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あまり使わない道具。『遺骨は「祭祀財産」です』編

2020-09-17 21:28:42 | 法学

松本元死刑囚の遺骨、次女に引き渡す決定
9/17(木) 17:54配信
 2018年7月の死刑執行後、法務当局が保管しているオウム真理教の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)=の遺骨と遺髪について、東京家裁が17日、元死刑囚の次女(39)に引き渡す決定をしたことが関係者への取材で分かった。 

東京家裁が出てくる理由は、

(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

という条文。
慣習が明らかでないとき
は、家裁が「祭祀財産」の持ち主を決めます。
(相続財産とは、全く異なるルールです。なので、「祭祀財産」では、法定相続人の事は忘れて下さい。)

で、
系譜、祭具及び墳墓の所有権
には、遺骨・遺髪も含まれると解釈されています(勿論、争いはありますけど、家裁は含まれる前提で審判)。

もし遺骨・遺髪が相続財産に含まれるとなれば、

遺骨・遺髪になる前に人は、所有権の対象になるのか

という疑義が出てきますから。

そもそも人は、
財産を持つ者(主体)であって、
持たれるもの(客体)ではないですから。

で、
冒頭のケース。
どういう理由で「次女」に承継させる判断したのか。
審判例を見ていないので、当方には何とも言い難いです。

なぜならば、「祭祀財産」周りでは、
まともに使える成文法が民法第八百九十七条以外になく、
過去のケースがあるばかりだから。


20世紀に出た関連裁判例・審判例


その後も裁判例・審判例は順次出ている(著名人絡みの審判例も)ものの、
未だに、
家庭裁判所が「法」を作り出している状況。
(しかも、過去の裁判例・審決例との整合性が、微妙。)

「祭祀財産」周り、
条文一つではなく、まとまった分量の法典が必要です。

そういう時代です。

追記。





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