文化庁ガイドライン12月7日

音楽CD還流防止措置に関するガイドラインは、本日12月7日夕刻、文化庁から公表された。先日の私の日記に6日が公表日だと書いてしまい、ミスリードになってしまったかと危惧していたが、通知は12月6日付けとなっていたのでホッとした。それにしても1月1日施行を目前にして、ガイドラインの公表はあまりにも遅すぎる。いったい、どの部分がもめて、誰が文句を言っていたのか?とても気になるところだ。

ポイントとなるのは、やはり、要件①「国内において先または同時に発行」の部分と、要件④「不当の基準」をライセンス料の0.6以下としたところ。更に、権利行使の主体を、著作権者と著作隣接権者とに分けた点についても、注目すべきだ。文化庁は、これらの要件によっ、て洋盤輸入が止まることはないと主張しているが、果たしてそうだろうか?詳細な検討が必要だ。

興味深いのは、日本国内用が廃盤となったものは、対象外としている点だ。レコード会社から小売店等に対して発した、当該国内頒布目的商業用レコードの回収に係る通知に記載された受付開始日を、当該廃盤の日とみなす、と定義も明確だ。これは明らかに、高橋健太郎さんの主張が実を結んだものといえる。輸入差し止めの対象リスト(ネガティブリスト)から、廃盤は削除しなければならないが、廃盤リスト(ポジティブリスト)なるものを誰かが作ってくれれば、もっとわかりやすくなる。

日本レコード協会加盟各社は、ガイドラインに従って行動するであろうが、この通知に法的拘束力はない。欧米のメジャーやガイドラインにとらわれない権利者が、裁判所へ訴え権利行使に踏み切った場合、いったいどうなるのか?まだ、すべてが片付いているわけではないのだ・・・。

アーティストやレコード会社のライセンス料は、いったいいくらなのか?この機会に、具体的な数字を明らかにしていくことも必要だ。コミックの貸与権の交渉では、作家に80円、出版社・取次・管理センターに200円という数字が示されたそうだ。著作権法上、何の権利もない出版社と取次(???)が使用料を要求するのも噴飯ものだが、アーティストやクリエーターが、日本の出版社やレコード会社から大切にされているのか否かを、もっと厳重に検証する必要がある。

エンタメ議連は、アーティスト・クリエーター、そして将来のアーティスト・クリエーターを含む消費者(ユーザー)を大切にする、真の知財戦略を目指していく。音楽CDの再販制度廃止については、いよいよ衆議院法制局の作業が始まった。再販を新聞・書籍・雑誌に限定する条文が、年内にも出来上がる。乞ご期待!
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脳死判定12月6日

今日明日中にどうしても読み上げなければならないテキストがあり、じっくりとパソコンの前に座っていられない。音楽CD還流防止措置に関する文化庁のガイドラインも、結局、今日は発表されなかった。

昨年8月、仮死状態で生まれた赤ちゃんを「脳死」と判定し、両親の意向で生後18日目に、延命措置が中止されていたことが判明した。小児における脳死判定基準に法的拘束力はなく、曖昧な状態が続く中での措置ということになるが、臓器提供を目的とはせず、あくまでも緩和ケアの一環としての措置ということだ。

脳死を人の死とするか否か、20年近く前の脳死臨調でも活発な議論が行なわれていた。梅原猛氏を座長に、当時の厚生省で行なわれた公聴会の席で、私は、臓器移植を是とし、脳死を人の死と認める立場でスピーチをさせていただいた。その後の急激な医学の進歩により、今や、たとえ脳死状態であろうとも、近い将来、再び脳は生き返ると、誰もが思える時代となり、取り巻く環境は、がらりと変わった。

今回の乳児のケースのように、身内が望む緩和ケアとしての脳死による死を、容認するためにもまだまだ議論は必要だ。しかし、こと人の生死に関わる奥の深い倫理観を論ずることのできる日本人は、今の時代、非常に少ない。現代にふさわしい脳死臨調あるいは生命倫理に関する調査会が必要であり、委員には、梅原猛氏、養老孟司氏、大江健三郎氏を私は推薦する。
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骨髄バンク12月5日

骨髄バンクのドナー登録が、20万人を突破した。素晴らしいことだ。十数年前、私もドナー登録したものの一人だ。僅か10ccほどの採血からすべては始まる。白血球の型・HLAのタイプが調べられ、移植を待つ患者さんとHLAのタイプが一致すれば、骨髄移植の真のドナーとなる。しかし、なかなかそのタイプは一致せず、ドナー登録はしていても、出番がまわってくることは宝くじにあたるくらい低い確率だ。

