貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

おおつごもり

2021-12-31 18:31:04 | 漫筆

大晦日の夜は、森々と雪が降る山里の寺が似合う。
って、これはテレビの「行く年来る年」の刷り込みだろうか。
以前は大晦日は寺、零時過ぎてからは神社、という構成が多かったと思うけれど、きっと仏教側から○○でもあったのでしょう、最近はそういう区別はしなくなったみたい。
でもね、年明けで縁起がいい時は神社でしょう。お寺は年末の懺悔にふさわしい。日本の神仏習合というのはそういうものではないかしら。
ま、余計なことを。

雪の山寺なんてイメージの石はあちきのコレクションにはないから、まあ代わりに。

セレナイトの丸玉。白い雪を通して浮かぶ幻の光。
キャッツアイが出ているのだけれど、こんなおっきなキャッツアイだと少しありがたみが薄くなるような感がなきにしもあらず。

石狂いの一年でございましたが、新しい年はどうなることやら。抗体依存性ふにゃららによる突然死なんて、いつ来るかわからないですしね。(怖いことを言うな)
皆様、悔いの残らぬように買いたい石は買いましょうね。(こらこら)

よいお年をお迎えください。


ちょとひと休み

2021-12-22 20:48:27 | 漫筆

ブログを始めて100日になりました。(おやおや)
猪突猛進で書き散らした記事は100を少し超えて。(まあ勢いは認める)
ネタも底をついてきたので、このあたりでちょっと一段落。(お茶でもどうぞ)
一段落したまま永眠ということもあるかもしれない。こういうご時世だし。(まあそれはそれで)

集めた石の種類はけっこうになりました。だいたいがお手頃価格品ですけど。
どうしてもあれが欲しいというものは、少なくなってきた。
もちろん、できれば欲しいなあ、と思うものはまだまだある。
すでに持っている石でも、美しさで惹き付けられるものは続々と出る。
まだ知らないものも出てくるでしょう。
まあぽちぽちと。
ようやく石好きの入口に立ったのかな。

別に新しい知見とかがあるわけでもなく、ただ書き散らしたものですけど、書いた当人はけっこう面白かった。
石はただ見て、美しいねえ、美しいねえ、と言っていればいいのだけど、あれこれ勉強したり、イメージをめぐらせたりするのもまた一興。お付き合いくださる方がいらっしゃったのは嬉しい。感謝。

ここまで石集めをしてきて、一番びっくりしたのは、やっぱりカラーチェンジ、特に「多色性」(透過光方向変色)ですね。こんなことがあるのだなんて、全然知らなかった。
また「多色性」に入るのかどうかわかりませんが、単純な透過光変色もいいものでした。
改めて、一同整列!

アイオライトサンストーン



ブラッドショット・アイオライト


アイオライト(丸玉)








アンダルサイト



・アキシナイトは多いのでこちら

・コーネルピンも多いのでこちら

エンスタタイト

ダイアスポア


こういうものは、石屋さんももっとアピールすればいいのにと思いますね。

また、蛍光では、フローライトの塔ラピスラズリのブレスレットに爆笑。予想外のものが蛍光すると楽しいですね。

もちろん、石はただ普通のたたずまいでも美しいのですけど、こういった「へんしーん」は楽しく、美しく、神秘的です。
「何じゃこりゃ?」という驚きはいいですね。

さあ、この先にはどんな驚きがあるのやら。


あるかなきかの

2021-12-21 19:38:02 | 漫筆

無色透明ではない。
鮮やかに色に染まっているわけでもない。
かすかに色があるようなないような。
そんな石がけっこう好きで。

クンツァイト。

アポフィライト。

ユークレース。



バーライト。

まあ色の鮮やかなものは高価だから、という見方もありはありだけど。
負け惜しみではなく、こういうほのかな色の石はいい。
「寒天ですか」とカミさんは毒舌を発するけれど。

わびさび、という見方もできるかな。
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」(定家)
何もない。けれどかすかな気配がある。
そこに遠い内なる響きとして花や紅葉の絢爛の記憶が漂う。

人もまた人生の最後になったら
こういうありかなきかの色に染まっていたい
そんな思いも湧いて。

ん? 寒天ジジイか?


イーグルアイ(?)

