元外資系企業ITマネージャーの徒然なるままに

日々の所感を日記のつもりで記録

福沢諭吉著「学問のすすめ」(岬龍一郎氏による現代訳と解説)から、下記を引用するとまるで現在は江戸時代の身分制度を引きづる明治の始めのようである。特に大奥の記述は、

2017-04-15 23:19:47 | 読書
福沢諭吉著「学問のすすめ」(岬龍一郎氏による現代訳と解説)から、下記を引用するとまるで現在は江戸時代の身分制度を引きづる明治の始めのようである。特に大奥の記述は、メディアの現状や年功序列、東大至上主義、事なかれ主義の大企業そのものではないか。

「政府がわるいのではなく、愚民がみずから招いた災いなのである。愚民の上に荷らき政府があるとするなら、良民の上にはよき政府があるのである。今日の政治は国民の反映である。」

「大奥とは無知無学のたくさんの婦子女が、無知無徳の将軍様に仕えたところである。ここでは、勤勉を持っても誉められず、怠け者だからと言って罰せられることもなく、忠告して逆に叱られるところであった。
このような別世界で暮らせば、当然ながら喜怒哀楽の感情もまともではなくなり、屈性した人間模様にならざるを得ないだろう。同様に出世する者がいれば、なぜ出世したのかの理由もないので、ただ羨み、そして妬み、やがては将軍様まで怨むようになる。」

「いまの世に生まれて、国に報いる心を持つなら、誰しも心を苦しめ、身を焦がすような心配をすることはないはずだがだ。その為に大切なのはことは、国民の一人ひとりが自分の行動を正しく保ち、学問に志し広く知識を取得し、おのおのの立場に応じた才能と人徳を磨く事である。同時に政府は、政治をわかりやすく国民に伝え、その政策が国民に平安をもたらすように努めるべきである。そして、国民と政府が一つとなって、我が国の繁栄と平和を築くことこそ、私のすすめる学問であり、その目的はこの一点にある。」



丸山眞男が絶賛する福沢諭吉も「学問のすすめ」(岬龍一郎氏による現代訳と解説)を読んでみた。

2017-04-15 22:37:57 | 読書
丸山眞男が絶賛する福沢諭吉も「学問のすすめ」(岬龍一郎氏による現代訳と解説)を読んでみた。(丸山真男は「文明論之概略」を絶賛している)
これで「学問のすすめ」は2回目の読了。一度は随分昔に自分の為に読んだが、その当時はあまりに当たり前過ぎて特にピンとこなかった。
今回は現在の戦前回帰の状況を意識しながら読んでみたら、まさに今の日本は明治維新の頃と全然変わっていない。丸山真男の本を読んだ時は、戦前と今の状況は何も変わっていないと思ったが、実は明治維新の頃から日本人は何も変わっていない。
ただ、後半の慶應大学の学生向けに書かれた部分は、自分は全然出来ていない。改めて彼の言うところの「独立自尊」を身につけないと。初版が出てからのロングセラーの本書は、現代人にとっても必読書である。