BACK >>>>>>>> Page 23 「二人の最終決戦!倒せ『ドリームデストロイヤー』」の巻:STAGE LAST
[エスドリ2日記]
図書館に戻って来た二人。
ベル「あなたのおかげで本の世界が平和になりました。どうもありがとう」
守:え?あなたって…何か急に他人行儀過ぎない?
ベル:だって、『ドリームデストロイヤー』もやっつけたし
指輪もちゃんと5個あるからね。
本の世界は救われたんだから私の仕事は晴れて無事終わった訳だし
私、これで帰るね。守君、さような…
守:願いを叶えずに帰ろうとするなんて詐欺じゃないか!
ベル:え?だってそれは…
守:よ~し!僕の本当の願いはね~…
ベル:だからね。私の話を…
守:ベル、黙って聞いて!お願いだから!
ベル:黙って聞くことがお願いなの?
守:だー!そうやって分かってて野暮な事を言う!良いから言うよ!
ベル:はいはい。分かったわ。聞いてあげるから。早く言って。
守:ベルを人間にする事!
そうすればパートナーと恋をしちゃいけないなんて縛りは無くなる訳だし~。
あ、でもこれはベルの了解があってからだから…
どうしても人間のままがいいとか妖精のままが良いって言うのなら
前の記憶を取り戻すってのでもいいね。うん。そっちの方がいいね。
ベル:記憶の事はもういいのよ。今更取り戻した所でどうにもらない話だし…
守:そうなんだ…
ベル:でも、人間になるって話は良いわね。
今のお仕事やめられるから大っ嫌いな本の神様を見なくて済むわけだし。
守:でしょ?でしょ?だったら…
ベル:でも、パートナーと恋できるようになるのは意味がない事だけどね。
その気がないのであれば。
守:それは…
それでもいいけどさ…うん…(シュン…)
ベル:…。
でも、守君、本当は分かっているんでしょう?
もう願いは叶えてしまったから叶わないんだって…
言ったじゃない。『守君』。
私に言った役を演じろだなんてどーでもいい事を…
だから今、勢いで願いを言って誤魔化して何とかもらおうなんてそんな事は虫の良い事は出来ないの。
守:あの時はその場のノリというか勢いであって…今回こそが本当でさ…
ベル:ダメよ…
守:やっぱり?
ベル:そうね。分かり易く例えるなら
既に叶えてしまった事で石になった『ドラゴンボール』で神龍を呼び出そうとするくらい…
守:…。
ベル:ここで守君とはさよならね。何だか決心がついたし…
守:さよならってどういう事さ!
ベル:そのままの意味よ。
守:どうして今ので決心がつくのさ!
ベル:守君からの気持ちをもらったから…
それさえ聞ければそれで十分。もうこの地に思い残す事はないわ。
守:じゃ、一緒にその本の神様の所から逃げない?
その指輪の力を使えば何とかなりそうじゃない?
ベル:それはダメ。絶対に…
指輪を私物化したら本の世界の空間が歪むわ。
『本の神様』だって許す訳がない。
それは2人目の『ドリームデストロイヤー』に『守』くんがなるって事よ。
新しいエスパーがやってきて『守』君を狙う事になるわ。
守:そ、それでもいい。ベルが望むのなら…
ベル:私は望まないわ。
本の神様には怒っていて懲らしめたい気持ちはあるけれど
それを引き換え本の世界をめちゃくちゃにするなんて…
『リサ』さんも、『アラーム』さんも、『ネジくん』も、『星くん』にもお世話になったし…
みんなの世界をメチャクチャにするなんて私には出来ない。
守:でも、『ベル』はこのままでいいの?このままボクと別れる事になってもさ。
ベル:いいわよ。
守:!!
ベル:最初は乗り気じゃなかったのよ。あなたと一緒に冒険するの。
直感ってものかしらね。
守:最初はそうだっただろうけど途中から変わったんでしょ?