2021-12-20 21:14:31 | 単品

「イーグルアイ」という名前で五反田さん(そんな店名はない)で売っていた、800円の準エッグ。

準というのは、きちんとした卵形ではないということ。卵にしようと思って途中で力尽きたか(んなわきゃないだろ)、てきとーに磨いていたらこうなったのか、善意に解釈すればちょうど模様がきれいなところで止めたのか。(詮索しても意味ねえw)
「イーグルアイ」とは何か。「ホークアイ」というのはわりかしよく使われる。タイガーアイ(本当はタイガーズアイらしいけど、まあいいでしょ)が金茶色系なのに対して、青い色合いのものを言うらしい。タイガーアイは角閃石の石英漬け。できた時は青系なのだけれど、時間が経過すると茶系になっていくという話も聞いたことがある。
イーグルアイとは何か。どうも青でなくて銀色、ということらしい。
けどこれ、じぇんじぇん銀色ではない。
ホークよりイーグルのほうが強いじゃないか、と思って買った。わけではない。何かよくわからないけど、模様がなかなか面白くて、安いから買った。

鷲と鷹は、クジラとイルカがそうであるように、明確な区別はない。大きさで何となく呼び分けているだけ。人間の勝手であって、鷲が「ワシはワシです」と自称しているわけではない。(面白いと思ってるの?)
石もまた同じであって、ホークアイとイーグルアイも何となく呼び分けているだけのことなんでしょう。まあよくわからん。

しかし、これ、模様が角閃石のまっすぐ繊維状ではまったくなくて、ぐちゃぐちゃ。いや繊維状のキラキラも見えない。
タイガーアイが圧力でぐちゃぐちゃになったものに、ピーターサイトがある。色々な色がいろいろな模様を描いていて、面白く、人気もあり、高くもある石。
で、この準卵も、イーグルアイないしホークアイが変色してタイガーアイになって、それがぐちゃぐちゃになったとしたら、ピーターサイトなんじゃない? ピーターサイトの卵なんて、まずない。あったらとんでもなく高いだろう。
そうだ、これはピーターサイトに違いない。とんでもなく高価なものに違いない。
んなわけはないだろうけど、まあそう思って見るのもまた一興で。
まあいいんですよ、名前なんて。(いきなり大雑把になったね) 何だかよくわかんないけど、これは面白くて美しい。それだけ。


アンデシンの透過光変色

2021-12-19 20:39:19 | 単品

長石の項でアンデシンのことに触れて、「ちょっとほしい」と書きましたけど、ミネラルショーで通りすがりの石屋さんでお安いペンダントトップを見つけたので、買いました。セールで1000円ちょっと。チベット産とのこと。フレームがちょっと不細工。

で、光に透かしてみる。



劇的に変わりますな。何これ。

KARATZさんのサイトのアンデシンの説明には、ほとんどの石が「銅拡散処理」されているとあります。
この色もそうなのでしょうか。
チベット産は処理されていないものもあるという話も聞いたことがありますけど、よくわかりません。

この「銅拡散処理」は、見た目はもちろん、精細な分析をしてもなされているかいないかわからないのだそうです。
さあこれは困った。売る人も買う人も少しもやもやする。
けど、「判定不能」というのは、よくよく考えてみるとちょっと奇妙。
鮮烈な赤の石があって、どうもこれは処理ものらしい、という疑いが出る。けれど、未処理ものでそういうものがないわけではない。
つまり、質の(あくまで人間の美意識的な質だけど)低いものを高質化している。
このあたり、シトリンやブルートパーズとは少し違うような。シトリンは、未処理品はおとなしく繊細な色なのに対し、アメジスト加熱シトリンは濃くてムラがある。ブルートパーズも、未処理品は水のように淡いけれど、放射線処理品(ロンドンブルーとかスイスブルーとか名前がついてる)はものすごく鮮烈な青を見せる。馴れた人が見れば即座にわかる。らしい。
アンデシンも露骨に赤いものは処理品なのか。けど、それだったら「判定不能」にはならないのではないか。「ああ、この赤は拡散処理ね」となる。ということは未処理品でもそういう赤は少なからずあるということなのではないか。
シトリンやブルートパーズは、処理品は未処理品とは少し別種の石として、納得しつつその美を楽しむ。アンデシンはそのあたりが曖昧なのでイライラする、ということなのだろうか。(いやイライラはしないだろうよ)

で、この「透過光変色」は、銅拡散処理のせいなのか、そうでないのか。未処理品では微細な変色なのに、処理品は露骨なのか。でもそうだったら「判定不能」ではなくなりますよね。(何をごちゃごちゃ)

まあ、あれこれあるけど、この青緑の光はなかなか繊細で、方向によって多少変化して、美しい。
これ、どういうことなのだろう。単純に、赤は反射して、それ以外の波長は透過するということ? でも、ほかの半透明色付き石では、そういうことは起こらないではないですか。カイヤナイトを裏から見ても赤くは見えない。こんなふうに反射光色と透過光色が露骨に違うなんていうものは、石に限らず、あまり見たことも聞いたこともない。何か特殊な仕組みがあるのでしょうか。

美しいというのは石の魅力ですけど、そこに不思議さが加わると、また魅力が増す。このアンデシンも、高価な稀少石ではないですけど、そういう「何じゃこりゃ」の魅力を持っているように思います。