先日の故玩館の館長に頂いたローゼルの件につき、旅行中や帰宅後調べてバケツ一杯分の加工・処理を完了しましたが、PCの緊急サポートなど忙しい案件がありミニ報告書を時間がありませんでした。
早速、ミニ研究した結果と highdy の拙い知識を合わせて簡単にまとめてみました。
早速、ミニ研究した結果と highdy の拙い知識を合わせて簡単にまとめてみました。
ローゼルとは
西アフリカ(エジプト)が原産のアオイ科フヨウ属の植物。本来は多年草ですが日本など気温が低い地方では1年草として栽培されているようで、最近は日本でも栽培地が増えてきたようです。
西アフリカ(エジプト)が原産のアオイ科フヨウ属の植物。本来は多年草ですが日本など気温が低い地方では1年草として栽培されているようで、最近は日本でも栽培地が増えてきたようです。
ハーブティーとしての「ハイビスカスティー」は食用品種のローゼルそのもので、観賞用のハイビスカスと全く同じ仲間でフヨウ属ですが、色や風味の特徴が異なるだけです。生薬名として洛神花(ラクシンカ=中国名)と呼ばれることがあります。
食用とする ローゼルの実は、大きくふくらんでいる萼(がく)と、付け根にあるトゲトゲの苞(ほう)を主に食用とします。
ローゼルはビタミン(A、B、C)・ミネラル成分や色素成分のポリフェノール、クエン酸やリンゴ酸といった有機酸も豊富で美容と健康に良い栄養素を多く含み、甘酸っぱい味と独特の香りがあります。
古代エジプトのクレオパトラやインドの王家では不老長寿の秘薬、特に女性の美や健康に欠かすことのできないものとして愛用されたそうです。タイ王室では国賓をもてなすときにも使われるようです。
古代エジプトのクレオパトラやインドの王家では不老長寿の秘薬、特に女性の美や健康に欠かすことのできないものとして愛用されたそうです。タイ王室では国賓をもてなすときにも使われるようです。
薬効としての働きは、下記の如く成分ごとにそれぞれ少しだけ列記してしますが、それら以外にも二日酔いやむくみの改善にも効果があるなど、実はとても挙げきれないほどあります。
特筆すべき成分・効用
ポリフェノール
ポリフェノールは、有名な「アントシアニン」、「カテキン」、「イソフラボン」や「カカオポリフェノール」など、多くの植物が持つ苦味・渋味の成分で、植物の紫系色素としても知られています。
ビタミンCやビタミンEと同様に強い抗酸化作用があり、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化などの予防にも役立ち、風邪や喉の使い過ぎによる炎症を抑える効果のある成分です。
クエン酸
クエン酸・リンゴ酸を含みますが、特にクエン酸は、細胞のミトコンドリア内で「クエン酸回路」(大学の授業が懐かしいなぁ!)というエネルギー代謝経路の中心として働く、「エネルギー産生効果」を持っています。つまり、疲労回復効果や若さを保つのに重量な栄養素です。
通常は健康体であれば体内で合成され不足を招くことは少ないですが、不規則な食生活などによる不足が生じると、摂取した糖・脂質・たんぱく質が燃焼分解されない、いわゆる代謝が悪いという状態で健康バランスが崩れてしまいます。
また、この「クエン酸回路」が正常に働くことにより、疲労回復やミネラルの吸収を効果的にする働きがあります。
体内で筋肉を動かす3つ(ATP-CP系 、解糖系 、有酸素系 )のエネルギー供給系の一つで、 エネルギーを生成するにはブドウ糖が必要ですが、このブドウ糖が完全に燃焼されなかった場合、その燃えカスとも言える焦性ブドウ糖ができ、一部は乳酸に変化します。しかし乳酸は栄養源として再利用される一方で過剰に存在すると尿酸の排泄を阻害する働きもあり尿酸値が高いことは好ましくありません。
カリウム
カリウムは細胞の浸透圧を維持調整し、体内の余計な塩分を体の外に出す効果があります。そのため、血圧を下げる代表的な栄養素とまで言われています。神経伝達や筋肉の収縮に関する重要な働きを担っており、筋肉の動きを制御し正常な筋肉機能をサポートします。
二日酔いやむくみの改善、便秘や肌荒れ・疲れ目・美白などの効果があるとされています。
カルシウム
カルシウムは骨格を構成する重要な栄養素であるだけでなく、筋肉の収縮や神経を安定させる作用もあります。骨から溶出したごく一部は、カルシウムイオンとして血液・筋肉・神経内に存在し、血液を凝固させて出血を抑えるほか、心筋の収縮作用を促し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
