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【奇岩・景勝地・伝説】《北海道調査旅行報告 その10》帰らぬ主人を待ち続け岩になった忠犬伝説~セタカムイ岩と、義経を慕った首長の娘“チャレンカ”の悲劇~カムイ岩 ほか「ローソク岩・霊場西の河原・窓岩」

2023-06-09 10:53:03 | 磐座・巨石・社寺
北海道調査旅行報告も今回でラストです。
最後に報告するのは、余市市内から一時間ほど。札幌市内からでも高速を使えば2時間弱で行ける積丹半島の突端に位置する「神威岬」です。
北海道観光の中でもパノラマの海を見渡せる風光明媚な人気の景勝地ですが、海岸沿いには、奇岩が立ち並びローソク岩、セタカムイ岩、カムイ岩などそれぞれにアイヌ伝説があります。そしてここにも義経に纏わる伝説がありました。
今回は、そんな巨石に纏わる伝説を紹介致します。
余市市から国道229号(日本海追分ソーランラインを)10分ほど
ワッカケトンネルを抜けると沖に見えてくるのがローソク岩です。
もろい性質を持った岩で、これまで何度か崩落が繰り返されたようです。 
このローソク岩にはいくつもの伝説があります。この辺りは昔からニシンの漁場で、語られてる伝説もそんな海に纏わる内容が多い様です。
【セタカムイ岩】
更に海岸沿いを5キロほど走るとセタカムイ岩が見えて参ります。
セタカムイ岩(セタ=犬・カムイ=神)
『セタカムイの伝説(由来)』
昔、ラルマキという村の若い漁師が、一匹の犬を飼っていた。 漁師は、犬を可愛がり犬も主人によくなついていた。
 ある時、海が久しぶりになぎになり、漁師は仲間と共に沖へ漁に出た。 犬は、いつ ものように海辺で主人の帰りを待っていた。
ところが、朝は穏やかであった海が、何時のまにか波が高くなり、日暮れとともに 暴風雨となってしまった。 村人は、 海辺でかがり火を焚いて無事を祈った。やがて、 難を逃れた漁師が浜に帰って来たが、 犬の主人は、ついに帰って来なかった。
暴風雨は何日もつづいたが、 犬は海辺で待っていた。 そして、ある夜、悲しげな犬の遠吠えが、何時までも聞こえていたと言う。
翌朝、暴風雨は止んだが、海辺に犬の姿は無く、岬に、 犬の遠吠えをした形の岩が、 こつ然とそそり立っていた。 人々は、その岩を「セタカムイ (犬の神様)」と呼ぶように なった。

(現地案内板より)
【タケノコ岩】
島武意海岸沿いにあるタケノコ岩
展望台からは見えません。岩場まで降りて行かないと見ることが出来ません。

島武意海岸展望台より この辺りの海の色を積丹ブルーと呼ぶそうです。

続いて更に35キロほど走ると神威岬駐車場に到着です。
女人禁制の門  神威岬は、かつて女人禁制の地でした。もちろん現在は誰でも通行可能です。(女人禁制となったいきさつは後述)
残念ながらこの日は、強風のため岬への立ち入りは禁止されていました。


神威岬展望台より
南西方面を望む

良く整備された遊歩道です。

電磁台 ロシア軍の情報をキャッチするために無線塔1基、レーダー3基が設置されていた名残りだそうです。

【神威岩】

中央に見えるのが神威岩です。
 神威岩伝説
奥州から逃れ、日高に身を寄せた源義経を慕うようになった首長の娘チャレンカ。義経は追手から逃れるため北へ向かい、チャレンカもその後を追い神威岬まで辿り着きます。しかし時既に遅く義経は既に出航してしまっており、チャレンカの必死の叫びも、強風にかき消され届くことはありませんでした。
悲観したチャレンカは「和人の船、婦女を乗せてここを過ぐれすなわち覆沈せん」という恨みの言葉とともに身を投げてしまいます。その姿が岩となったのが神威岩で、それからというもの女性を乗せた船が通ると必ず転覆し、神威岬は女人禁制となってしまったんだそうです。
(解説文こちらより引用)

【霊場西の河原】
更に南下したところに西の河原と言う秘境の霊地があります。 
カムイイミンタラ(神の遊びし場所)船で遭難した人々の霊を供養した場所
古来より霊場として地元の人々によって信仰され守られてきた地なんだそうです。
案内板  

【窓岩】
西の河原から直ぐに中央にポッカリ穴が開いた岩があります。

この角度でしか穴は見ることが出来ません。

なかなか行くのが大変な積丹半島ではありますが、札幌駅前よりツアーバスが出ていて、実はここへ来るのは2回目だったりします。
車ですと結構面倒なので、日帰りツアーを使うのもアリかと思います。
(撮影:2004年8月)
お断り:2004年当時の情報となります。当時とは異なる事が想定されますので、訪れる際には、事前に調べて頂き記事は参考程度とお考え下さい。 


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2 コメント

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Unknown (umaonaosora3104)
2023-06-09 21:28:10
写真を見てましたら、神威岬には私も20年くらい前に行った事があるのを思い出しました。
面白い形の岩がたくさんありますね。また、伝説もあるなど昔の人も岩に神様や何かを感じていたのでしょうね。
また行ってみたいです。
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Unknown (ruribo)
2023-06-10 09:45:37
いつもコメントありがとうございます。

20年前と言うと、ちょうど我々が訪れた時期と重なりますね。
奇岩それぞれに、伝説があって面白いですね。アイヌの民たちは、奇岩に伝説をなぞらえ語り継ぐことで後世にずっと残したかったのでしょうね。
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