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「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「すごろクエスト ~ダイスの戦士たち~」 レビュー (ファミコン)

2013-06-14 19:00:06 | ファミコンレビュー
サイコロを用いたRPG
テクノスジャパンから発売
1991年6月28日発売

特徴としては
「すごろクエスト」というだけあってサイコロを用いる事がゲーム中多いという事だ。
まず、マップだが、ステージ制になっており、
順番にクリアする必要があるがクリア後は任意で選べる。
そのステージは、まさにすごろく。
サイコロを振ってそのマスでのイベントをこなし
ラストに控えるボスを倒せばステージクリア。
というわけだ。

戦闘もサイコロを用いる。
「物理」「魔法」を選択した場合は現れたモンスターと共にサイコロを振りあい
出目で勝った方に攻撃権があり一方的に攻撃するというものである。

ちなみに「物理」の時に相手と同じ出目が出た場合
サイコロを再び、振る(最大3回)。
それに勝つとその出た分の出目の合計がダメージとなる。
(魔法ではアイコは発生しない)

例えば
「4」「5」「6」なら「15」がダメージ。

但しそれは逆にもあり、相手が勝った場合こちらがその分のダメージを受ける。
だから出目が同じ場合は手に汗握るッッ!!

但し、物理攻撃の場合、相手から『クリティカル』を受ける場合がある。
この『クリティカル』は食らうと気絶してしまうのだ。
ダメージを食らった上に気絶し、復帰するまでダメージもらい放題である。
魔法の場合は相手からの『クリティカル』は発生しない。

「道具」はダイスを振らずに効力を発揮できる。


あらすじ
舞台である「サイランド王国」は伝説や財宝、冒険談を求めて多くの人間が集まる。
他国では何かあるとそんな「サイランド王国」に助けを求める。
そんなある日、冒険を夢見る4人が国王のもとへ訪れたのだった。

55点

良い点
・コミカルで可愛らしい


悪い点
・使用4キャラに名前がない。
・すごろくに固執しすぎて感情移入出来ない
・戦闘バランスがやや悪い
・最後の最後の仕様


良い点の解説
・コミカルで可愛らしい
ダイスマンなんかコミカルだし
敵の女キャラなどは結構可愛く描かれている
(ただ「コロす」とか物騒な台詞を吐くが)。


悪い点の解説
・使用4キャラに名前がない。
「ファイター」「ドワーフ」「エルフ」「ハーフエルフ」の4種。
折角なので取説画像を撮ってみたよ。







「ファイター」だけが職業というかジャンルで他は種族。
分かり易さを狙ったのかもしれないが別に名前つけてやってもいいじゃん。
名前の入力も出来ないので終始この表記、寂しい。
我々の立場なら

「人間よ。頑張れ」

もしくは

「ニートよ。頑張れ」

って言われて嬉しいか?

一応能力としては
「ファイター」力と魔法の割合が7:3
「ドワーフ」力と魔法の割合が9:1
「エルフ」力と魔法の割合が1:9
「ハーフエルフ」力と魔法の割合が4:6

髭人の体感でこんな感じだろうか?
しかし、最終的にバランス型のはずなのに
「ファイター」は物理最大出目(9)が「ドワーフ」に追いつき
「ハーフエルフ」は魔法最大出目(9)が「エルフ」に追いつく。

特化型の「ドワーフ」と「エルフ」の二人の立場が薄れる…


・すごろくに固執しすぎて感情移入出来ない
マップがすごろく風なので行きたい場所にいけないとか苛立つ場面が多い。
まぁ、後で目を操作出来る魔法「ダイスコール」を覚えるまで
固定のマスに行けるような道具を多く買えるようになるまでの辛抱だけど…
この「すごろく」というのに出目を操作できるというこの2つの要素は
ゲームバランスを狂わす物と言っても過言ではない。
でも完全な運ゲーをさせた方がよかったのか…
そこは意見が分かれるかな。
後、任意で同じステージに行けるので
解決した問題が行く度に発生しているというのは何だかなぁ…


