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【神社】記紀にその名が見えない太陽の男神“有鹿比古命”と水の女神“有鹿比女命”を祀る相模国最古の神社~有鹿神社本宮・中宮・奥宮@神奈川県海老名市上郷

2023-06-23 19:44:29 | 磐座・巨石・社寺
今回は、記紀にその祭祀名が見えず、阿波忌部氏が当地にて祖先を祀ったのが始まりとも伝えがある神奈川県海老名市の総鎮守“有鹿神社”の本宮、中宮、奥宮の紹介です。
最も有鹿神社の社名を知らなくてもナニコレ珍百景で紹介された「ネギの帽子」を被ったネギ禰宜さんが神事を執り行ったり、パンダに扮した宮司(代理)さんが舞ったりする「ネギ祭り」で知っている人も多いと思います。
カオスなネギ祭り in 有鹿神社 #1

【有鹿神社本宮】 
本宮は、JR・小田急厚木駅より駅前通りを北へ裏手には、相模川が流れる場所に鎮座しています。
厚木駅から北へ1キロ真っすぐ行った突き当りに海老名総鎮守の有鹿神社は鎮座しています。
境内はそれほど広くはありませんが綺麗に掃き清められ清々しい神社です。
覆い屋の中に鎮まる本殿
祭祀:有鹿比古命・有鹿比女命・大日靈貴命
有鹿比古命は、太陽の男神、有鹿比女命は水の女神 と伝えられ二柱共に記紀には登場しない神名です。
由緒:有鹿神社は、有鹿郷(海老名市を中心とする地域)にある神社です。奈良・平安の昔には、相模国の国府を守護する神社として、広大な敷地と美麗な社殿、門沢橋にまで及ぶ参道、海老名耕地500町歩を有していました。室町の二度にわたる戦乱により荒廃しましたが、その後、海老名耕地の用水を守る「水引祭」の復興を通して、海老名総鎮守として、人々の崇敬を受けています。
有鹿神社には、鳩川の水源を守る「奥宮」(相模原市磯部の勝坂に鎮座)、中流を守る「中宮」(座間市から海老名市上郷に遷座)、相模川の合流点を守る「本宮」(海老名市上郷に鎮座)があります。 
有鹿神社公式HPより)
有鹿神社由緒(写真クリックで拡大)
有鹿天神社 地元の氏族だった海老名氏の館跡東側から遷座

由緒を読むと、初めに有鹿谷(現在の勝坂遺跡公園辺り後述)の湧き出る泉より「水神として人々の信仰の対象となった」と、ある事から元々は水神を祀っていたのを作物の実りにはかかせない太陽を対として男神を後から祀ったのではないかと思っています。(現在は、併せて大日靈貴命も祀られてはいますが、天照が女神なので女:女となってしまい都合が悪い)

【マップ】

【境外摂社 三王三柱神社(さんのうみつはしら)神社】
本宮から東方約400メートルの場所に鎮座しています。
由緒:当神社は三王三柱神社と称す。山王明神社を基に三峯神社、皇太神宮の三社からなる総鎮守有鹿神社の下 上郷の鎮守である。当神社は有鹿神社に西向、有鹿明神を守護す。此地に存する有鹿井は、有鹿池と共に、有鹿明神に御縁深き社地である。(WIKIより)


【有鹿の井戸(化粧井戸)  】
三王三柱神社の傍らにあります。

有鹿の井戸
遠い昔、「有鹿の池」と共に、「有鹿の森」の泉でありました。
鳩川用水から中新田と河原口に分流する地点が袋状だったので、「有鹿袋」ともいい、
また、有鹿の池より出現した神体石をここで洗ったという伝承から、「有鹿姫の化粧井戸」ともいわれています。
(引用先:えびなめぐり
 【マップ】

【有鹿神社中宮(有鹿之池)】

有鹿之池石標 この池で有鹿比女命が姿見をしていたという伝承が残っています。
由緒:新編相模国風土記稿に「天正三年四月別當総持院現住慶雄夢中に神靈の告ありて、神祠の東北池中に於て、石一顆を得たり」と記載される有賀神社の神体が出現した池の地(引用先:こちら

有鹿神社(中宮)石祠 祭祀:有鹿比古命・有鹿比女命 

現在池こそ枯れていますがここで「神体石」がみつかったエピソードは、興味深いです。つまり有鹿神社のご神体はズバリ「石」なわけです。
【マップ】

【有鹿神社(奥宮)】
本宮から北へ直線距離で約6キロ
相模原市南区磯部勝坂にある勝坂遺跡公園内に有鹿神社奥宮は鎮座しています。

立派な靖国鳥居が奉納されています。

有鹿神社奥宮 祭祀:有鹿比女命
由緒:太古の昔、相模の大地は海底にあったが、次第に隆起し、森林を中心としたみでなす大地が形成された。縄文の頃より、有鹿谷にある豊かな泉は、水神として人々の信仰の対象となった。この泉の流れ落ちる鳩川に沿って農耕生活が発展し、有鹿郷という楽園が成立した。この郷の水田(海老名耕地)における農耕の豊穣と安全を祈って、「水引祭」が起り、有鹿神社はご創建されるに至った。 (引用:有鹿神社公式HPより)
祠には鹿のレリーフ
有鹿窟と呼ばれる湧水 背後には勝坂式土器で有名な遺跡公園があり出土品の数々から縄文の古代より肥沃の地だった事が伺い知ることが出来ます。

勝坂遺跡公園マップ 場所が少々分かりにくいのでマップを参考に。

有鹿窟から湧き出るこの水源は、鳩川に注がれます。(天然記念物「勝坂のホトケドジョウ」 でその筋では有名な場所だそうです。)
【マップ】



有鹿神社三社の位置関係ですが、本宮は相模川の流入口にあり、奥宮は勝坂遺跡公園の鳩川の水源にあります。
中宮はかつて鳩川の中間地点の座間市入谷の諏訪明神の辺りにあったそうですが、中世期に衰退し、海老名の現在地に遷座したそうです。
なお、鈴鹿明神社の縁起では、有鹿神と鈴鹿神が争った際、前述の諏訪明神と弁財天の加勢により鈴鹿神が勝利し、有鹿神は現在の上郷に追いやられこれが有鹿神社の移転の伝承となっています。
トップの御朱印を頂戴した際に「新たに作った御朱印があるんですよ。」と、わざわざ別に御朱印して頂きました。
(撮影日:・2012.9・2016.1)


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