鉄分
血液中に含まれるヘモグロビン(鉄分=ヘムと、たんぱく質=グロビンの結合物質)の量が減少した貧血状態では思考力・学習能力・記憶力の低下につながり、血液が全身に酸素を運搬するのに欠かせないのが鉄分の働きです。
鉄分が不足すると、疲れやすく・息切れ・動悸・めまい・立ちくらみや頭痛などの症状が現れます。逆に過剰摂取では、胃のむかつきや便秘、亜鉛の吸収阻害などさまざまな悪影響が出る可能性があります。
マグネシウム
マグネシウムは、300種類以上の酵素を活性化する働きがあるとされ、体温・血圧の調整をはじめ筋肉の収縮や神経情報の伝達など微妙な制御に重要な役割を持っています。
マグネシウムが不足すると、不整脈を起こしやすく、慢性的に不足すると虚血性心疾患・高血圧・筋肉のけいれん・動脈硬化症などのリスクが高まります。また、 神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。
加工処理
結構な量があったので処理には 紫陽花 と2人で約1時間かかりましたが、
① 水洗いをして
クエン酸
クエン酸・リンゴ酸を含みますが、特にクエン酸は、細胞のミトコンドリア内で「クエン酸回路」(大学の授業が懐かしいなぁ!)というエネルギー代謝経路の中心として働く、「エネルギー産生効果」を持っています。つまり、疲労回復効果や若さを保つのに重量な栄養素です。
通常は健康体であれば体内で合成され不足を招くことは少ないですが、不規則な食生活などによる不足が生じると、摂取した糖・脂質・たんぱく質が燃焼分解されない、いわゆる代謝が悪いという状態で健康バランスが崩れてしまいます。
また、この「クエン酸回路」が正常に働くことにより、疲労回復やミネラルの吸収を効果的にする働きがあります。
体内で筋肉を動かす3つ(ATP-CP系 、解糖系 、有酸素系 )のエネルギー供給系の一つで、 エネルギーを生成するにはブドウ糖が必要ですが、このブドウ糖が完全に燃焼されなかった場合、その燃えカスとも言える焦性ブドウ糖ができ、一部は乳酸に変化します。しかし乳酸は栄養源として再利用される一方で過剰に存在すると尿酸の排泄を阻害する働きもあり尿酸値が高いことは好ましくありません。
カリウム
カリウムは細胞の浸透圧を維持調整し、体内の余計な塩分を体の外に出す効果があります。そのため、血圧を下げる代表的な栄養素とまで言われています。神経伝達や筋肉の収縮に関する重要な働きを担っており、筋肉の動きを制御し正常な筋肉機能をサポートします。
二日酔いやむくみの改善、便秘や肌荒れ・疲れ目・美白などの効果があるとされています。
カルシウム
カルシウムは骨格を構成する重要な栄養素であるだけでなく、筋肉の収縮や神経を安定させる作用もあります。骨から溶出したごく一部は、カルシウムイオンとして血液・筋肉・神経内に存在し、血液を凝固させて出血を抑えるほか、心筋の収縮作用を促し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
鉄分
血液中に含まれるヘモグロビン(鉄分=ヘムと、たんぱく質=グロビンの結合物質)の量が減少した貧血状態では思考力・学習能力・記憶力の低下につながり、血液が全身に酸素を運搬するのに欠かせないのが鉄分の働きです。
鉄分が不足すると、疲れやすく・息切れ・動悸・めまい・立ちくらみや頭痛などの症状が現れます。逆に過剰摂取では、胃のむかつきや便秘、亜鉛の吸収阻害などさまざまな悪影響が出る可能性があります。
マグネシウム
マグネシウムは、300種類以上の酵素を活性化する働きがあるとされ、体温・血圧の調整をはじめ筋肉の収縮や神経情報の伝達など微妙な制御に重要な役割を持っています。
マグネシウムが不足すると、不整脈を起こしやすく、慢性的に不足すると虚血性心疾患・高血圧・筋肉のけいれん・動脈硬化症などのリスクが高まります。また、 神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。
加工処理
結構な量があったので処理には 紫陽花 と2人で約1時間かかりましたが、
① 水洗いをして
② 2つに切って実入りの萼と苞に分け
③ 萼を実から剥がし
主要な可食部分の蕚(がく)
今回は勿体ないですが、苞(ほう)の部分と実(右側)は捨てました。
④ 一部を真空包装をして冷凍保存(生ハーブティ、サラダ用)に
とてもきれいです!
