「世界がもし100人の村だったら」とMOTTAINAI 6月17日

以前、講演を依頼したこともある「世界がもし100人の村だったら」の翻訳者・池田香代子さんが、昨日、横浜国立大学附属横浜中学校を訪ずれ、マータイ女史が提唱する「MOTTAINAI」精神を紹介するマガジンハウスの「もったいない」という本をテキストに、授業をされたそうだ。

「もったいない」という本は、食べ物を大切にするなど先進国・日本が忘れかけている精神を再認識させ、マータイ女史が世界に「MOTTAINAI」を広げようとする今、子どもたちへの絶好のテキストになり得る、というものだそうだ。

授業で池田香代子さんは、ハンバーガーを例に挙げ、材料の多くが輸入されている一方で、国内で年間2,000万tもの食品が廃棄されていることを紹介した。確かに、食糧は、大量に輸入される一方で、毎日、大量に廃棄されているものの典型かもしれない。消費期限の過ぎた食品は、コンビニでもスーパーでも全てはゴミと化す。それが半端な量ではないことを、多くの国民は目の当たりにしているはずだ。

「世界がもし100人の村だったら」という本を、覚えている方は多いと思う。もし世界が100人の村だったら、75人は食べ物の蓄えがあり雨露をしのぐところがあるが、残りの25人はそうではなく、そのうちの17人は安全な水が飲めない・・・。この本は、南北問題の実態を、世界の人口を100人にたとえ、わかりやすく説明している。

政府は今日の閣議で、マータイ女史の「MOTTAINAI」精神を盛り込んだ環境白書および循環型社会白書をいずれも了承した。クールビズは、賛否両論あるが、政府の取り組みとしては前向きの一歩だと思うし、何より日本語の「もったいない」が世界共通語になり得るに値する素晴らしい言葉であったことを、あらためて誇りにも思う。

頭の固い大人よりも、子どもたちのほうがよっぽど柔軟。環境保護の重要さに、気付く力を持っている。永田町の重鎮たちは、そうはいっても地下鉄に乗る人は少ない。クールビズのパフォーマンスをしながら黒塗りの車が当たり前の日常を送っているのだ。池田香代子さんにならって、環境保護の重要性は、子どもたちに理解を求めることが必要なのだ。ゆとりの時間に何を教えてよいのかわからない教師が多いと聞くが、食育と環境、これで十分に1年は過ぎていくのではないか。池田香代子さんの「もったいない」の授業を受けることのできた子どもたちは、本当にラッキーだ。
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