ベル:最初の方は守君は馬鹿だし、変態だし、本当にどうしようもない奴だって思っていたわ。
それでも途中から楽しくなって来た事は確かね…
いつもバカバカしい事を言って私を退屈させないから…
でも、最初…第一印象というか、妖精としての勘ね。
この人と冒険していてもロクな事にはならないってそんな気はなんとなくしていたのよね。
結局、その勘が当たってしまったわけよ。
そう考えると全て『本の神様』の言う通りだったのかもしれないって…
エスパーとはって…
なんだかんだ言ってもあの人は全てを見通しているんだって…
守:…。
ベル:あなたのおかげで本の世界は平和になったのだから『本のしおり』も間違っていなかった。
これで丸く収まるのよ。ね?
守:…。
うつむく守。
ベル:じゃ、私、本当に帰るね。それであなたにはもう会えないと思うけど…あなたの…
うん。やめておきましょう。もういいわ…本当にありがとう。さようなら。
守:ん?何、今の…
ベル:ちょっと言い間違えそうになっただけよ。
気にしないで…
守:気にしないでって言われたって気になるよ。
ベル:大したことじゃないわ。
守:じゃぁ…
そうだ!相談だ!相談!
願いではないけど名アドバイザーのベルに相談があるんだけど良い?
ベル:ここで相談?
何か改まった感じだと今回が初めてって気がするわね…
で、何なの?
下らない事を言うんじゃないでしょうね。
守:まだそんな風に言う~。
で、相談というのはさ…
まぁ…その…ボクには大切な人がいるんだけどその人に
素直になって本当の気持ちを言ってもらうにはどうしたらいいのかなって…
ベル:はぁ…(ここで聞くかしらねぇ…)
守君、本当だめね。そんな簡単な事も分からない訳?
守:か、簡単かな?
すっごく難しいって思うんだけど…
ベル:何でも答えるって言ったから答えるわ…
守:…。
ベル:そんなの自分から素直な思いの丈をぶつければいいだけじゃないの?
守:そっか…言われてみればそうかもしれない。
何だ。そんな単純な事だったんだ…
ベル:守君は難しくそれに余計な事を考えすぎなのよ。
守:言われてみれば…流石ベル!僕の事分かってる~
ベル:で、どうするのよ…勿体ぶっちゃって…
守:…。
ふー。(大きく深呼吸)
君の事好きだよ。会った時からずっとね。
これが、ボクの大切な君への気持ち。
今まで、照れ隠しし続けちゃったけどさ…ハハ…
ベル:…。
そう…
長い長い照れ隠しだったのねぇ…
じゃぁ、
分かったわ。言うわ。
私も守君、あなたの事、好きよ。
ふふ…
言ってしまうと案外、何でもないものね。
守:そ…そう…良かったぁ…
ベル:でも言ってしまってスッキリしたわ。
もう思い残すことはないわ…
それじゃ…私、行くね。
ゆっくりと浮上するベル。そこへ守は顔を上げた。
守:ま、待ってよ。ベル、行かないでよ!
やっと…やっと…ちゃんと気持ちを伝えられたのに!
涙しながら叫んだ。
ベル:…。
するとベルが引き返してきた。喜びの表情を一瞬浮かべる。
守:あ…の…
ベル:あなたの気持ちを聞いたし、私の気持ちもあなたに伝えられたからもう思い残す事…
ないわ…
私がいなくなって寂しがらなくても大丈夫。きっと大丈夫…
あなたには色んな人がいれくれる。
リサさん、アラームさん、ねじ君やほし君も…
さようなら…守君…ありがとう…本当に…
『ベル』は守の頬にそっとキスをしてそのまま勢いよく飛び去った。
その勢いで、『守』は自分の頬にベルの涙の雫がかかったような気がした。
ベル:さよなら!さよなら~!
その声はずっと守の耳にこだまするように残った。
守:何が大丈夫なんだよ…ベル。
こんなお別れってないよ…クソ…
守は両膝を床について、泣いた。
[エスドリ2日記]
所変わってステージ1
リサ:「守さん。ありがとう」『シードラ』のおかげでこの『港町』も良い観光名所になりそうね。
ウェンディ:二人は今頃何しているのかしらね。
リサ:ズキュゥゥゥンしているんじゃない?
[エスドリ2日記]
ウェンディ:でも、体の大きさ違い過ぎない?
