ゆうさんの自転車/オカリナ・ブログ

飛田雄一の個人的なブログ、オカリナ、登山、自転車のことなどを書こうかな・・・

大震災と被災外国人、ゆうさんのレジメです

2011-11-24 17:53:39 | Weblog
ゆうさんのレポートも、参考までに以下に貼りつけておきます。
見にくいけど、ご了解、よろしく。
質問があれば、コメント欄か、飛田hida@ksyc.jpまで・・・。

<以下レジメ>
阪神淡路大震災と外国人 2011年11月8日 仙台、エマオ
       NGO神戸外国人救援ネット代表 http://www12.ocn.ne.jp/~gqnet/
       飛田雄一(ひだ ゆういち) hida@ksyc.jp

0.はじめに

・ 地震の瞬間に見ていた「夢」/自身の「想像力」の欠如
・ 神戸学生青年センターのこと
・ 阪神淡路大震災のおかげでできた「ニューカマー」外国人のための駆け込み寺、「NGO神戸外国人救援ネット」

1.「義捐金」の問題

・ 外国人登録のない外国人については、市役所、区役所の窓口ではなく、「日赤の窓口で渡す」となった。

・ その日赤の窓口では、アパートの契約書など、一般には求めていない書類を要求。

・ 支援グループの抗議で、それを撤回 → 解決。

2.「弔慰金」の問題

・ 弔慰金を払わないといわれた外国人●①神戸市東灘区で死亡したペルー人で短期滞在ビザで来日し地震の前日にビザが切れた人、②神戸市中央区で死亡したオーバーステイの中国人、③神戸YMCA学院で日本語を勉強していた韓国人の奥さんで震災の直前に来日した韓国人。

・ 「災害弔慰金の支払等に関する法律」●国政条項なし●世帯主に500万円、その他に250万円

・ 厚生省の主張●同法三条「市町村は条令の定めるところにより、政令で定める災害により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の支給を行うことができる」の「住民」が外国人登録をしている外国人と言う。(雲仙普賢岳の外国人地震学者が二名死亡したときも教授ビザの人には支給し、短期滞在ビザの人には出さなかった。一貫性があるのだと我々に説明。)
・ 神戸市の主張●日本政府の「有権解釈」に縛られて支給できないという。理論的には条例を制定すればOKだが、それは出来ない。

・ 国会で、1995.2.8参議院予算委員会集中審議、井手厚生大臣●「国籍要件はございませんから、永住外国人はもちろん、企業の駐在人や、留学生の皆さんも、一般的に国内に住所を有しているとみられるため、災害弔慰金の対象にはなります。しかしながら、不法滞在外国人につきましては、適法に日本国内に住所を有しているとは認めがたく、またほかの給付との整合性もあります。だいたい、どなたにお支払いしていいのか分らん、ということもありまして、なかなかこの弔慰金の対象にするのは難しいとみられます。各自治体で、義援金等で、何か処置をして頂く以外にないんじゃないかなぁと、こんな風に考えているところが現状でございます。」

・ <小結>●最終的に支払われず。GQnetが3名の方の遺族に各々100万円の「民間弔慰金」をお支払いした。

3.「治療費」の問題

・ クラッシュ(挫滅)症候群の外国人●/①ペルー人二名/親 子。大阪市と和歌山市に入院。オーバーステイ。保険未加入。医療費各約二〇〇万円(未払い)。/②韓国人一名/八尾市内の病院を三月二日に退院。オーバーステイ。医療費二〇〇万円。/③中国人一名/大阪 市内で入院後、退院し帰国。オーバーステイ。保険未加入。医療費六五万円(未払い)。/④コスタリカ人一名(アメリカ国籍)/姫路市内に入院。医療費約一〇〇万円(未払い)。滞在資格あり/⑤その他一名、未払いオーバーステイの中国人(NHK調べ)。

・ 兵庫県の回答1995.3.14●①災害救助法の対象者*対象者は、被災地内にあり、現に救助を必要とする者で、国籍や合法、不法の区別なく適用される。従って、不法滞在者も災害救助法の対象となる。②災害救助法の対象となる医療の範囲*厚生省の見解によると、災害救助法の対象となる医療は、救護班またはそこを経由した病院・診療所によって行われたものに限定される。(救護班は、県、市、町、日本赤十字が設置する。)

・ 災害救助法の規定●災害救助法の趣旨は、「災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体および国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする」(第一条)ものだ。そしてその具体的な救助の内容は、同法二三条に次のように書かれている。●一、収容施設(応急仮設住宅を含む)の供与/二、炊出しその他による食品の給与及び飲料水の供給/三、被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与/四、医療及び助産/五、災害にかかった者の救出/六、災害にかかった住居の応急修理/七、生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与/八、学用品の給与/九、埋葬/一〇、前各号に規定するものの他、命令で定めるもの

・ GQnetの主張●行方不明捜索は3日間、避難所設置は7日間という規定は更新されている。医療の規定14日間も当然更新されるべき。

・ 厚生省の主張1995.3.20●野戦病院のようなカルテを書かない治療は無料だが、入院すると14日間に関わりなく「保健医療」の世界だ、保険による一部負担金は災害救助法によって(?)補填するが、保険未加入の患者からは100%徴収する。

・ <小結>「治療費肩代わり基金」募金/兵庫県との交渉●県が「外国人県民緊急医療費特別補助制度」でクラッシュ症候群による病院の未回収金を支払う。

・ <残された課題>①国民健康保険の加入用件が向こう1年以上のビザ ⇒ 法律の欠陥、②ゴドウィン裁判、生活保護支給対象の変更1990.10厚生省の「口頭指示」、永・定住外国人のみに生活保護を適用

4.まとめ

・ 地震前のことが、地震中に起こった!!

・ 老人問題しかり、外国人問題しかり


【参考文献】
1. 飛田雄一「震災と留学生―被災から生まれた支援の芽―」(『月刊自治研』第46号通巻543号、2004年12月)
2. NGO神戸外国人救援ネット『阪神淡路大震災から10年-外国人とともにくらすまちをめざして<NGO神戸外国人救援ネット10周年記念誌>』2005.2
3. 飛田雄一「阪神大震災と外国人-オーバーステイ外国人の治療費、弔慰金をめぐって-」( 『むくげ通信』148/149合併号(1995年3月)、
     http://ksyc.jp/mukuge/148-9/hidal.html
4. 同「続・阪神大震災と外国人-災害弔慰金支払い問題を中心に-」(『むくげ通信』150号(1995年5月)http://ksyc.jp/mukuge/150/hida.html
5. 同「滞日外国人と生活保護―スリランカ人就学生ゴドウィンさんの生活保護裁判にとりくんで―」、『公的扶助研究』特集4号、1995年1月。
6. 「外国人緊急医療国庫負担金請求住民訴訟事件(神戸市)」、『地方自治』139号、1995年11月号。
<レジメ、おわり>

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