
昨今のある日、すうぃーつ好きの夫が、シューとなんとかがおいしい店というのに連れて行ってくれて、ふたりでランチを食べることになった。
見るからに素敵なお店、というのはそうねえ、健康に気を配った、ナチュラルな雰囲気の、とはいえ原宿とかとはちょっと違って、やや和風の花瓶なんかも使ってしまうような中央線な感じで、選べるランチのメニューも「そうくるか」というような「セン」がない。
ま、なんだかよくわからないので、無難なカレーとオムライスにした。こういうのはふつうのセンで考えると「名物」だったりするだろう、と思ったわけだ、たとえば日替わりなんかに比して。
ところが、それはかなりのはずれで、もしかしたら、たぶん、日替わりのパスタやピザのほうがよかったのかもしれない。
店員の女性は、まだ食べているのに空いた食器をかたづけるといってやってきて、またやってきては空いた食器をかたづけるのだった。
だが、店内のケースにはいっているシューたちは素敵だし、クッキーも、シフォンケーキも、ついでにハーブさえ、たいしたものだった。実はランチが来る前に、私はバナナケーキとクッキーと探していたハーブを物色して、取り置きしてもらっておいたほどなのだ。
と、店員の女性がやってきて、まったく空になったテーブルに、「デザート」をきっちりと並べると、満足そうに戻っていくのだった。
そこで私と夫は顔を見合わせた、というわけなのだが……そうなのだ。この店は、デザートという名の「ケーキまたはシュー」を食べてもらうために、ランチをやっているのだった。
やれやれ、それならそうと言ってくれればいいのに。と私は思うのだった。
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