Gravity Blue １７

直行した、教会。

泉には、ああは言われたけれど、
この教会に引き寄せられている自分を、わたしは意識していた。
それも、かなり強く。

「やっぱり、わたしの直感は当てにならないのかな。」
そう呟き、ブリスベンシティの中央にあるその石造りの教会を、
陽射しを存分に受けながら仰いだ。

教会や街並。
高い空や乾いた匂いの風。
そこにあるものたちは、嬉しくなるほど、
あの時のものたちと一緒だった。
それらは、純粋に、懐かしさや時の確かな流れの実感という感慨に
浸らせてはくれる。

でも、きっと違う。
わたしにはたらいた引力は、そういうことではない気がする。

それが何かは、分からないけれど。