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特別定額給付金、痛い目を見るきっかけになる予感。

2020-05-23 18:25:06 | 法学

に出てくる

2つ目の考え方に立つと、世帯主が自身の10万円以上の他の家族分の給付金を勝手に使い込むことは横領と言えることになりますが、刑法では夫婦、親子間では横領罪は成立しないこととなっているので、刑事罰の対象にはなりません。

……に、間違いが一か所、あります。

刑法では夫婦、親子間では横領罪は成立「するものの、一身的処罰阻却事由として、刑が免除されます(親族相盗例、刑法255条・244条1項)。」

です。
戦前馬の親族相盗例に対する理解は、基礎中の基礎です。

ちなみに、近年の親族相盗例の事例としては、恐喝の事件で横浜地判平成24年11月30日 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=82857
(恐喝と強盗、境目曖昧ですから。。。)

また、婚姻関係破綻していても、親族相盗例の規定は適用されないとみるべき。

特別定額給付金離婚というカテゴリが生まれるかもしれません。

また、

今回10万円は子どもも対象です。もし、子どもが「10万円」を自由に使いたいと主張した場合、親は拒否できるのしょうか
に対する
2つ目の考え方に立っても、親権者には子の財産管理権がありますから、子の願望を拒否することは認められます。

に、当方は不同意。

特別定額給付金
は、お小遣い条項(民法5条3項)
(法定代理人が)「目的を定めないで処分を許した財産」に該当するから、
法定代理人(親権者を含む)は口も手も出せない
という見立て。

ちなみに、新型コロナウィルス関連の給付では、
自治体によっては、学校内で
数千円分の図書カードを直接子どもに手渡すもあります。
これを法定代理人(親権者を含む)が取り上げる、ということはそもそも考え難いですし、そもそも給付の趣旨(読みたい本を、選んで買って読め!)から外れます。

特別定額給付金は金額の違いはあれど、「2つ目の考え方」に従う限り、「数千円分の図書カードを直接子どもに手渡す」給付の趣旨に違いはない。

未成年者への特別定額給付金支給には、
法定代理人による財産管理権を排する趣旨が含まれているかどうか、
の検討が必要。

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