものを除く。)を受けるよう努めなければならない。

2 前項の対象者が十六歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種(第六条第三項に係るものを除く。)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

つまり、
各々の被接種者やその保護者は、接種する法的義務を負っていません。

接種する法的義務を課してしまうと、健康被害が生じたときの扱いが極めてややこしい(今の判例法理でも無茶がある)ので。
仔細は
に詳しい。


(定期の予防接種等の適正な実施のための措置)
第十三条 厚生労働大臣は、毎年度、前条第一項の規定による報告の状況について厚生科学審議会に報告し、必要があると認めるときは、その意見を聴いて、定期の予防接種等の安全性に関する情報の提供その他の定期の予防接種等の適正な実施のために必要な措置を講ずるものとする。

2 厚生科学審議会は、前項の規定による措置のほか、定期の予防接種等の安全性に関する情報の提供その他の定期の予防接種等の適正な実施のために必要な措置について、調査審議し、必要があると認めるときは、厚生労働大臣に意見を述べることができる。

3 厚生労働大臣は、第一項の規定による報告又は措置を行うに当たっては、前条第一項の規定による報告に係る情報の整理又は当該報告に関する調査を行うものとする。

4 厚生労働大臣は、定期の予防接種等の適正な実施のため必要があると認めるときは、地方公共団体、病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条第一項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者であって、ワクチンの製造販売(同法第二条第十三項に規定する製造販売をいう。附則第六条第一項において同じ。)について、同法第十四条の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)をいう。第二十三条第五項において同じ。)、定期の予防接種等を受けた者又はその保護者その他の関係者に対して前項の規定による調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

第六章 雑則
(国等の責務)
第二十三条 国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する啓発及び知識の普及を図るものとする。

2 は、予防接種の円滑かつ適正な実施を確保するため、予防接種の研究開発の推進及びワクチンの供給の確保等必要な措置を講ずるものとする。

3 は、予防接種による健康被害の発生を予防するため、予防接種事業に従事する者に対する研修の実施等必要な措置を講ずるものとする。

4 は、予防接種による免疫の獲得の状況に関する調査、予防接種による健康被害の発生状況に関する調査その他予防接種の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行うものとする。

5 病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者、予防接種を受けた者又はその保護者その他の関係者は、前各項の国の責務の遂行に必要な協力をするよう努めるものとする。

この他、費用負担周りの規定(被接種者やその保護者への費用負担はゼロ)もあり。しかし、罰則規定はなし。

この通り、
厚労省が予防接種に関して使えるカードは、決して多くはない。予防接種法では、一歩引いた立場にあるから。

そのため、
厚労省ができる不作為も、決して多くはない。

そもそも、法文で接種すべきワクチンが定められている以上、
厚労省はそれらの接種を「なし」にも「なかったこと」にも、
できない(費用負担の拒否も不可)。

だからこそ、今でも各市町村区の広報誌・広報紙では、HPVワクチン接種できる旨の案内が掲載されている。

「接種したい人の希望を阻害しなかった」の法的背景は、予防接種法の定義規定(第二条)と第五条を含む法規範にある。

もし、厚労省が予防接種法に基づく予防接種にブレーキを掛ける必要性に気付いたとき、厚労省には如何なるカードを使えるか。

真っ先に出てくる手立ては、

予防接種法の改正

たしかに、強力なカードです。
しかし、法案作り・審議は、とてつもなく面倒です。閣議決定も必要です。
たとえ睡眠時間削っても、
国会情勢次第で、法案がお流れになる事もある。

実際のところ、
厚労省は、
日本の行政法ではなじみ深い

「緩い」カード

を編み出し、使った。
それが、

市町村に対する行政指導
「積極的勧奨の差し控え」

です。

行政指導については、

行政手続法
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(中略)
六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

に詳しい。

つまり、行政指導自体は、新たな法的義務を生じさせない。

第四章 行政指導
(行政指導の一般原則)
第三十二条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。


なので、その効果は、

お勧めしないが、接種したい該当年齢の人は無料でいつでもできるよ」
という一言に尽きます。

日本の行政法ではなじみ深いソフトなカード
行政指導

行政指導の利点は、
(阿吽の呼吸で)ソフトに事を進めることができるところ。

行政指導を受ける側に立ってもう少し踏み込むと、
行政指導の内容やその背景から、
行政機関の腹の内を探り当てやすく
その結果、行政機関との認識・見解の相違を解消しやすい
という利点もあります。

