体癖というのは、
無意運動の偏りや 歪んだ習性を言い
大抵の人は誰でも 体癖を持っていても
それに気づかないでいる
気づかないうちにいつの間にか
その支配を受け、
その影響を受け、
いつも偏った体の使い方をし、
体を歪めて使う習慣が身についてしまうようになります
それ故に
体の偏りが激しい箇所が余分に疲労するため、
その体の一部分がクローズアップされる事で
その部分部分だけが疲労しているのにも関わらず
体全体が疲れたように感じるのです
ですから、
[部分疲労]と[疲労感]は分けて考える方が
体を休ませ易いのです
実際の体の状態から だんだんかけ離れ
自分の体の要求を感ずることにも鈍くなり、
時計を見て食べ(お腹が空いてなくても)、
眠っている(質で眠らず時間で眠る)ような
生活をすることで
いつも体の全力を発揮して生き生きしているとは
言えない
惰性的な暮らし方をしてしまうのです
ある体癖を有する人は、
共通した姿勢をしやすく、その体型も類似している
例えば
右の踵に無意に力を入れて歩いている人は、
靴の踵が余分に減るだけでなく、
足も踵が平らになり、
足首が太く、脚もまた右は左より太く
腸骨櫛(稜)の位置はいつも高い
(正常な人は、第四腰椎棘突起の下線(ヤコビー線)に
沿うがこの位置が高い人は、第三腰椎に沿っていることなども珍しくない)
また余分に力が入る側の顔は
縮んで眼は細く、
また上肢(上半身)を後ろに廻すと、
その側は容易く廻らない
肩も左右の高さは、かなり明瞭に異なる
こういう体勢をしている人は、
力が余分に掛かってしまう逆側(右なら左/左なら右)を
下にして眠るようにすると体に異常が生ずる直前である
歯で噛むにしても
踵に力が入る側で噛む
話しをするときも
力が掛かる側で話しをすれば話しは弾むが、
逆側を向いて話さなければならない時は、
すぐに疲れる
そういう人の上肢(上半身)は、力の掛かる側の伸びが悪く、力が入らない側は伸びやすい
ですから
これが無意識に鞄を左手に抱えたり、
右手を下げたり、また
スポーツや仕事に於いても
得手不得手の原因が生ずるのである
面白いのは、
こういう偏りがある程度の域に達すると、
その人は理由もないのにイライラしたり、
急に怒りっぽくなったり、
無性に食欲が湧いて食べたくなったり、
逆に、食欲が抜けたりする
右の腰椎2番の緊張はこの逆で、
疲れることと、
食欲がなくなることがいつも一緒
時々 食い溜めをして、食欲がなくなり、
イライラし、癇癪を起こすものの発散をしない
つまり凝固型の4種である
左右型は、どんな場合でも[好き嫌い]で
その行動を決め、その感情で物言いもする
左右偏り型は、
腰椎2番の硬直がある一定の状態に至ると
疲労感を感じ、その働きが続けられない
疲労は、腰椎2番にあるのに、全身が疲労感に襲われるが、働いてクタクタになって
何一つ動かせなくなったとしても
旨そうな食べ物を見たり、
面白いことでも始めればたちまち元気になる
腰椎2番は脊髄反射的見地から見れば
胃袋や肝臓の収縮と関係がある骨であり、
この部分が緊張することで胃袋が収縮し縮むことで
逆に拡張要求が生じる
それ故
空腹になるとイライラし、
食べるとすぐにそれが治まるのが特徴だ
それによって
八つ当たりをしたり、
プンプン怒ったりが一通り終わると
左右の偏りによって生じている体勢異常が
著しく減少する
生理的限度を超えて無闇にその要求を
抑えつけている人は、
風邪を引いたり、
下痢をしたりすると、
あとはその歪みが少なくなるのは、
体の要求が満たされるからなのだろうか?
それ故、
右に力が偏るという簡単な体癖でも、
体や心への影響は大きい
それは、
人間が四足歩行から
二足足歩行へと進化を遂げたことで
右側へ内臓が偏って入っているために生じる影響も
あるのかもしれない
そのように考えてゆくと、
病気になるのはいつも同じ側で、
手の病気でも、
内臓の病気でも、
足の病気でもいつも右側ばかりだ
というような人は、
右に偏る体癖の持ち主である
発汗までが、右側に多い
野口先生の書籍を丁寧に読み込んでいくと、
最初は訳が分からなくても分かるようになると、
面白いものだなぁと思います