リサ:ベルちゃんは体の大きさを変えられるのよ。3分ぐらい。
ウェンディ:どうして3分だけなのよぉぉ―――ッ!って言っていたり?
リサ:いいわね。それ。
そんなジョジョトークをして盛り上がる姉妹であった。
[エスドリ2日記]
ここでのボス
『シードラ』は、港町の外れに住処を置き、そこでたまに顔を出す事で観光スポットとなった。
『リサ』は港の管理をして『ウェンディ』は観光大使を務めている。
[エスドリ2日記]
ステージ2
アラーム:「旅をしたい時はいつでも呼んで下さい」あの二人もいずれ来るんだろうか?なぁリッキー。
リッキー:来ないで良いよ。あんな奴らは…
子供:あ!リッキーだ!
ペチペチペチ…
子供たちが小突くようにして蹴りを入れる。
リッキー:いててて!このクソガキども!
俺の毛を引っ張るんじゃねぇ!蹴り入れんな!そんなことすると復讐するぞ!!
子供:出た!『復讐』!出た『復讐』!
リッキー:てめー!らそんな事してっと守みたいなアホなヤツになるぞ!
子供:逃げろ!『リッキー』に復讐されるぞ!!
『リッキー』は、『アラーム』達と『時間鉄道会社』と和解し、
会社のマスコットキャラとして仕事に精を出していた。
そんな『リッキー』は子供達に楽しく遊ばれていて
少しぐらいであればイタズラをしても許すと言われていた為にぶったり蹴ったりしても
OKという事になっていた。
そんなときに『リッキー』はしきりに『復讐するぞ』と言うものだから
子供たちの間で『復讐』というフレーズは大流行し、慕われていた。
[エスドリ2日記]
ステージ4
ネジくん:「君の事決して忘れないよ」
メタルゴッド:プラスねじ30本必要、マイナスねじ40本必要
『ネジくん』は更に自分をいいネジにしようと自己鍛錬に励んでいる。
『メタルゴッド』は、製品を作る為にコンピュータとして
『プラスの町』と『マイナスの町』の維持管理をメインで行っている。
[エスドリ2日記]
ステージ5
ほし君:「さよなら守」それに…ベルさんも…
王妃:星くん!いつまでベルちゃんの事を気にしているの!良い人を私が見つけてあげるわよ~。
ほし君:でも、お母様よりいい人なんてめっっっったに!!いないと思うけどな~。
王妃:嬉しい事言ってくれるわね~。
(それにしても…あの二人は上手く行ったのかしらね?
『ベル』って子が心から気持ちをさらけ出せれば問題はないと思うんだけれど…
あの子は馬鹿みたいに頑固な所あるから…
私はもう願うだけね…)
[エスドリ2日記]
『ほし君』と体調が回復した『王妃』は必要以上に…仲良くなっている。
『風神』と『雷神』は、操られていた事に自責の念を感じ、
日夜、肉体に負担がかかる厳しい修行に励んでいる。
[エスドリ2日記]
ベル:いいのよこれで…
本当は守君の言う通り指輪の力を使えば何とか出来るかもしれない…
けれど…私はあの人を許す事が出来ない。
あの人の元から逃げ続けるなんて私には出来ない。
今なら、『アマリ』って子が記憶を消した後である私に
その時の記憶を伝えないでって言った理由が良くわかる。
そう。
こんな気持ちを後の私に再び味わってほしくなかったから…
けど、私はその道のりこそ違っても同じ終着点に戻って来てしまった。
私は私。
私は『ベル』であり『アマリ』…
記憶を消したぐらいで決して逃れる事が出来ない宿命。
なら、私はその宿命をここで断つわ。
この身に替えても…そんな個人的な気持ちに対してあなたを『守』君を巻き込む事なんて出来ない…
…。
だから『守君』は良かったのよ。
私みたいな憎しみ深いだけの妖精なんかと一緒にならなくて…
けど不安になる事なんてない。
きっとその悲しい気持ちも消えてなくなる。
そう。1人のエスパーの夢となるだけだから…
さようなら大好きな守君。
ありがとう…
あなたからもらった名前、私、何があっても絶対に忘れない。
目次 (リスト)
髭人:最終回じゃないぞよ。
もうちっとだけ続くんじゃ。
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[エスドリ2日記]
図書館に戻って来た二人。
ベル「あなたのおかげで本の世界が平和になりました。どうもありがとう」
守:え?あなたって…何か急に他人行儀過ぎない?
