貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

純白

2022-04-16 10:35:06 | 単品

セルフクリエイションさんで「山サンゴ」を買った。前から気になっていたもの。
包みを開けたら、「うおっ」と声が出た。
結晶の形、そして何よりその純白。けっこう大きい。8センチくらいある。

しばらく陶然と見入った。
アラゴナイト。カルサイトと同質異形。前に書いた。和名は霰石だけどアラレちゃんとは呼べない。
「山サンゴ」というのはその姿からのあだ名。って、サンゴはこんなに輝かんだろうよ。

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白い石というのはまあある。「透明」を「白」と表現するのことがよくあるけど、透明は別。
あちきのケースの中では、氷晶石、アイスクリスタル、スコレス沸石、アポフィライト、ムーンストーン、くらいかな。
どれも「半透明」、白濁して白い。ムーンストーン以外は色がないけど、半透明の白は独特の味わいがある。
けどこのアラゴン君はそういうものとは違う。真っ白白。
粉砂糖を振り掛けたような感じ。雪とも言える。細粉の塩もまあ似ているか。
柱状結晶の表面にさらに微細な結晶がついているからこうなるみたい。


白い石ではほかにハウライトとかマグネサイトとかあるけど、こうはならない。
ちなみにこの両君、青く染めてトルコ石の代わりにされたりするそうだけど、ちょっとかわいそう。両方ともけっこう稀産らしいのに。もひとつちなみに(うざいねw) 白い碁石というのは貝から作るとか。真っ白な石というのは案外ないものですな。

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白というのは、まあよく目にする。紙だってプラスチックだって、白い。
白というのは、全波長の光を反射する、ということではない。単純に反射したらそれは鏡だ。
白というのは、(しつこいねw) 全波長の光を「乱反射」しているということ。
けど乱反射というのも微妙で、あまりに表面が乱雑だと吸収されて暗くなってしまう。
ごくごく微小な結晶面があちゃこちゃに向いている。そうすると強い乱反射が生まれる。このアラゴン君はそういう芸当をやっている。雪も粉砂糖も粉塩も同じじゃないかと言われるかもしれないけど、そいつらは溶ける。アラゴン君は頑として溶けない。偉い。(まあ……な)
この手の白は、なかなか味わえるものではない。と思う。

さらにですね、このアラゴン君、蛍光する。
淡いグリーンでとても軽やか。才人ですなあ。


この写真だとピンク色が写っているけど、そんな色は見えない。蛍光の色というのは、カメラは変な風に捉えたり変えたり無視したりするのですな。前に然別湖のピンクオパールの蛍光を写したら、まったく写らなかったことがあった。わけわからん。

細かい結晶がわちゃわちゃと伸びているから、壊しそうで少し恐い。埃がたまるんじゃないかという危惧もある。(君のような無精者は要警戒だね)
けれどこの結晶の姿と純白の光はとてもいい。



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