貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

シャンガーン・アメジスト

2023-05-30 20:44:31 | 単品

ジンバブエで近年採掘されるようになった新手のアメジスト。
パーフェクトストーンさんでまとまって出た。いわく、

《2019年より「シャンガーン(Shangaan)アメジスト」の名前で注目されている新産地のアメジストです。今後ブランド的な産地として扱われると予想されます。
ロケーションはジンバブエの東南部でモザンビーク国境に近い場所です。この鉱山は現地の人々に昔から管理され守られてきました。
ブランドバーグアメジストに匹敵する色合いの美しさやエレスチャルです。》

その商品写真を見て、「うわ、これ欲しい」と思ったのがあったのだけど、価格的に手が出なかった。
ところが先日、パフェさんがセールをおやりになった。あわてて見てみると、件のものが手の届く価格になっている。で、あわあわとポチっ。(なんだよその日本語)
お金がなかったので少し取り置きしてもらって、ようやく数日前に落手。
で、まあ、すんごい。
少し色の濃いアメジストで、一見地味。

ところが強めの光を当てると、もう七変化どころじゃない。









ただ色が変わるだけじゃない。かっきりとした輝きで乱舞する。

感激。一目惚れは正しかった。売れ残っていたのも、セールになったのも、神様がこれをあちきに恵もうとしてくれたのだ!(大げさなw)
前に「どこかにもっととんでもなく美しい理想的なアメジストがるはず」云々と書きましたけど、これがそうかもしれない。
お宝です。


大陸地殻をめぐって ①海と陸とは違うぜよ

2023-05-30 20:21:51 | 地球のお話

ともかく最初は、われらが住んでいるこの陸地は、海底の地面とはまったく違うものだぜよ、という話。
これ、誰でも知っている話ではないですね。素朴に暮らしていれば。「海は低い所に水が溜まった場所」だと思う。
そうではないのですね、これが。
単純に言えば、陸地は軽い岩石でてきていて、「浮いて」いる。何の上に浮いているかはややこしいので、まあマントルの上に浮いているでいいでしょう。
海の地面はそうではない。これは「マントル」自体が冷えてできたもの。最初は熱くてどろどろだったものが、冷えて表面に殻ができた。基本的にはそれが海の地殻。
ほかのことは今は置いておいて、ともかく、この2つは全然違う。で、本来はマグマが冷えて固まった「海洋地殻」が地球を覆うはずなのに、なぜ軽くて浮く「大陸地殻」ができたのか。
言い換えれば、マントル=橄欖岩が冷えてできる玄武岩で構成される海洋地殻と、安山岩・花崗岩などでできている大陸地殻は違う。
この安山岩・花崗岩はどうやって生まれたのか。それが「大陸地殻誕生の謎」なわけですね。
もっとも、大陸地殻が何でできているかは実ははっきりわかっていない。実際に全体を調べられないし。上部は花崗岩、中部は安山岩質深成岩の閃緑岩やトーナル岩、下部は玄武岩質の斑糲岩、で、全体を平均するとだいたい安山岩、ということらしい。

ちなみに、海洋地殻は全地球表面の7割を覆っていて、後の3割が大陸地殻。しかし、大陸地殻は海洋地殻の体積の7倍、重量で4倍にもなる。つまり海洋地殻は薄いクレープみたいなものなのに対して大陸地殻は団子という感じ。比重は大陸地殻が2.7、海洋地殻は3.0、マントル橄欖岩は3.3。


大陸地殻をめぐって 序

2023-05-28 15:40:51 | 地球のお話

前に「大陸地殻はどうやって生まれたのか」という疑問について書きました。
「大陸地殻の下に海洋地殻が沈み込み、その場所で安山岩などが作られて大陸地殻になる」という説明がよくあって、「それおかしいだろ」と。鶏がどうやってできたのか、それは鶏が産んだ卵からだ、ってそんな話がありますか。
だいたいの「地球科学」「地質学」の本では、「書かない」。原始地殻からいきなり大陸移動の話になる。書き落としているのではなく、知らん振りをしている。「わかっていない」とすら書いていない。ちょっと唖然とする。
で、右往左往していたら、ツイッターで巽好幸という先生の「地殻・プレート」をめぐるツイートに出会った。
無知浅学なので最初は国際的な大学者さんだとは知らなかった。素朴な質問をして、ありがたくも答えていただいたりした。本も読まずに失礼は失礼だけど、まあツイッターとはそういう場所なんだからいいでしょう。
で、著書を調べてようやく読んだのでした。