私も登録をするにはしたが、何の連絡もないまま数年が過ぎていった。自分がドナー登録していることすら忘れかけていたある夜、移植コーディネーターと名乗る方から、突然電話がかかってきた。正直、「当たっちゃたの???」という感じで、驚きのほうが優先していた。しかし、こんな私でも命に関わるボランティアが出来るのだと思い、当時は全身麻酔や腰に刺す太い針(直径1cm大)など恐怖のベールに包まれていた骨髄移植ではあったものの、ついに骨髄提供を決断した。

提供するほうにも大変なリスクのかかる採血だけに、骨髄提供には両親の同意が必要だ。案の定、“嫁入り前の娘”である私は、両親に猛反対されてしまった。しかし、私の決断は揺るがず、粘り強く何度も両親に電話をし説得に励み理解を得た。その間、私自身2次3次と検査を進め、いよいよ骨髄移植が目前に迫ってきた矢先、再びコーディネーターからの連絡で、私の骨髄提供は必要なくなったと告げられた。その理由は、聴かされなかったが、多分、私よりももっとタイプの近いドナーが見つかったのだろう。

そんな経験を持つ私は、骨髄バンクのドナー登録会へも、道行く人々への“呼びかけ人”としてボランティア参加をさせていただきながら、現在もなおドナー登録者の1人として、いつ知れずおとずれるともしれないドナー提供を念頭におきつつ、1人でも多くの患者さんの命を救えるよう、骨髄移植について考え続けている。

移植を待つ、年間約2,000人の患者さんの2割は、ドナーが見つからない。患者さんの数に見合ったドナー登録者数は30万人と言われており、20万人の達成は、まだまだ道半ばなのだ。ドナー登録会場では、若い人たちを中心に、意外に多くの登録を得られるが、帰宅後、家族の同意をとりつける段階になって、登録を断念せざるを得ない人も多く、また、いざ“適合”となってからも、骨髄提供を拒否するケースも少なくない。提供するほうにも大きな負担のかかる全身麻酔による採血だけに、そうそう簡単にドナーの数は増えないのだ。

先日、HLAのタイプが一致しなくても、骨髄移植できる新技術を研究開発中との記事を読んだ。日本ではまだ未承認の手法で試すことはできないが、確か中国の病院が実際にトライし研究中と記してあった。この手法が成功すれば、即座に近親者がドナーになることが可能となり、患者さんにとっては朗報となる。

手術そのものや前後の放射線治療などで、一千万円以上の費用のかかる現在の移植手術。保険は適用されるが、自己負担割合によっては莫大な費用がかかるのだ。まずは、患者負担を軽減するための、骨髄移植への特定療養費制度の拡充を急ぐべきだ。更に、HLAタイプを限定しない新しい手法の開発に、国内でも全力を注げる環境を作ることも必要だ。スムーズな骨髄移植が行なわれるその日が来るように、不肖・骨髄移植財団委嘱説明員である私も、国会への働きかけも含め頑張っていきたい。
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スーパーブロッコリーと元気超高齢者12月4日

スーパーブロッコリーなるものをご存知だろうか?通常のブロッコリーの100倍も、ガン抑制に効果のある物質サルフォラフェンを含んでいるというからすごい。ブロッコリーにガン抑制作用があることは周知の事実であり、長年にわたり研究が進められていた。今回の成功は、人為的操作による遺伝子注入ではなく、昔ながらの交配によるもので、DNA鑑定技術を使って短期間での品種改良に成功したというものだ。来年からは、人間を対象にした試験を行い、問題ないとなれば、市場に「スーパーブロッコリー」が登場することになる。楽しみだ。

私が日頃接する高齢者の方々は、何かしらの病気を抱え、薬を飲む毎日を送っている人が大半だが、そういう方々との会話を通して、興味深い発見が幾つもある。その中で、私が最も心を動かされるのは、80歳90歳になってもなお、薬も飲まず息災に暮らす方々の存在だ。職場での話題なので全国的な傾向と断言するわけにはいかないが、飲む薬の量を減らしていったら、徐々に元気を取り戻し、すっかり健康に暮らしているという超高齢者の方々が幾人もいらっしゃる。

そもそも高血圧・高脂血症・糖尿病、またそれらから来る心臓病などの合併症は生活習慣病と呼ばれるものだ。つまり、バッチリと生活習慣を改善し規則正しい生活を送ることができれば、薬を飲む必要はなくなり、薬の副作用による悪影響からも開放され長生きできるということになるのだ。薬は両刃の剣であるという認識をしっかりと持ち、ブロッコリーなどの野菜をはじめ、体に良いとされる食物を摂取する食生活に切り替えよう。