⑤ 大部分を天日乾燥し、
(乾燥は、お天気が良ければ1日でも十分ですが、できれば2日あれば完全です。)
⑥ 真空包装をして冷凍保存(乾燥ハーブティ)にしました。
高級乾燥ハーブティーの出来上がり
用 途
利用法としては、生または乾燥ハーブティー、生サラダ、ジャム、塩漬け、種子(実)の炒め物などがあります。
萼の中にはオクラの種に似た種を含む実があります。酢漬け(ピクルス風)もつくって試食してみましたが、成熟した実は表皮が収穫時期を逸したアスパラのように固く、竹の皮を食べているようで歯に触ります。というわけで、今回は実の利用は断念しました。
館長からジャムを1瓶いただきましたが、とっても美味しく、我が家の自家製苺ジャムも負けそうな位です。
色も凄くきれいです。ジャムは今回自作していないのでわかりませんが、発色剤代わりにレモン果汁(?)が加えてあるのかも知れません。サラダ(写真左)に入れてみるのを忘れましたが、生食では甘酸っぱい。あっさりした味が楽しめます。
作り方は、上記「故玩館」のリンクにある通りで、本来ローゼルに捨てるところはありません。
作り方は、上記「故玩館」のリンクにある通りで、本来ローゼルに捨てるところはありません。
冷凍保存してあるものでジャムもチャレンジできると思います。
毒性のお話
ローゼルには「シュウ酸を含むので危険」という方もおられます。
しかし、シュウ酸を含む野菜はホウレン草、レタス、ブロッコリー、ナス、さつまいも、ピー ナッツなど沢山あります。つまり、含有量の問題です。
致死量(LD50=Lethal Dose 50(半数致死量) 1 回の投与で 1 群の実験動物の 50%を死亡させると予想される投与量)が 5g/kg体重 ですから、一般に皆様が飲まれるお酒(エタノール)に比べれば、はるかに小さい毒性量でむやみやたらに摂取しなければ全く問題のない食物と言えます。
昔からホウレン草を食べるときに鰹節をかけて一緒に食べるのは、シュウ酸を早く体外に排出させるための昔の方の知恵です。ローゼルは、それを全く気にする必要がない安全な食物です。
致死量(LD50=Lethal Dose 50(半数致死量) 1 回の投与で 1 群の実験動物の 50%を死亡させると予想される投与量)が 5g/kg体重 ですから、一般に皆様が飲まれるお酒(エタノール)に比べれば、はるかに小さい毒性量でむやみやたらに摂取しなければ全く問題のない食物と言えます。
昔からホウレン草を食べるときに鰹節をかけて一緒に食べるのは、シュウ酸を早く体外に排出させるための昔の方の知恵です。ローゼルは、それを全く気にする必要がない安全な食物です。
栽 培
加工処理中に完熟したものが2粒見つかり、10個余りの種が採れましたので、来年はわが家の無農薬家庭菜園に植えてみます。
館長のお話では「栽培は難しくない」とお聞きしていますので、栽培に関しても少し研究してみます。
館長のお話では「栽培は難しくない」とお聞きしていますので、栽培に関しても少し研究してみます。
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することにより、すべてのリンクも活用できます。
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スマホでどうぞ
