はな to つき

花鳥風月

Gravity Blue 14

2012-05-10 04:37:51 | 【Gravity Blue】
あの時、うそをついていなかったら、
どうなっていたのだろうか。

海は、今も私の前にいたのだろうか。
あの夜と同じように、ふたりでこのお店のこの席で、
過ぎゆく雪を感じていたのだろうか。

そんなことを、少し想像した。

そして、いつものように、タルトとローズヒップと小さな炎の乗った、
清楚に整えられたテーブルに、便箋をそっと置いた。

もうすぐ桜の季節だというのに、
惜しまれつつの雪が街の色を覆っている。