関節リウマチの治療薬メトトレキセート製剤を、入院患者に医師が誤って処方し、患者が呼吸困難に陥り意識不明の重体となっている。そもそもこの抗リウマチ薬は、週に1回(1日あるいは2日連続)の服用でなければならないにもかかわらず、研修医が5日間連続服用の指示を出してしまい、この薬の免疫抑制作用が強力にあらわれ急変したものと思われる。殆どの病院の病棟業務では、医師の指示のもと看護師が患者への投薬を行なっているが、しばしば薬の取り違えによりアクシデントやインシデントが発生し重要な課題となっていた矢先の、今回の出来事だ。このケースでも、薬剤師が介在していれば、薬の投与方法の間違いに、直ちに気付いたはずだ。

医療事故を最大限防御するためには、病棟でもコメディカルとしての薬剤師の意義は大きいはずだ。病院経営の株式会社参入や混合診療などよりも、医療の規制緩和の最たるものは、実は、医師の権力の分散でなければならないのかもしれない。そのためにもコメディカルの一員である薬剤師は、患者さんからも信頼に足り得る人間力を、しっかりと身に付けていかなければならない。私も研鑚努力する。

ところで、CD還流防止措置に関して、税関での運用などの文化庁の通知(ガイドライン)が、12月6日(月)に公表される。外国盤のCDは、日本国内で、先か同時に発売されている場合は、対象になる可能性があるが、海外で先に発売されるものは対象にならない。ガイドラインの公表は、非常に遅くなった。法律の施行までわずかの時間しかない。文化庁の責任は重大だ。エンタメ議連では、還流防止措置の運用・施行にも十分監視をし、同時に音楽ファンのために音楽CD等の再販制度を廃止する議員立法を準備中だ。みなさまと一緒に、アーティスト・クリエーターと消費者のための知的財産制度を作っていきたい。
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臨時国会閉幕12月3日

臨時国会閉幕。成果の少ない国会だった。年金改革・社会保険庁廃止・政治とカネについての真相解明・政治資金規正法改正・イラクへの自衛隊派遣の是非・中越地震をはじめとする災害対策等々。そして何よりも、1000兆円に達するこの国と地方の借金をいったいどうするのか。政治でしか解決できない最大の問題について、真剣な議論をはじめるべきだった。今臨時国会のために、いったいどのくらいの国民の税金が投入されたのだろうか?

お金がないから処方薬の数を減らさざるを得ない患者さんの気持ちを思うと、いったい国会は何をやっているんだろうと、溜息が出る。その上、無防備な混合診療解禁を断行しようとする政府・・・。あまりに庶民の生活を知らない政府に、がっかりする。選挙をたたかって当選した人たちなのに、有権者の実情をあまりに知らなすぎる。

有権者は、自らの生活の実態を、議員の前では正直には明かさないのだろうか。社会保障や増税問題、議員の不祥事などについて、「駄目だ駄目だ」と仲間内では不平を口にはしても、国会議員にはストレートに伝わっていないということなのだろうか???テレビや新聞を中心とするマスメディアも、国民の生活と政治とをつなぐ役割を果たしていないということだ。

国民と国会議員とをつなぐメディアとして、インターネットは重要だ。例えばブログを通じて地域や生活の情報が伝達され、ブログ上でのコミュニケーションから、問題点の解決策を見出すことができれば理想的だ。

今年の春の通常国会での著作権法改正では、国民と政治とをつなぐ懸け橋として、ブログが大きな役割を果たしていた。新しいメディアの芽生えだった。今臨時国会も、国民の思いとの大きなギャップを感じるものとなったわけだが、ブログのような新しい情報ネットワークを構築して、真に価値ある代表制民主主義を築いていかなければならない。

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産地偽装と迂回献金と不妊治療12月2日

今度は、私も大好きな冬の味覚、牡蠣だ。またまた産地偽装疑惑である。宮城県産と偽って、なんと韓国産の牡蠣が宮城県産の半値で特売されていたという。牛肉に限らず、すべての生鮮食品にトレーサビリティを徹底することが必要だ。JA関連会社が、国内の農家を出し抜いて輸入豚を鹿児島黒豚と偽装していたことは、あまりに衝撃的だったが、牡蠣についてもこの有様では、他の生鮮食品の中にも、例えば天然ものと称して実は養殖ものが売られていたりしそうで、虚像の中に出かけるようでスーパーに行くことすらはばかれる心境になる。

こうなったら、遠隔地の特産物など当てにせず、身近な地域の特産物を思いっきり当てにして生きていくしかない。名実ともの、地産地消だ。あるいは、インターネットを活用して、消費者が産地から直接買い付けることを実現できるネットワークの整備に取り組むことだ。国会議員は地域の代表者であるはずなのだから、産直大使として特産物の販路のネットワーク化に貢献すべきだ。

