東洋ルース産の続きでもう一つ。
ブルージルコン。よくない写真だけどあちきの腕ではどだい無理。
何と500円。は? ほんとですか?
こっちはゴールデン。別のお店でもっと高い。きらきらなんだけど写らないねえ。
ジルコンというのも、スピネルと同様、あちきには何となく捉えどころのない感じのする石でして。前は二つをよく混同した。赤っぽいし。(ずさん頭w)
けどスピネルはマグネシウムとアルミニウムの酸化鉱物、ジルコンは ZrSiO4 で希元素ジルコニウムの珪酸塩鉱物。じぇんじぇん違う。
ジルコニウムとは何ぞや。まあチタンの兄弟みたいなもので、原子炉なんかに盛んに使われるらしい。チタンと違って生活していて直接触れることはあんまりないでしょう。
ジルコンの和名は風信子鉱。これ何と読むんですかね。ふうしんしこう? ひやしんすこう? 何でヒヤシンスなのかはネットで調べてもわからない。そもそもヒヤシンスってどんな花? いろんな色があってわからないよ。
ジルコンが一番活躍するのは、岩石の年代測定。壊れにくく、ウランなどの放射性元素を含みやすいのでそれをよくわからん方法で計測すると、何十億年単位の時間が計れる。らしい。まあ放射性物質の半減期が常に一定だったらという話。もしかしたら違うかもしれないぜ。(また奇説をw)
西オーストラリア州のジャック・ヒルズで発見されたジルコンは44億400万±800万年前、地球誕生と同じくらい古いと計測されている。日本では黒部市宇奈月で採取された2.5億年前くらいの花崗岩から37.5億年前のジルコンが出て「日本最古の鉱物」になっている。
偉い石なのですね。
けど、原石の見た目はあまりぱっとしない。mindat のフォトギャラリーでも、ううむという感じ。大きな結晶はめったに出ない。羽毛状結晶も稀にある。色は様々で、赤いのはスピネルに似ていなくもない。晶系が違うけど。
これは前にもちらっと出した原石。アフガンブラザーズさんで200円。
けどジルコンの屈折率は2前後で、ダイヤモンドの2.42には及ばないものの、1.8前後のガーネットや 1.7後半のコランダムより高い。うまくカットするとキラキラになる。うちの二人も、肉眼だとかなりきらきらして美しいのですよ。
けど(おい、けどばっかだぞ)悲劇的なことに、だから「ダイヤモンドのまがい物」みたいなイメージができてしまった。さらには酸化ジルコン ZrO2 から人工合成される「キュービック・ジルコニア」というのがやっぱりダイヤモンドの代替品として広まって、ジルコンというと「模造ダイヤですか」みたいな勘違いをする人も多くなってしまった。可哀相。
そういう悲劇的な運命もスピネルとちょっと似ている。
まあ、「地球最古の(と証明される)鉱物」という勲章に敬意を払いながら、ルースのきらきらを味わうのがいいのでしょうね。