今回は阿波国一之宮 安房神社の紹介になります。
訪れた2005年当時は、君津ICより国道127号(内房なぎさライン)をひたすら南下して館山まで行っていましたが高速が繋がってからは、大分時間短縮できるようになりました。(掲載写真は、2010年暮れに訪れた時のものになります。)
一の鳥居 安房の多くの神社は鳥居がみな白いです。塩害を防ぐ、白は清らかな象徴とかの説はありますがハッキリとした理由は分かりません。
真っすぐ伸びる参道 白い鳥居と暮れの空の青のコントラストが美しい
安房神社上の宮 拝殿
神明造の鉄筋コンクリ製の社殿
拝殿越しに本殿を望む
本殿 古式神明造りで檜皮葺き
主祭神:天太玉命 (アメノフトダマノミコト) 日本の全ての産業創始の神。
相殿神:
相殿神:
- 天比理刀咩命 (アメノヒリトメノミコト)天太玉命の妃神。
- 櫛明玉命 (クシアカルタマノミコト) 出雲(島根県)忌部の祖。装飾・美術の神。
- 天日鷲命 (アメノヒワシノミコト) 阿波(徳島県)忌部の祖。紡績業・製紙業の神。
- 彦狭知命 (ヒコサシリノミコト) 紀伊(和歌山県)忌部の祖。林業・建築業・武器製造業の神。
- 手置帆負命 (タオキホオイノミコト) 讃岐(香川県)忌部の祖。林業・建築業・武器製造業の神。
- 天目一箇命 (アメノマヒトツノミコト) 筑紫(福岡県)・伊勢(三重県)忌部の祖。金属鉱業の神。
由緒:
房総半島の南端神戸郷に鎮り坐す旧官幣大社安房神社は、天太玉命を主祭神に天比理刀咩を配祀として奉斎し、摂社下の宮には天富命を祀る。
延喜の制には大社に列せられ、名神祭に預る安房国唯一の由緒深き名社である。本社の祭神天玉太命は中臣氏の祖神天児屋根命と相並んで天照皇大神の側近に奉仕し祭祀を司どられた重要な神に坐します。
天照皇大神が天石窟に御幽居あらせられた時には、天太玉命は天児屋根命と共に大神の出御を祷り遂に再び大御神の天日の如き御威徳を仰ぎ奉られたのである。
安房開拓の神として当社の下の宮に祀らるゝ天富命は、天太玉命の御孫にあたらせられる。天富命は四国の阿波国忌部族の一部を割いて関東地方に大移動を起し、最初に占拠されたのが房総半島の南端、即ち現在の安房神社の鎮座地であって茲に本拠を定めて祖神天太玉命の社を立てた後、次第に内地の方に進みこの半島に麻穀を播殖しその産業地域を拡められたのである
安房神社の御祭神は日本産業の総祖神として崇められ更に現在では家内安全、交通安全守護神、厄除開運等、関東地方随一の神社として信仰が厚い。(境内掲示より)
安房神社下の宮 祭祀:天富命(安房開拓の神)・天忍日命
厳島社 拝殿前に横たわった巨石(海食崖)をくり抜いて市杵島姫命をお祀りしています。
社が造営される以前は、ここを磐座として祭祀が執り行われていたんだそうです。
御仮屋 例祭に際 出祭してきた近郷の神社の神輿を納めるための建物です。現在は神輿の入祭は3年おきに行なわれているそうです。
御神水 祭祀:安房の大神・水波能売神・吾谷山御神霊(吾谷山は、安房神社本殿背後の山)
以上までは、主要な安房神社の境内にある施設でしたが、続いて公式ページにも掲載されていない少しディープな場所を紹介します。
【安房神社洞窟遺跡と忌部塚】
この遺跡は、井戸を掘っている際に地表下1mほどのところで偶然発見されたそうで、学術調査の結果、洞窟の中から人骨22体、貝輪(貝製の腕輪)193個、小玉(石製)3個と土器が出土したそうです。
土器は当時の報告では弥生土器とされていたそうですが、現在縄文時代晩期終末頃の東海系土器であるとの意見があるそうです。
また、同じく発掘された人骨には縄文時代の風習である抜歯が確認されたそうです。
いずれにしても、出土品からこの洞窟が縄文~弥生時代の墓地であることが分かったそうです。
いずれにしても、出土品からこの洞窟が縄文~弥生時代の墓地であることが分かったそうです。
境内にある忌部塚 洞窟から出土した人骨は先祖である忌部氏と考え、再埋葬した時に忌部塚と名付けられました。
毎年7月10日には、先祖忌部氏を祭る「忌部塚祭」が執り行われています。
忌部塚の由来(写真クリックして拡大)
【やぐら跡】
やぐら跡 神奈川県鎌倉市で見られる葬送法「やぐら」がここ安房神社でも見られます。(館山市内全域に見られるそうです。)これは、鎌倉寺院の影響を受け、やぐらという葬送文化が安房館山地域にも伝えられたと考えられているそうです。
忌部一族は四国の阿波より館山の布良(めら)浜より上陸して北上し房総半島を開拓していったと伝えられています。
南房総市にある富山には、天富命が指揮を執った場所で墓があるとも言い伝えられています。
☞参考リンク:
(撮影日:2010.12)
お断り:2010年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。
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