ベル:だって、『ドリームデストロイヤー』もやっつけたし
指輪もちゃんと5個あるからね。
本の世界は救われたんだから私の仕事は晴れて無事終わった訳だし
私、これで帰るね。守君、さような…
守:願いを叶えずに帰ろうとするなんて詐欺じゃないか!
ベル:え?だってそれは…
守:よ~し!僕の本当の願いはね~…
ベル:だからね。私の話を…
守:ベル、黙って聞いて!お願いだから!
ベル:黙って聞くことがお願いなの?
守:だー!そうやって分かってて野暮な事を言う!良いから言うよ!
ベル:はいはい。分かったわ。聞いてあげるから。早く言って。
守:ベルを人間にする事!
そうすればパートナーと恋をしちゃいけないなんて縛りは無くなる訳だし~。
あ、でもこれはベルの了解があってからだから…
どうしても人間のままがいいとか妖精のままが良いって言うのなら
前の記憶を取り戻すってのでもいいね。うん。そっちの方がいいね。
ベル:記憶の事はもういいのよ。今更取り戻した所でどうにもらない話だし…
守:そうなんだ…
ベル:でも、人間になるって話は良いわね。
今のお仕事やめられるから大っ嫌いな本の神様を見なくて済むわけだし。
守:でしょ?でしょ?だったら…
ベル:でも、パートナーと恋できるようになるのは意味がない事だけどね。
その気がないのであれば。
守:それは…
それでもいいけどさ…うん…(シュン…)
ベル:…。
でも、守君、本当は分かっているんでしょう?
もう願いは叶えてしまったから叶わないんだって…
言ったじゃない。『守君』。
私に言った役を演じろだなんてどーでもいい事を…
だから今、勢いで願いを言って誤魔化して何とかもらおうなんてそんな事は虫の良い事は出来ないの。
守:あの時はその場のノリというか勢いであって…今回こそが本当でさ…
ベル:ダメよ…
守:やっぱり?
ベル:そうね。分かり易く例えるなら
既に叶えてしまった事で石になった『ドラゴンボール』で神龍を呼び出そうとするくらい…
守:…。
ベル:ここで守君とはさよならね。何だか決心がついたし…
守:さよならってどういう事さ!
ベル:そのままの意味よ。
守:どうして今ので決心がつくのさ!
ベル:守君からの気持ちをもらったから…
それさえ聞ければそれで十分。もうこの地に思い残す事はないわ。
守:じゃ、一緒にその本の神様の所から逃げない?
その指輪の力を使えば何とかなりそうじゃない?
ベル:それはダメ。絶対に…
指輪を私物化したら本の世界の空間が歪むわ。
『本の神様』だって許す訳がない。
それは2人目の『ドリームデストロイヤー』に『守』くんがなるって事よ。
新しいエスパーがやってきて『守』君を狙う事になるわ。
守:そ、それでもいい。ベルが望むのなら…
ベル:私は望まないわ。
本の神様には怒っていて懲らしめたい気持ちはあるけれど
それを引き換え本の世界をめちゃくちゃにするなんて…
『リサ』さんも、『アラーム』さんも、『ネジくん』も、『星くん』にもお世話になったし…
みんなの世界をメチャクチャにするなんて私には出来ない。
守:でも、『ベル』はこのままでいいの?このままボクと別れる事になってもさ。
ベル:いいわよ。
守:!!
ベル:最初は乗り気じゃなかったのよ。あなたと一緒に冒険するの。
直感ってものかしらね。
守:最初はそうだっただろうけど途中から変わったんでしょ?