(移転価格税制に関する事前確認(APA: Advance Pricing Arrangement)がその最たる例。ちなみに、行政手続法もも略すとAPA(Administrative Procedure Act)。なので、移転価格税制に関する事前確認は、Japanese APAとも。行政指導の浸透した日本だからこそ、編み出された「法技術上の発明」)

(いきなり「猪鹿無猿柵を設置しろ」と命じる、よりも、「猪鹿無猿柵を設置したら、イノシシやシカ、サルから田畑を守れますよ。設置しませんか」の方が害獣対策に資する事は、明白。実際、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(平成十九年法律第百三十四号)  も、「山間地農家に法的義務を課す」建て付けにはなっていません。日本の行政法は「腰低め」で上手くいくのです。)

……話を戻すと、

厚労省による「お勧めしない」という意見から、

各市町村区は、

「HPVワクチン、やっぱりヤバいのか」

という見立てになったのでしょう(担当者たちは立場上、医療界隈からの噂話が耳に入りやすいですし。特に、保健所設置市(保健所政令市))。

現在では、
HPVワクチン接種の際、
電話問い合わせ必須の自治体が大半です。


当方の見立てとして、
あの積極的勧奨の差し控えは、
厚労省が予防接種法の枠内でなしうる
HPVワクチン予防接種に対する最大の抵抗だった、
と。

ザ・村中璃子シリーズ その十六 (ウラも細工もないカードを使おう。或いは、麻酔の代わりにピンタを使う元・軍医)

2020-09-05 17:57:48 | 法学





この指摘は、かなり重い。

悉皆接種の強制はそもそも、今の予防接種法の構造(被接種者に義務を課さない建て付け)相容れない。

まず、「予防接種法」を扱うwikipedia記事は、医療者による雑な加筆が多々あるため、見るに値しない。
 そもそも、行政救済法で最も頻繁に参照されるワクチン関連事件といえば、最判平成3年4月19日( 民集第45巻4号367頁 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52724 という引用の作法すら、医療者は知らないのだろうか)。ただ、批判の根強い判例ではある(一読すれば、不可解さに気付ける)。

予防接種禍 と国家補償(抱 喜久雄 ) 
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/houseiken/1/0/1_KJ00003600818/_pdf/-char/ja では「予防接種禍に対する補償を国家補償体系上どこに位置付けるか という点と憲法上の根拠」の学説・裁判例の数々が列挙されている(予備校本を引っ張るよりはマシでしょう)。

その背景は、
予防接種禍が大きな社会問題となり,「悪魔の籤引き」とまでいわれているのは,実は後遺障害の原因が不明であり,いかに予診を尽くしても発生が不可避であるケースが存在するからであるる(「いかに予診を尽くしても不可避である」ということが,f分な予診体制を整備することなくいわれてきたことの不合理性は本判決が厳しく指摘したところであるが,たとえ十分な予診体制が整備されても事故が起こる可能性は否定できない)。そうした場合に被害者を救済することは不可能なのであろうか。ここに依然として「国家補償の谷間」と呼ばれる問題が残されるのである。 

で、抱 喜久雄は憲法13条に基づく請求の余地を指摘しているものの、当方は不同意(憲法13条に基づく請求は、民訴の基本書や紛争類型別が頭に入っていない奴の戯言)。
 
ていうか、当時の予防接種と近代憲法秩序・自由主義との相性の悪さゆえに、ここまで学説が混沌としてしまう。

だからこそ、
現在の予防接種法は、被接種者に義務を課していない。

言うまでもなく、免疫系について人類が知っていることは限らている。各人の免疫系の特性を診ないまま、引っ掻き回す芸当は、「元・軍医が無麻酔で子どもへの手術を始め、痛がる子どもにビンタして気絶させる」(鈴木史朗氏の実話)かの如き乱暴さと横暴さではないか。




酔っ払えない当方と酔っ払い小話。或いは、ちょっと心配した田中圭さん。それから、太郎左衛門(八百長撃墜王・宗道臣系) (@tarouzaemondayo)なる常時酔っ払い状態について

2020-09-04 20:49:29 | 法学
当方の家系には、

酒豪


アルコール消毒で蕁麻疹が起きる

の二種類がいます。

当方は、酒豪に分類されるようです。
ただし、ワイン党のため、飲んでも一本程度。
水であっても、750ml以上の液体を、
一度には摂取出来ない体質なので。

「酔っぱらって奇行に走る」という感覚は、
到底、理解出来ない境地。

大学にいた頃には、
バス停をテイクアウトした、という伝説的奇行を聞いたことがあります。
また、
学内の飲み会(十数人程度)にて、
酔っぱらった奴によって注文された、
百個以上のアイスシャーベットが
押し寄せたことがあります。
(数個、頂きました。あれは誰が払ったのでしょうか?)