お歳暮のシーズン到来。是非、ブランド品の偽装が相次ぐ今だからこそ、全国区とはいかないまでも、自信の持てる地元の特産物を贈りたい人に味わってもらえるよう、消費者の1人として工夫してみてはいかがだろうか。

鈴木宗男氏が、自身の国会議員時代を思い出して、自民党には指定献金制度すなわち迂回献金制度があったと発言した。さらに、法改正されたため、自分を応援してくれている支援者が党に献金したにすぎないとも述べた。私自身の小選挙区での選挙活動時代を振り返ると、資金はいつも火の車。預金が底をついて以降、結局は活動すればするほどマイナスだった。党大会の場でも、そういった窮状を私はスピーチし、党本部に対して活動への理解を、最後まで求めていた。

しかし、今、薬剤師として、政治活動に関する費用についても自立する立場となり、まさに庶民の1人として思うことは、働く人々はみんな、ギリギリいっぱいの暮らしをしているのだということだ。むしろ、数々の特権で優遇されている国会議員だけが、特別の存在なのである。今日の新聞で、野田聖子議員が不妊治療を赤裸々に告白したというニュースを読んだ。結婚していない私でさえも、子どもは欲しいなと思うから、ご本人の心中いかばかりかと察するが、治療が成功しない理由が議員活動にあるとしている点に、私は納得がいかない。

普通の庶民は、不妊治療を継続したくても、経済的理由で思うようにはいかない。野田聖子議員は、国民の税金で不妊治療にあたっているのではないの!?それとも、もともと資産家の家に生まれているから裕福なのか!?不妊治療には莫大な経費が必要であっても、仕事と不妊治療との二足のわらじは、庶民には絶対に無理だ。今回の野田聖子議員の告白は、国民の同情を得られると思っての決断なのだろうか?私は複雑な心境だ。

連合が、社会保障制度全般に関して、自民党と協議を始めたそうだ。別に悪いことではないが、自民党も民主党も、この種の牽制によって、政策がゆらぐものでもないだろう。改革者の立場なのか既得権益の立場なのか、はっきりしない連合の動きは、国民にとって生産性の高い結果を見出すものだとは思えない。
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「負け犬」12月1日

いよいよ師走に突入した。1年なんて、あっという間だなあ。政治への志を持っているからこそ、普通に働き自立することは大切なことだ。幸いにも良き同僚に囲まれ仕事をさせていただく私は、1国民として“税金”の使い方を、納税者の立場に立って考えることができるのだと、あらためて感じている。朝から晩まで必死に働く者の1人として、これからも税の行方、国のあり方を真剣に考えていきたい。

勿論、医療現場で働くものとして、喫緊の山積する課題、混合医療や医療用医薬品の処方箋なしでの販売、薬剤師6年制の問題あるいは介護保険制度の改善点などについては、特に現場の生の声を届ける立場の人間として、患者本位、利用者本位、医療・介護スタッフ本位の改革に向けて、全力で取り組んでいきたい。

お正月の同窓会まで、残り1ヶ月を切った。高校の同窓生約220名中、現時点で連絡がとれたのは半分程度だ。全国にちらばりそれぞれの分野で活躍している友人たちを誇らしく思う反面、だからこそ忙しくて会えないことが、非常に残念でならない。多くの懐かしい友人たちから、温かい参加の連絡が届いているが、実家も含め転居先不明の人たちには、幹事としても完全に為す術なしだ。

私はいつも、医薬品の相互作用について注意が必要だと主張しているが、大手製薬メーカーで新薬を開発する化学者の同級生によると、現在の新薬開発では、主活性が強いことは勿論だが、併せて相互作用がないということが義務付けられているそうだ。よりシビアな環境で、安全性の高い医薬品の開発が、今では行なわれているということだ。新薬開発に、膨大な費用がかかることもうなづける。

先日、民主党の岡田代表が、「負け犬」と発言した。今年の流行語大賞には、「負け犬」という言葉もノミネートされていたようだが、岡田代表の言う「負け犬」とは、衆議院選挙で、2度以上惜敗率復活で当選した人を指している。原理原則主義の岡田代表が、いつもする失言だと、経験者の1人である私は思う。例のごとく選挙区格差を加味せず、地方の保守王国で、やっとの思いで比例復活した人たちに対する配慮のかけらもない発言だ。

この岡田代表の「負け犬」発言に、過去3度、鹿児島1区で比例復活当選している川内博史代議士もかみついた。岡田代表は、激励のつもりだったと弁明したそうだが、昨年の総選挙の後、落選以上に私を苦しめたのも、原理原則主義の岡田ルールだった。現在は、政党のトップであるからこそ、ウオームハートを忘れないで欲しい。
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