ベル:最初の方は守君は馬鹿だし、変態だし、本当にどうしようもない奴だって思っていたわ。
それでも途中から楽しくなって来た事は確かね…
いつもバカバカしい事を言って私を退屈させないから…
でも、最初…第一印象というか、妖精としての勘ね。
この人と冒険していてもロクな事にはならないってそんな気はなんとなくしていたのよね。
結局、その勘が当たってしまったわけよ。
そう考えると全て『本の神様』の言う通りだったのかもしれないって…
エスパーとはって…
なんだかんだ言ってもあの人は全てを見通しているんだって…
守:…。
ベル:あなたのおかげで本の世界は平和になったのだから『本のしおり』も間違っていなかった。
これで丸く収まるのよ。ね?
守:…。
うつむく守。
ベル:じゃ、私、本当に帰るね。それであなたにはもう会えないと思うけど…あなたの…
うん。やめておきましょう。もういいわ…本当にありがとう。さようなら。
守:ん?何、今の…
ベル:ちょっと言い間違えそうになっただけよ。
気にしないで…
守:気にしないでって言われたって気になるよ。
ベル:大したことじゃないわ。
守:じゃぁ…
そうだ!相談だ!相談!
願いではないけど名アドバイザーのベルに相談があるんだけど良い?
ベル:ここで相談?
何か改まった感じだと今回が初めてって気がするわね…
で、何なの?
下らない事を言うんじゃないでしょうね。
守:まだそんな風に言う~。
で、相談というのはさ…
まぁ…その…ボクには大切な人がいるんだけどその人に
素直になって本当の気持ちを言ってもらうにはどうしたらいいのかなって…
ベル:はぁ…(ここで聞くかしらねぇ…)
守君、本当だめね。そんな簡単な事も分からない訳?
守:か、簡単かな?
すっごく難しいって思うんだけど…
ベル:何でも答えるって言ったから答えるわ…
守:…。
ベル:そんなの自分から素直な思いの丈をぶつければいいだけじゃないの?
守:そっか…言われてみればそうかもしれない。
何だ。そんな単純な事だったんだ…
ベル:守君は難しくそれに余計な事を考えすぎなのよ。
守:言われてみれば…流石ベル!僕の事分かってる~
ベル:で、どうするのよ…勿体ぶっちゃって…
守:…。
ふー。(大きく深呼吸)
君の事好きだよ。会った時からずっとね。
これが、ボクの大切な君への気持ち。
今まで、照れ隠しし続けちゃったけどさ…ハハ…
ベル:…。
そう…
長い長い照れ隠しだったのねぇ…
じゃぁ、
分かったわ。言うわ。
私も守君、あなたの事、好きよ。
ふふ…
言ってしまうと案外、何でもないものね。
守:そ…そう…良かったぁ…
ベル:でも言ってしまってスッキリしたわ。
もう思い残すことはないわ…
それじゃ…私、行くね。
ゆっくりと浮上するベル。そこへ守は顔を上げた。
守:ま、待ってよ。ベル、行かないでよ!
やっと…やっと…ちゃんと気持ちを伝えられたのに!
涙しながら叫んだ。
ベル:…。
するとベルが引き返してきた。喜びの表情を一瞬浮かべる。
守:あ…の…
ベル:あなたの気持ちを聞いたし、私の気持ちもあなたに伝えられたからもう思い残す事…
ないわ…
私がいなくなって寂しがらなくても大丈夫。きっと大丈夫…
あなたには色んな人がいれくれる。
リサさん、アラームさん、ねじ君やほし君も…
さようなら…守君…ありがとう…本当に…
『ベル』は守の頬にそっとキスをしてそのまま勢いよく飛び去った。
その勢いで、『守』は自分の頬にベルの涙の雫がかかったような気がした。
ベル:さよなら!さよなら~!
その声はずっと守の耳にこだまするように残った。
守:何が大丈夫なんだよ…ベル。
こんなお別れってないよ…クソ…
守は両膝を床について、泣いた。
[エスドリ2日記]
所変わってステージ1
リサ:「守さん。ありがとう」『シードラ』のおかげでこの『港町』も良い観光名所になりそうね。
ウェンディ:二人は今頃何しているのかしらね。
リサ:ズキュゥゥゥンしているんじゃない?
[エスドリ2日記]
ウェンディ:でも、体の大きさ違い過ぎない?
リサ:ベルちゃんは体の大きさを変えられるのよ。3分ぐらい。
ウェンディ:どうして3分だけなのよぉぉ―――ッ!って言っていたり?
