jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

無印結婚物語/群ようこ 角川書店

2006年11月12日 | 読書
個人的には「結婚 = 人生最高の幸せ」の公式に素直にうなずけない。
親、親戚、知人の様子を見ていると、本当にそれでシアワセなのか?
と疑問に思ってしまう。
結婚に対する憧れであるとか薔薇色な夢などはこれっぽっちももっていない。
子供は欲しいと思うけれども。
「結婚していいのは最初の2年だけ」とよく言われる定理に激しくうなずいてしまう。
果たして、よかった2年のあとに待ち受けているものは何か???
この設問に12通りの答えをこの本で見ることができる。
不条理でおかしな結婚生活を描いた12の短編で構成されているのだ。
ちょっと大袈裟で極端なエピソードばかりと初めは思うかもしれないけれど、
妙なリアリティがあって一般庶民の結婚生活って実はこんなもんじゃないのかなと思わせてくれる。
「こんなはずじゃなかった」とか「ほんとうにこの人が好きなのかしら」とか、
ふと我に返るときがどのカップルにもありうるはず。
結婚する前はお互いの良い所しか目に入らない。
同じ屋根の下で暮らしていくうちにいろんなところが見えてくる。
あとがきにあるように、
「結婚しなきゃ人間として一人前じゃない」といった世間一般の圧倒的多数意見に対して
「結婚したい人はすればいい」、「結婚したくない人はしなければいい」と群ようこ一流の必殺一撃ボディアタックを見舞った小説なのであった。