血糖値も下がり、少し途方に暮れかかったわたしは、
その教会の建つ広場に面したカフェで、
巨大なクロワッサンのサンドを頬張った。
そして、空腹が満たされてくると、まるで脳が覚醒していないような、
どこか心と体のピントがずれているような気だるさに襲われそうになっていた。
“ここ、よろしいかしら?”
どこを見るでもなく、教会に眼をやっていたわたしは、
そのオーストラリア独特の響きのプロナウンスへゆっくりと反応した。
そこには、きっとどんなものでもホームメイドのものを好むに違いない、
やわらかそうなおばあさんと、
彼女の作るものを本気で愛しているに違いない、
穏やかそうなおじいさんが立っていた。
“使わせていただいても良いかしら?”
そう言って、ふたつ残っている椅子に眼を落とした。
“気づかずに、すみません。どうぞ、お掛けになってください。”
行き詰まりかけていた心に、
絶妙なタイミングで風穴を開けてくれたふたりに、
感謝の意を存分に込めて、わたしは言った。
そして、座っていた椅子を少しずらした。
その教会の建つ広場に面したカフェで、
巨大なクロワッサンのサンドを頬張った。
そして、空腹が満たされてくると、まるで脳が覚醒していないような、
どこか心と体のピントがずれているような気だるさに襲われそうになっていた。
“ここ、よろしいかしら?”
どこを見るでもなく、教会に眼をやっていたわたしは、
そのオーストラリア独特の響きのプロナウンスへゆっくりと反応した。
そこには、きっとどんなものでもホームメイドのものを好むに違いない、
やわらかそうなおばあさんと、
彼女の作るものを本気で愛しているに違いない、
穏やかそうなおじいさんが立っていた。
“使わせていただいても良いかしら?”
そう言って、ふたつ残っている椅子に眼を落とした。
“気づかずに、すみません。どうぞ、お掛けになってください。”
行き詰まりかけていた心に、
絶妙なタイミングで風穴を開けてくれたふたりに、
感謝の意を存分に込めて、わたしは言った。
そして、座っていた椅子を少しずらした。