日々馬道楽

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現在は競馬の予想や旅行の記録などを投稿しています。

ローマ亡き後の地中海世界(上)

2011年01月22日 23時55分34秒 | 本と雑誌

ローマ人の物語を読み終えて、その後の話を同じ著者が書いていたので読んでみました。
ローマがなくなった後のヨーロッパはあまり記憶になかったのですが、著者が「暗黒の中世」と表現するとおりの時代だったんだということがよくわかります。

 

統一された政府もなく、地域ごとの領主の乱立と高い税
北アフリカを征したイスラム勢力圏から、海賊がやってきては沿岸の集落や街を襲い
金や物や人をさらっていく。
ローマ法王も固有の武力を持たない中で、各領主に呼びかけ
海賊の討伐を諮るも幾度となく失敗。
守ってもらえることもなく、税だけとられていくなかで
なんとかしようと、海賊の見張の塔をたて、沿岸から奥地へ街がうつったり
街中が狭い路地で迷路のようにつくられたりしていきます。

 

物や人が流通しなくなって、閉じられた時代 それが中世
当然記録も少ないし、ローマの時代よりも技術や文化が低いものもたくさんある。

 

そんな中で、やはり海に活路を見出した都市ら、アマルフィ、ナポリ、ヴェネチアの台頭
一度イスラム圏になり、再度キリスト圏になった、唯一共存がうまくいったシチリアなどから
次の時代へのうねりが起こってきます。

 

十字軍や北アフリカにさらわれ奴隷となった人々を救うために活動した修道院、騎士団にも触れらています。

 
昔習った歴史を少し違う角度から見ることができ、少し立体として見えるような そんな気がします。


ローマ人の物語ⅩⅤ『ローマ世界の終焉』

2010年10月23日 18時00分04秒 | 本と雑誌

ローマ人の物語ⅩⅤ『ローマ世界の終焉』を読みました。

テオドシウス帝の死後から西ローマ帝国の滅亡後ぐらいまでを中心に描かれています。

 

思わず、

 

「おぉ!ローマよ」

 

なんて言いたくもなるような散々たる状況です。

テオドシウスから軍事面を任されたスティリコ将軍が奮闘するも、帝国を守るという意識のない皇帝や官僚から不遇な扱いをうけ処刑されてしまってからは、帝国は蛮族のなすがまま。最後には組織だった防衛の力もなく、帝位を継ぐものがいないため西ローマは「消滅」してしまいます。

 

てっきり、ローマに攻め込んだ蛮族に破壊されたりして終わるものだと思っていたので意外な感じです。 何度も略奪はされますが、ローマの司教が蛮族との交渉役になるのも時代の変革なのか。
蛮族がイタリアを支配するようになると、生産・行政と軍事という役割分担で一応の平和がなりたちます。蛮族といっても奪うでけでなく、平和的に共存(支配)できる部族もありました。ローマ帝国が消滅しても、都市ローマも元老院も存在していましたが、東ローマのイタリア進攻により再度戦場になると荒廃し、最終的には違う蛮族に侵略され、低迷の時代となっていきます。

 

ローマの滅亡にいたる要因や減少などじっくり思い出して、もう少しまとめてもいいかも。

 

属州民のローマ市民化
・ローマ市民権というインセンティブの消失により、社会システムのバランスが崩れる
・属州からの税収減 → 広く浅くという税制の崩壊
・属州民による補助兵というしくみの消失

リメス(防衛線)の綻び拡大

社会不安の増加、経済力の低下経済の疲弊により、地域自治を担う力の減少

キリスト教の勢力拡大→ 公認 → ローマ・ギリシャ文明圏の崩壊

蛮族の跋扈 → 西ローマ帝国の滅亡 → イスラムの勢力拡大による地中海の役割変化 →  つなぐ海から隔てる海  → 地中海を「内なる海」と呼んだローマ世界の滅亡

  