ちせいさまのところでも拝見しておりましたがローゼル🌹highdyさまのご研究でさらに理解が深まりました💎⤴(乾燥させている途中の、ざるの上で半分乾いてくるくらいのローゼルがとっても美味しそうに見えます👀この段階でつまみたいですね✨)
見た目からもいかにもビタミン・ミネラル豊富そうな
色をしていますね~
味も良いとは最高ですね~
ジャムも鮮やかな色ですね~
遅くなってすみません! 実はきょうも午後は外出で、とても忙しいのです。
ローゼルは工夫次第で、いろいろな食品が作れそうです。今回は訪問当日に帰宅しないので、
原料が痛みはしないかとヒヤヒヤしていました。
車に冷蔵庫は積んでいるのですが、初めてなので冷やしてよいか否かも分からず、車内に保管
して3日目に帰宅しました。
幸い旅行先のお天気も暑くなく、何とか無事に持ち帰りました。来年は栽培して、もっと
いろいろとチャレンジしてみます。
故玩館に行かれる際にはいつでもご案内しますので、ご連絡ください。
お蔭さまで、また新しい勉強をさせていただきました。
旅は常に新しい情報と知識をもたらし、脳に刺激を与えてくれます。その刺激により、勉強を
してみようという意欲が沸き、脳を若く保つことができます。
とにかく、ローゼルは美容にも健康にも良い植物(食物)ですので、庭に5,6本あれば、
花と両方を楽しむこともできそうですよ!
ジャムもとっても美味しいのですが、そのきれいさだけでも食欲をそそりますよね。
ローゼルジャムですが、ものの本には、レモン汁を加える、とありますが、それ自身で十分な酸味があるので、何も加えてません。その分、砂糖の添加が少なくてすみます。
種は、深植えにすると発芽率が悪いです。乾燥種が多く取れたら、送ります。
いやいや、館長までお出ましで・・・。
その節は忙しいところへ無理にお邪魔して、申し訳ございませんでした。
大変ご馳走になり、いろいろと沢山のお土産まで頂戴し大変恐縮です。
お蔭で勉強(&復習?)もさせていただき感謝です。ありがとうございました。
私も生でかじり食味を確かめ、生のハーブティを飲んでみた感じから、程よい
クエン酸やリンゴ酸の酸味があるので、ジャムを作ってもポリフェノールとの反応
により、よりきれいな紫色になるのだろうとは思っていました。
しかし、頂いたジャムがあまりにもきれいに発色していたので、もしや、さらに
レモン果汁でPH調整(酸性化)をしておられるかもと推定していました。
PH測定器も持っているので、来年は測ってみたいと思います。
我が家では普段はなかなかお目にかかれないローゼルは花も実も綺麗だけではなく、いろんな食べ方(飲み方)ができるのが魅力ですね。
highdyさんのように科学的に根拠ある説明をしていただくと毒性などに不安(?)を抱く人たちも食してみよう・・と思われるかもしれませんね。
リコメが遅くなり、申し訳ありません。新しい生徒さんのために、教材を作って
いました。
自分の知らないものを見て、興味を持つか否かの問題だと思います。
「ふーん」で終わる方は、それまでになりますが、私の場合は、とても知識欲が
旺盛ですぐに調べてみたくなります。調べてみるとますます興味が涌き、さらに
詳しく知りたくなるのです。
その間に、ちょっと変わった(ここでは毒性)意見があると、さらに詳しく突っ
込んで知りたくなり、理由が判るまで追求し、やっと自分が安心できるところまで
行きついて満足するのです。