
バイオリンという楽器の繊細さについては、私はこれまで実際のところ、ストラディバリウスの何億円という値段であるといったことで、ごく間接的にしか、理解してこなかったと思う。
クラシックイタチこと私などといいながら、である。
妹は鈴木バイオリンの普及タイプでレッスンしていたし、フルサイズのバイオリンを買うときも30万円ぐらいので済ましていたと思う。
30万円って高いですけど、バイオリンの値段としたら、ダウンジャケットからはみ出た羽毛ひとひら、って感じなのである。
と書き始めるだに長い話になりそうなので、まずはストラディバリウスの話から始めてみよう。
ご周知のようにアントニオ・ストラディバリさんは人名であります。
Wikipedia
Antonio Stradivari、1644 - 1737
バイオリンの名器と呼ばれるものはストラディバリウスだけではないが、その代表的なものだと言えるだろう。このようなバイオリンは誰が使っているのだろうか? というと、そう、音楽家に決まっています。バイオリンの名器は、バイオリンの名手が弾くことになっている。このあたりから早くも秘密結社めいてくるのが、バイオリン史なのであります。
上記のリンク先のウィキペディアを見ると、バイオリンとは、名手から名手へと引き継がれるものであって、どうやら特段所有しなければならないものではない、ということが了解されるであろう。現在は特にスポンサーというか財団などが購入して、しかるべきと認めた人に貸し与えるという方式がゆきわたってきているようである。
たとえばヤッシャ・ハイフェッツといえば、パールマンの前に一世を風靡したバイオリニストだが、彼が所有していたストラディヴァリのひとつを、現在My楽器として弾いているのが、諏訪内晶子さんである。
してみると、よくクラシックのCDのジャケットに演奏家がバイオリンと一緒に写っているのも、なるほどいわれのある話だったのだねえ、妙に納得したりもする。
(不定期につづく)
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