なので、


程度には、驚きません。ほっこりエピソード程度の話です。
(職務中の飲酒、という点ではキッチリ責任取るべきですけど……)



捜査関係者によると、田中さんは8月3日早朝、東京都世田谷区の自宅付近でタクシーを降車する際、泥酔した状態で寝ており料金の支払いができなかったという。
 
こういう
ほっこりでは済まなくなつた連中が叩き込まれる場は、
警察署の保護室、通称「トラ箱」
警職法
(保護)
第三条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して次の各号のいずれかに該当することが明らかであり、かつ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、取りあえず警察署、病院、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
一 精神錯乱又は泥酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼすおそれのある者

二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)

に基づき保護された「大トラ」たちを叩き込む場所です。

トラ箱に叩き込まれたことに、腹を立てる奴がいた。
「太郎左衛門(八百長撃墜王・宗道臣系)
@tarouzaemondayo」

病院に行きたいならば、自力で病院に行けば済む話。
必要ないから、設置しないだけ(設置したところで自傷行為に使われる恐れ大)。
後日、責任追及されたときに備えての証拠作り。可視化は大切です。
酔っぱらいの分際で何をガタガタ言っているのでしょうか。

第二労組以下は外道、ということすら知らないのでしょうか。
酒が入っていなくても、酔っぱっている状態では、、、話にならない。


さて、皆さまも
トラ箱の世話にならないように。

(田中圭さん、尾崎豊のようにならなくて、ホッとしています。)

下手にたかるモーリシャスは差額説すら知らないらしい。漁船は一隻当たり数百万で買えるのに、なぜか一隻当たり三千万超の請求。

2020-09-01 13:48:31 | 法学

モーリシャス政府には民事法を知る者がいないのだろうか、

重油流出、モーリシャス政府が日本側に32億円請求
1日 8時36分

 モーリシャス政府は、漁業支援費として12億モーリシャスルピー(日本円にしておよそ32億円)の支払いを日本側に求めたことがわかりました。サンゴ礁やビーチ沖合で使う近海漁船およそ100隻を日本やスリランカから調達し、その購入費用などにあてる予定だということです。

という意味不明な請求に呆れる。

不法行為に基づく損害賠償請求の根底には、

差額説

という
不法行為があった状況とそうではない状況とを比較して、両者の「」が、損害である
という考え方。
日本ドイツだけでなく、世界的に広く共有されている考え方。

この差額説に従うならば、
偽業もとい漁業事業者の損害は、
「漁獲高の減少分(-漁に必要な費用)」
に限られる(せいぜい、事実上使用不能となった漁具・漁船の現在価値が乗っかる程度。で、漁業者たちは、日ごろのどんぶり勘定のため、減少分を示すことも出来ないだろう)。

にも拘らずモーリシャス政府は

船の購入費用を請求
(しかも、漁船100隻の購入費用にしてはかなり割高……桁が一つ多い)。

モーリシャス政府は日本企業にたかる気満々。


こんなたかりは突っぱねる一択。
(保険者も突っぱねるだろう)

西日本に於ける意匠・商標・不競法関連事件は、大阪地裁でも提訴できます。或いは、「けいおん!」の大学が勝った。

2020-08-27 17:56:23 | 法学

民事訴訟法
第六条
 特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前二条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。
一 東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所東京地方裁判所
二 大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所大阪地方裁判所

(中略)

(意匠権等に関する訴えの管轄)
第六条の二
 意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第四条又は第五条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所に、その訴えを提起することができる
一 前条第一項第一号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。)東京地方裁判所
二 前条第一項第二号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。)大阪地方裁判所



なので、


という間抜けな事件は、
京都地裁ではなく、大阪地裁に係属していたのです。

著名表示を認められるためには、莫大な量の既存の出版物・表現物を積み上げて、使用実績を示す必要があります。
手間の掛かる重労働。

知名度の高くない公立大学にとっては、酷な作業だったでしょう

ちなみに、当方はかつて、
『京都造形大学の名称を「京都芸術大学」に変更した学校法人瓜生山(うりゅうやま)学園(左京区) 』
の近所に住んでいました(「あの階段」は見事なものです。そして「雨の日は使いたくないなぁ」とも思いました)。

「けいおん!」OPにも登場した「あの階段」のある大学さんです。

公立大学の言い掛かりに突っぱねた点、
高く評価しています。