「現実逃亡癖、でしょ?」
十中八九当たっているのが怖くて、あえて笑いながら言う。
「今度はどちらへ?」
「オーストラリア。」
はっきりしたカタカナで、彼女は言った。
意外だった。
今までの彼女の旅先は、
決まって、まぎれもない発展途上の国々だった。
彼女曰く、心の社会が当たり前のように残っている国、だった。
なのに、今回は思い切りの観光地。
意表をつかれた。
けれど、次の瞬間には、
私の内側にある厭な予感に向けて
動き始めてしまった現実に対する嫌悪感が押し寄せてきた。
しかも、同時に、もうそれは誰にも止められないという、
確信に変わってしまっていた。
十中八九当たっているのが怖くて、あえて笑いながら言う。
「今度はどちらへ?」
「オーストラリア。」
はっきりしたカタカナで、彼女は言った。
意外だった。
今までの彼女の旅先は、
決まって、まぎれもない発展途上の国々だった。
彼女曰く、心の社会が当たり前のように残っている国、だった。
なのに、今回は思い切りの観光地。
意表をつかれた。
けれど、次の瞬間には、
私の内側にある厭な予感に向けて
動き始めてしまった現実に対する嫌悪感が押し寄せてきた。
しかも、同時に、もうそれは誰にも止められないという、
確信に変わってしまっていた。