科学アプローチと設計アプローチの融合が強力

今の会社の技術者の仕事の仕方から知ったことは、設計アプローチで半導体電子回路が生産可能な事実だ。科学アプローチは分析、最適化を徹底的に実行する。一方、設計アプローチは有限の期限内で、今可能な最善策を判断し実行する。
MATLABやSimlinkを用いて数値モデル設計を実行するのはかなり科学アプローチよりの方法だ。
実際のものづくりのノウハウがこの方法をサポートすることでより正確な設計が、より効率的に可能となる。もともとは、時間をかけ、試行錯誤しながら設計されていたものが、科学アプローチの力を借りてより確実に短期間に設計されるようになってきている。
アナログICの設計は、まだまだ容易に数理モデルが手に入るものではなく、設計アプローチで実施されているものが多い。これらが、すべてトップダウンに科学アプローチを取り入れて実行される時代もそう遠くないと、個人的に思っている。
何十年も経験をつんだ設計者の方々にはお叱りを受けるかもしれないが、設計の目的は、人々の生活を便利に、文化的に豊かにする製品を世の中に提供することである。
むやみな差異化や、技術競争がいつまでも続くとはもう到底思えないのが、私の個人的価値観からくる感想なのです。そんなふうにみなが思うと、モチベーションが下がってしまって、仕事自体がなくなってしまうことになるだろうとも思っている。結局、本物の技術者は少数精鋭でいいんだと思ってます。
本物の技術者の知恵が注がれた科学アプローチのツールがサポートすることで、私のようなごく普通のDNAの人間が少しの努力により仕事ができるようになるのが理想なのだと、私個人は都合よく考えています。