・戦闘の仕様
このゲーム、戦闘でもサイコロを用いる。
「攻撃(物理)」「魔法」を選んだ場合、
サイコロを振り相手より勝てばこちらに攻撃権がある。
「攻撃」は別に問題ないのだが
「魔法」に関してはサイコロで勝とうが負けようがMPを消費する。
つまり、サイコロ勝負で負けたら攻撃を受ける上にMPを消費するという仕様である。
その上、魔法攻撃の燃費が悪いのが多く、物理攻撃が強めの設定をされているために
物理攻撃の出目の上限が低く魔法に強く依存する「エルフ」は
燃費が良い「ファイヤーボール」が戦力外となった中盤、苦戦を強いられる。
ただし、魔法を使うと相手の気絶攻撃は発生しないのが利点であるが…

だけど、「ファイヤーボール(MP3)」と「アシッド(MP20)」で
サイコロ敗北時、同様のダメージを受けるのは納得いかん。
使用MPが多い魔法だからと言って出目が大きいのがでやすいわけではない。
せめて、よりMPを使う魔法で攻撃を受けた場合、
ダメージを軽減するぐらいの処置は欲しかった。

それにしても攻撃力が低い「エルフ」ですら「物理」>「魔法攻撃」なのだから
MPを使う魔法攻撃など後半はお払い箱となる。(髭人の使い方が悪い?)
だけど、このゲーム、出目の上限という物が存在しており、
力が弱い「エルフ」は当然「物理攻撃」の出目上限が低く、
レベルが低いとこっちの上限は「4」なのに相手は「5」とかいう事態に陥り
「クリティカル」で「エルフ」気絶なんて事態は起こりやすい。

当然、「エルフ」は魔法の出目の上限は高いが、
上記で言ったとおり、燃費が悪く、枯渇しやすい。
終盤になると、MPに余裕が生まれて来て、
MP消費量が多めの補助魔法を使うことで打破出来る。
それまでがちとツライ。
「エルフ」に固執した自分が悪いんかな?

自分は攻撃補助でプレイしていったが
攻略サイトを見ると道具に頼った方法が一番効率がいいようだ。
道具はダイスを振ることなく100%に効力を発揮するため、
上手く利用すれば簡単なのかもしれない。

・最後の最後の仕様
ネタバレになるので↓に書くことにするが一つだけ言っておくことがある。
1キャラに完全に依存するというやり方はやめた方がいい。
せめて、お金に余裕を持ち、上限(65535G)になりそうになったら、
別キャラに高価な武器を買っておく事を激しくオススメする。
(まぁ、その頃には1度お金にカンストしているだろうが)


そうだ。忘れていた。
戦闘中に「ダイスマン」というキャラを全キャラ道具等なしで召喚できる。
その際にサイコロを振って1~6に応じたキャラが出てくる。
数字が大きくなるにつれて強くなる。1が最弱で6が最強。
ドラクエⅢで例えるなら1が「遊び人」で2が「商人」…6が「勇者」といった所か?
そんな扱いだから「1」のキャラが出ると最悪で、
自分で振ったサイコロに自分が当たり気絶。
敵から攻撃を受け放題となる。
しかもこの「ダイスマン」は
HPが自キャラと共有なので「ダイスマン」が死ねばキャラも死ぬ。

だから遊びで弱い敵に対して「ダイスマン」呼び出したら「1」が出て
思わぬ苦戦を強いられるなんてことさえありうる。
戦闘が安定しないので髭人は1~2回の使用して
それからもう「ダイスマン」を呼び出すことはなかった。
せいぜい、強敵が出てもう死ぬしかないって時に一か八かで「ダイスマン」を呼び
「6」キャラが出ることを祈るってところだろうか?
だからといって「6」が出れば戦闘は必勝っていうほど強い訳でもないのだが…

HPが共用じゃなければなぁ…
「ダイスマンの卵」なんてのを数個、所持できるって仕様なら
結構使っていたかもしれないんだけどね。
仮にやられても自キャラのHPが減らないのなら…