リサ:いいわね。それ。
そんなジョジョトークをして盛り上がる姉妹であった。
[エスドリ2日記]
ここでのボス
『シードラ』は、港町の外れに住処を置き、そこでたまに顔を出す事で観光スポットとなった。
『リサ』は港の管理をして『ウェンディ』は観光大使を務めている。
[エスドリ2日記]
ステージ2
アラーム:「旅をしたい時はいつでも呼んで下さい」あの二人もいずれ来るんだろうか?なぁリッキー。
リッキー:来ないで良いよ。あんな奴らは…
子供:あ!リッキーだ!
ペチペチペチ…
子供たちが小突くようにして蹴りを入れる。
リッキー:いててて!このクソガキども!
俺の毛を引っ張るんじゃねぇ!蹴り入れんな!そんなことすると復讐するぞ!!
子供:出た!『復讐』!出た『復讐』!
リッキー:てめー!らそんな事してっと守みたいなアホなヤツになるぞ!
子供:逃げろ!『リッキー』に復讐されるぞ!!
『リッキー』は、『アラーム』達と『時間鉄道会社』と和解し、
会社のマスコットキャラとして仕事に精を出していた。
そんな『リッキー』は子供達に楽しく遊ばれていて
少しぐらいであればイタズラをしても許すと言われていた為にぶったり蹴ったりしても
OKという事になっていた。
そんなときに『リッキー』はしきりに『復讐するぞ』と言うものだから
子供たちの間で『復讐』というフレーズは大流行し、慕われていた。
[エスドリ2日記]
ステージ4
ネジくん:「君の事決して忘れないよ」
メタルゴッド:プラスねじ30本必要、マイナスねじ40本必要
『ネジくん』は更に自分をいいネジにしようと自己鍛錬に励んでいる。
『メタルゴッド』は、製品を作る為にコンピュータとして
『プラスの町』と『マイナスの町』の維持管理をメインで行っている。
[エスドリ2日記]
ステージ5
ほし君:「さよなら守」それに…ベルさんも…
王妃:星くん!いつまでベルちゃんの事を気にしているの!良い人を私が見つけてあげるわよ~。
ほし君:でも、お母様よりいい人なんてめっっっったに!!いないと思うけどな~。
王妃:嬉しい事言ってくれるわね~。
(それにしても…あの二人は上手く行ったのかしらね?
『ベル』って子が心から気持ちをさらけ出せれば問題はないと思うんだけれど…
あの子は馬鹿みたいに頑固な所あるから…
私はもう願うだけね…)
[エスドリ2日記]
『ほし君』と体調が回復した『王妃』は必要以上に…仲良くなっている。
『風神』と『雷神』は、操られていた事に自責の念を感じ、
日夜、肉体に負担がかかる厳しい修行に励んでいる。
[エスドリ2日記]
ベル:いいのよこれで…
本当は守君の言う通り指輪の力を使えば何とか出来るかもしれない…
けれど…私はあの人を許す事が出来ない。
あの人の元から逃げ続けるなんて私には出来ない。
今なら、『アマリ』って子が記憶を消した後である私に
その時の記憶を伝えないでって言った理由が良くわかる。
そう。
こんな気持ちを後の私に再び味わってほしくなかったから…
けど、私はその道のりこそ違っても同じ終着点に戻って来てしまった。
私は私。
私は『ベル』であり『アマリ』…
記憶を消したぐらいで決して逃れる事が出来ない宿命。
なら、私はその宿命をここで断つわ。
この身に替えても…そんな個人的な気持ちに対してあなたを『守』君を巻き込む事なんて出来ない…
…。
だから『守君』は良かったのよ。
私みたいな憎しみ深いだけの妖精なんかと一緒にならなくて…
けど不安になる事なんてない。
きっとその悲しい気持ちも消えてなくなる。
そう。1人のエスパーの夢となるだけだから…
さようなら大好きな守君。
ありがとう…
あなたからもらった名前、私、何があっても絶対に忘れない。
目次 (リスト)
髭人:最終回じゃないぞよ。
もうちっとだけ続くんじゃ。
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