 15巻を1年半以上かけて読んできて、一番印象に残っているのは、やはりユリウス・カエサルの巻ですね。もう一度読んでもいいな。


ローマ人の物語Ⅵ パクス・ロマーナ

2009年09月01日 23時31分01秒 | 本と雑誌

ローマ人の物語Ⅵ パクス・ロマーナを読みました。
主にアウグストゥスの治世が描かれています。

 

印象は、「神君アウグストゥスの憂鬱」長い治世の中で子や孫に先だだれること多く、娘などが自分の定めた法律に反し、家長として罰するなど、身内には恵まれない部分が多かったようです。
ま、業績からはそんなことはいえず、パクス・ロマーナ・ローマ帝国の繁栄の礎を築いた手腕は卓抜したものだったと思います。

 

ローマ「帝国」の初代皇帝なのですが、東洋的な帝国・皇帝をイメージしてしまっていたのですが、だいぶ異なります。共和政体の中で並ぶもののない権力と権威を持った存在となったので、「帝政」という評価なのですが、さまざまなことを実施するにも民衆・軍隊の支持、元老院の議決を得ることが必要な形なので、「皇帝?ほんとに。」という感じでした。なによりもローマの安全と繁栄のために力を尽くした人という印象です。
カエサルの創造したしくみを確立したという評価が随所に出てきて、初代皇帝というよりは、国の体制を確立した2代目という感じがしました。

 

ローマの官僚や軍事体制を中央集権型に構築していったりしたなかで、記憶に残ったのが「ユリウス姦通罪・婚外交渉罪法、ユリウス正式婚姻法」のところ。ローマ市民の人口を増やすために、独身でいることが税的に不利になるような法律を作ったりして、なるほどそこまですれば少子化対策になるかと感心しつつ、まぁ、現代では難しいだろうなと思いました。

 

そしてローマの時代に興味が出てきたので読んでみたのが、知のビジュアル百科 「古代ローマ入門」、写真で当時の生活の道具や建築物の様子がよく分かります。2000年前ってこんなに技術力があったのかと改めて感心です。

 


蛇王再臨 アルスラーン戦記13  やっとでた

2008年10月12日 18時44分43秒 | 本と雑誌

蛇王再臨 アルスラーン戦記13 がやっとでた。

つい一週間ほどまでに、ほんまに続ける気があるのかこの作者と悪口を言っていたばかり。
ふらっと寄った本屋にたくさん積まれていたのでそそくさとかって帰り、読みました(^_^;)

改めて読むと、前の話をあんまり覚えていない…、2年くらい経ってますもん。
続けて出すようなこと後書きにあったので期待していたのですが。

それでも、まあ読んでて面白いし、タイタニアもアニメがBSで始まっているし
○十年も人気が衰えないのはたいしたものだと思います。

でも、これからバタバタとキャラが死んで行きそう。


ドラゴンランス 夏の炎の竜

2007年07月22日 18時31分13秒 | 本と雑誌

ドラゴンランスの夏の炎の竜を読みました。

高校生のころ、全6巻のドラゴンランス戦記が富士見書房から発刊され、
当時珍しい本格的なファンタジー系小説ということもあり必死に読みました。

ハードカバーで新装版が出ているなぁと思っていましたが、
戦記→伝説に続く話が、米国では続いていたようです。

  • セカンドジェネレーション
  • 夏の炎の竜
  • 魂の戦争

実家の建替えで、荷物を引き上げに行ったときに文庫版が色々と出てきました。
それを契機に新ためて新装版をてにとって見ると、非常に読みやすい。

戦記の最初の方はD&Dゲーム中心の小説という感でしたが、後のほうのものはすっかり読み物になっているので、ぐいぐいと惹きつけられます。
最初の主人公たちの子供らやより身近になった神さまたちが活躍するので
初期の作品を読んだ方たちにもオススメです。

ハリーポッターの最終巻が出たらしいですが、邦訳になるまでしばらく時間がかかるので魂の戦争でも読みながら気長に待つことにします。