このゲームの印象としては…
何分、調整が不十分って感じかねぇ…
まぁ、シリーズ1発目の作品だからあれこれ言うのは酷だけども。
(スーパーファミコンで出ているらしい)
にしても、「ファイター」や「ドワーフ」などの物理を多用するキャラじゃないと
このゲームの醍醐味は味わえない。
上記の通り出目がアイコになるとサイコロをさらに投げていく。
勝った方が合計ダメージを一気に与えるという仕様なので

「出目で勝ったら敵を倒せる。負けたら死ぬ…」
「この一振りにすべてをかける!!」

という緊張感を堪能できる。
魔法攻撃だと相手からのクリティカルが発生しないという安心感があるがな。
それは好みと言う奴なのかもしれない。


で、ゲームを一言で表すなら

「ひたすら泉の水を飲み続けるゲーム(笑)」

泉マスに着くと、HPとMPが増える。
上限はレベル1であっても999である。
(基本回復値レベル上昇に応じて上がるのでレベル1だとは当然低い)
いかに泉に入り、HPとMPを増やしていくかが攻略の鍵を握る。
(腹、壊さないのだろうか?)

それにしても「ハーフエルフ」は優遇されている。
「ハーフエルフ」は最初から「ダイスリトライ」という移動時に
2回サイコロを振る魔法を覚えている。
(対する「エルフ」はLv14)
移動時に出目を選べる「ダイスコール」をエルフより先に覚える。
(ハーフエルフLv6、エルフLv16)
などでかなりの優遇措置が取られている。
何で、魔法に優れた「エルフ」が劣ってんねん。
まぁ、パッケージを見る限り優遇されているなってのは伺えるがね。





↑指が5本なのか4本なのか安定せんな…



「すごろく」を題材とするならもうちっと練り込みが必要だと思ったな。
サイコロを振って出目が偶数じゃないとダメージを与えられない敵とか
逆に目が小さい事でイベントをこなせるとかさ。

PS)個人的には「エルフ」が好き。
中盤以降、物理攻撃をするとしょっちゅうクリティカルを食らって
気絶するのだがたまに

「エルフ泣かない。偉い」

つって踏みとどまる時がある。そこがカワイイ!!
頑張れ「エルフ」!物理が弱くても俺は使うぞ!


ここからがネタバレ

















そういえばこのゲーム「イカ娘」が出てくるんだよな。
と言っても、イカの着ぐるみを着ている女子の姿をしたってだけのモンスターだが(笑)
チャンピオンに連載していた「侵略!?イカ娘」の元ネタ…
って訳ではないだろう。
ちょっと言ってみたかっただけです。


さて、悪い点で指摘した「最後の最後の仕様」を説明しよう。

それはラスボス戦、初遭遇者は捕まってしまって使用不能に陥るのだ。
1人だけ気に入ったキャラを育てて続け、

「さぁてラスボス戦!頑張っていこうぜ。○○(キャラ)!」

と、気を引き締めた所で待っているこの仕様は非常に酷である。
こうなってしまうと、もうどうすることもできない。
逃げることも戦う事も援護することもなーんもできない。
掴まってしまってからは選択することは絶対に出来ないのだ。

仕方ないので2人目を選び育てラスボスの元へと向かわせることになる。
そして、ラスボスに遭遇。倒すのも2人目である。
1人目に出番はない。
1人目、可哀想過ぎない?
(まぁ、クリアしたら4人全員が祝福されるのがせめてもの救いか?)
ラスボスを倒したらエンディング直行であり、捕まった奴は何もすることもない。
1人だけ育てていると他3人を一から育てていく羽目になる。
だが、このゲーム最高クラスの武器が金さえ持っていればすぐに買えるため、
それである程度軽減できる。
最高クラスの武器を持っているのならレベル2~3で
レベルをサクッと上げて更に別のところで経験値を稼いでいけばいい。

