五反田半額セールでひそかに狙っていたものがありました。
売れてしまうかもなあ、だったら縁がなかったと諦めるか。
などといささか冷や冷やしながら行ってみると、あったあ。
翡翠のブレスレット。ミャンマー産で若干透明感がある。12ミリA品。A貨、つまりワックス以外無加工ということでしょう。
諭吉を越えるものなので、本来は守備範囲外。けど半額だったらOK。
で、買わせていただきました。ありがたやありがたや。
しかしさあ、12ミリ丸玉が17個でこの値段って、考えてみれば安くないですか? カボッション一つでも結構するのに。なんかブレスというのは奇妙。
どうも、あの緑の「ややロウカン」を手に入れて以来、翡翠というものに魅入られたようになっていまして。
その後、ミニミニ・ロウカンを手に入れ、さらに少し色の濃いもの、そして糸魚川産のものも新たに。(ずいぶん執着してるね)
この左下の、濃い緑なんですけど、青にも見える。不思議。
糸魚川産。小さいですけど透明度があって、実に美しい。
* * *
で、さらに欲をこいて、ブレス、と。
ブレスはやや薄い色。
この色が、実に捉えにくい。光源によって、青っぽくなったり、緑が鮮やかになったり、白っぽくなったり。よくわからん。そもそもこの緑と青の中間の色は捉えにくい。日本人は青と緑がごっちゃになるとよく言われるけど、それに関係しているのか。それともあちきの目は少し黄色に対して鈍いので、緑が青がかるのか。
そして、時々、妙にぽわあっと光が滲み出すように見えることがある。
何とも不思議で、妖しげで、いいのです。見てると飽きない。
* * *
しかしなぜ、こうも翡翠に魅せられたのか。
以前見た時は、正直あまり惹かれなかったのです。何せ地味だし。
見る目が進化したのか、何かが変わったのか、よくわからない。
つらつら分析してみると、どうもその魅力は、「質感」にあるらしい。
もちろん色もいいのだけれど、それ以上に、その独特の質感に魅せられている。
前に「ぬめっと」と書きましたけど、少しとろみのある透明感。
鉱物の硬質感ではなく、少し有機質に近い?
いや、物質と非物質の間。「霊的半物質」である「エーテル質」の柔らかさ。
こんなことを言っても大方の人はあほかと思われるでしょうけど、この世の物質と異次元(霊的世界)の物質との中間に、「エーテル質」とか「アストラル質」と呼ばれる「半物質」があって、人間や生物の肉体にはそれが浸潤している。時にはそれは物質に近い状態になり、「エクトプラズム」として見えるようになったりもする。まあ非常にややこしい話ですけど、あるんですね。(あるのかよ)
そんな「半物質」を想わせる質感なのですねえ。(ほんとかねえ)
奇妙ですねえ。翡翠は輝石グループの一員。しかしほかの輝石、たとえばエンスタタイトやダイオプサイド、スポデューメン(クンツァイトなど)なんかには、こういう質感は感じたことがない。
いわんや、「インド翡翠」を始めとするカルセドニー/アゲートにも、こういう質感はない。オパールはちょっと近いところがあるけど、やっぱり違う。白濁したベリルにはそういう感じがあるかな。
質感というのは不思議なもので、同じような色合いのものでも質の違いを人間は見分ける。豆腐とアイスクリームが同じ色をしていても、どっちかはだいたいわかる。(ほんとかねえw)
どうやっているのか。単純な光学的問題ではなさそうな気もする。
石の美は、形、そして色。いやそれだけではなく、質感というものもあるのだ。そしてその質感というものはけっこう大きな要素なのだ。
いくら美しい色や形の石を写真で見ても、満たされなさは残る。それは質感を感じ取ることができないからだ。
そんなことも思った次第。
翡翠は特別な質感を持った、魔力のある石。そんなふうに思えるのです。