『地球の中心で何が起こっているのか』幻冬舎、2011年
『なぜ地球だけに陸と海があるのか』岩波書店、2012年

いや実に面白い本でした。大陸地殻の誕生を始め、地球が生まれてから何が起こってきたかを広く取り扱っていて、エキサイティングな話題満載。広くお薦めしたい本です。
一般人にもわかるようにやさしく書かれています。けど、相手がやたら複雑なので、論述の道筋も複雑。わからないところはちんぷんかんぷん。まあいいんです、細かいことは。

で、巽先生も、「大陸地殻の誕生は、大陸地殻の下に海洋地殻が沈み込み、その場所で安山岩などが作られて大陸地殻になる」という論はおかしい、と書かれている。自分を食べるタコのようではないか、と。
それに対して先生は「大陸地殻は海で作られる」という命題を提出された。
先生はそれを「禅問答のよう」だとおっしゃるけど、失礼ながら素朴に考えれば当たり前で、最初は海洋地殻しかなかったのだから、そこから大陸地殻が生まれるのは必然。ほかに道はない。

で、二冊を読んで、「大陸地殻はどうやって生まれたか」を勉強したのです。
したのですが、すっきりと「こうなんです」とはならない。
何せ相手は複雑だし、証拠もあまりない。不明の部分もあるし、学者さんたちがほぼ受け入れているという定説もない。
はっきり言えば「まだわかっていない」「探究中」なのですね。

でもまあ、巽先生の説を、素人なりに理解できた範囲でメモにしつつ、雑文をものしてみようかなと思った次第。


Lラズライト(天藍石)

2023-05-27 21:56:02 | 単品

前に青水晶のところでラズライト・イン・クォーツを上げました。
ラピスラズリのRラズライト、青金石とごっちゃになるやつ。
MgAl2(PO4)2(OH)2。美石揃いのリン酸塩鉱物。
深い青がきれいそうなので、ちょっと欲しいなと思っていたけど、なかなか価格・品質で折り合うものがない。どうしても黒っぽくなっちゃう。
で先日、ハッピーギフトさんでお手頃価格で美しそうなものが出たので、ようやくゲット。

カナダ、ユーコン準州、ラピッドクリーク産。有名産地のようで。
深い青と重厚な質感がとてもいい。残念ながら透明度はほとんどないけど。
それと改めて気づいたのは、若干緑が入るということ。mindat のギャラリーを見ると、ユーコン産のものは案外緑を帯びるものが多い。天藍石という和名のイメージとはちょとずれる。






似たような深い青色の石にアズライトがある。藍銅鉱。
しばしば透明度がなかったり黒っぽくなったりするところも似ている。同じ等軸晶系だし、比重も近いし。
でも、並べてみると、やっぱり違う。違う石なのだから違うのは当たり前だけど、アズライトがかきっとしているのに対して、ラズライトはちょっとぬめっとしている感じ。
その独特の質感は、もしかするとリン酸塩ということが関係しているのかもしれない。
リン酸塩鉱物は、
 フォスフォフィライト Zn2Fe(PO4)2・4H2O
 ビビアナイト Fe3(PO4)2・8H2O
 ターコイズ CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O
 ベゼリアイト (Cu,Zn)3(PO4)(OH)3・2H2O
 オージェライト Al2(PO4)(OH)3
 バリサイト Al(PO4)・2H2O
 ワーベライト Al3(PO4)2(OH,F)3・5H2O
 アンブリゴナイト/モンテブラサイト (Li,Na)Al(PO4)(F,OH)
などなど美石揃い。何かあるのでしょうかね。含水鉱物だからかな。


ちょっとキモい石

2023-05-22 21:29:13 | 単品

ツイッターにも上げたんですけど、
安くて変なものがあるとポチっとしてしまう悪癖が働きまして。

ブルーカルセドニー。Aurangabad, India 産。
ちょっと青が鮮やかに撮れ過ぎている。もう少しくすんでマット。
まあ上の写真でも十分キモいんですけど、100均マクロで撮るともっとキモい。







石というより、なんか海の生き物みたい。
お安い珍奇鉱物です(笑い)。