にしてもこれってプレイ時間の水増しを計った開発者の罠なんじゃないかねぇ。
もうちっと各ステージごとにキャラを使い分けるようなバランスにすればねぇ…
もしくは数キャラを各ステージで選んで
共同で仕掛け解除しながらマップを進めて
ボスを倒していくなんていう展開にしてくれりゃ~な…

さて、このゲーム、自分のラストの攻略法と言えば
「エルフ」を気に入ったので「エルフ」を使い
「ハーフエルフ」には最後だけ育てて囮にして捕まってもらった。
(すまん「ハーフエルフ」!)
で、戦闘になったらこうだ。

「パラライズ→プロテクション→(以下ループ)」

である。
「パラライズ」は相手を一時的に行動不能にさせる魔法(ドラクエで言えば「ラリホー」)
「プロテクション」はこちらの守備力を上げる魔法(ドラクエで言えば「スカラ」)
このゲームは出目で勝ちさえすれば、ボスだろうが「パラライズ」で行動不能に陥る。
その間を使ってひたすら「プロテクション」で守備力強化。
何だか分からないけど、相手が起きている通常状態だと
2回以上「プロテクション」をかけようとしても出目で勝てた試しがない。
(多分、仕様だろう)
だから「パラライズ」作戦で5~6回ぐらい守備力強化すると
ラスボスの攻撃でさえ通らなくなる。

ダメージずっと「0」!!

「エルフ」の物理の上限目は低く攻撃力も低いから倒すのに時間がかかるけど
尻をかいたり鼻をほじりつつAボタンを叩いていれば勝てる。

一度だけ、補助魔法無効化(ドラクエで言う「凍てつく波動」)を受けたけど、
プロテクション効果は切れなかった。
バグかな?良くわからん。


最後にエンディング。
魔王を倒し、住民たちは喜び4人を讃えるがすぐに忘れてしまったという話。
まぁ、キャラが名無しならそりゃ忘れるわなぁ…

じゃ、このゲームの知名度は…

「テクノスジャパン」つったら「くにおくん」シリーズだし、絵柄もくにお君っぽいし
(デザインしている人がおなじだろうしな)



一部の人が覚えている悲しき作品ってなトコで…
だが俺は『エルフ』!お前の雄姿は忘れないぞッ!

クリティカル食らいそうになっても泣かないところを!!




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3 コメント

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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-21 16:09:31
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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取り敢えず返信はする。 (髭人)
2024-09-23 15:46:22
>サムライ鉄の道リスペクト さんへ

人力でこんな文章を投稿しているわけではないだろうから内容については触れないが
うちのブログに投稿したってことは
投稿することに価値があると判定されたってことなんかな?
返信する
科学と宗教の文明論的ダイナミクス (歴史国際政治学関係)
2024-09-26 11:36:17
一神教はユダヤ教をその祖とし、キリスト教、イスラム教が汎民族性によってその勢力を拡大させたが、その一神教の純粋性をもっとも保持し続けたのは後にできたイスラム教であった。今の科学技術文明の母体となったキリスト教は多神教的要素を取り入れ例えばルネサンスなどにより古代地中海世界の哲学なども触媒となり宗教から科学が独立するまでになった。一方でキリスト教圏内でも科学と宗教をむしろ融合しようとする働きにより、帝国主義がうまれた。宗教から正当化された植民地戦争は科学技術の壮大な実験場となり、この好循環により科学と宗教を融合させようというのである。その影響により非キリスト教圏で起きたのが日本の明治維新という現象である。この日本全土を均質化した市場原理社会する近代資本主義のスタートとされる明治維新は欧米などの一神教国が始めた帝国主義的な植民地拡張競争に危機感を覚えたサムライたちが自らの階級を破壊するといった、かなり独創的な革命でフランス革命、ピューリタン革命、ロシア革命、アメリカ独立戦争にはないユニークさというものが”革命”ではなく”維新”と呼んできたのは間違いない。しかしその中身は「革命」いや「大革命」とでもよべるべきものではないだろうか。
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