◎ギリシャ神話 18 オリュンポス12神 5
★エレウシスの秘儀
○デメテル崇拝の中心地はアテナイの北西海岸にあるアッティケー州エレウシスで、デメテルの神殿があった
★「広い大地には葉と花が一面に咲きほこった。すると女神(デメテル)は法の守り手たる王たちのところに行って、トリプトレモスと馬を駆けるディオクレースと力優れたエウモリポスと人々の導き手ケレオスに、祭儀の執り行い方を教え、またトリプトレモスとポリュクセイノスと、加えてディオクレースの一同に、秘儀を明かした。これは、聴くことも語ることも許されぬ、侵すべからざる神聖な秘儀であり、神々に対する大いなる畏れが声を閉じこめてしまう。
幸いなるかな、大地に住まう人間の中でこの秘儀を目にした者よ。参入を許されず、祭儀に与かれぬ者が、死して後、闇覆う冥界で同じ定めに与かるべくもない。」(「四つのギリシャ神話」の『デーメーテールへの讃歌』(岩波文庫)より)
★エレウシスの秘儀の内容は入信者が語ることは許されない神聖なものとされ、秘密は厳守されたので、エレウシスの秘儀の内容はほとんど明らかではない
○入信資格は、人を殺したことがないことと、ギリシャ語を話せることのみで、身分や性別に制限はなく、女性や奴隷も入信できた
○入信希望者は手数料を支払うことによって入信可能となった
○入信者は2段階になっていた
・ミュスタイ
秘儀に加わるに値すると判断された信仰厚い者
・エポプタイ
最高の秘儀に参加することを認められた者
○春の小秘儀(2月に行われた)と秋の大秘儀(9月に行われた)があった
○エレウシスで行われた秘儀は、入信者のみが参加でき、行事の秘密をもらすことは禁じられていた
・推測では、ミュスタイはキュケオーンを飲み、聖なるケーキを食べたあと、入信式場に入り、コレー(ペルセポネ)の掠奪に関する礼拝式の演劇に出席した
・最高の段階の者たち(エポプタイ)は、デメテルとゼウスの交わりを主題とし、デメテルの女神官と秘儀解説者が主役をつとめる、礼拝式の演劇に出席した(「ギリシャ神話」フェリックス・ギラン著、青土社、より)
★エレウシスの秘儀(エレウシスの密儀)の教義内容
○「密儀」という用語の意味は、イニシエーションを授けることができる一定の組織制度を指している(「エリアーデ世界宗教事典」、せりか書房、より)
○イニシエーションとは、特定の集団あるいは秘儀に入門する際に行われる儀礼を意味する
いろいろ調べてみましたが、エレウシスの秘儀の教義内容については、確かなことはわかりませんでした
・もし、『デーメーテールへの讃歌』が根本となる経典に近いものだとすれば、ペルセポネの死と再生の物語から、「死」という問題に関係していると考えられます
人間は死ぬけれども、再生する、再びこの世に生まれてくる
おそらく、エレウシスの秘儀に入信すれば、死後の再生、復活が約束されるというようなことが説かれたのではないかと想像できます
もしかしたら、生命の永遠とまではいかなくても、輪廻転生を説いたのかも知れません
★エレウシスの秘儀
○デメテル崇拝の中心地はアテナイの北西海岸にあるアッティケー州エレウシスで、デメテルの神殿があった
★「広い大地には葉と花が一面に咲きほこった。すると女神(デメテル)は法の守り手たる王たちのところに行って、トリプトレモスと馬を駆けるディオクレースと力優れたエウモリポスと人々の導き手ケレオスに、祭儀の執り行い方を教え、またトリプトレモスとポリュクセイノスと、加えてディオクレースの一同に、秘儀を明かした。これは、聴くことも語ることも許されぬ、侵すべからざる神聖な秘儀であり、神々に対する大いなる畏れが声を閉じこめてしまう。
幸いなるかな、大地に住まう人間の中でこの秘儀を目にした者よ。参入を許されず、祭儀に与かれぬ者が、死して後、闇覆う冥界で同じ定めに与かるべくもない。」(「四つのギリシャ神話」の『デーメーテールへの讃歌』(岩波文庫)より)
★エレウシスの秘儀の内容は入信者が語ることは許されない神聖なものとされ、秘密は厳守されたので、エレウシスの秘儀の内容はほとんど明らかではない
○入信資格は、人を殺したことがないことと、ギリシャ語を話せることのみで、身分や性別に制限はなく、女性や奴隷も入信できた
○入信希望者は手数料を支払うことによって入信可能となった
○入信者は2段階になっていた
・ミュスタイ
秘儀に加わるに値すると判断された信仰厚い者
・エポプタイ
最高の秘儀に参加することを認められた者
○春の小秘儀(2月に行われた)と秋の大秘儀(9月に行われた)があった
○エレウシスで行われた秘儀は、入信者のみが参加でき、行事の秘密をもらすことは禁じられていた
・推測では、ミュスタイはキュケオーンを飲み、聖なるケーキを食べたあと、入信式場に入り、コレー(ペルセポネ)の掠奪に関する礼拝式の演劇に出席した
・最高の段階の者たち(エポプタイ)は、デメテルとゼウスの交わりを主題とし、デメテルの女神官と秘儀解説者が主役をつとめる、礼拝式の演劇に出席した(「ギリシャ神話」フェリックス・ギラン著、青土社、より)
★エレウシスの秘儀(エレウシスの密儀)の教義内容
○「密儀」という用語の意味は、イニシエーションを授けることができる一定の組織制度を指している(「エリアーデ世界宗教事典」、せりか書房、より)
○イニシエーションとは、特定の集団あるいは秘儀に入門する際に行われる儀礼を意味する
いろいろ調べてみましたが、エレウシスの秘儀の教義内容については、確かなことはわかりませんでした
・もし、『デーメーテールへの讃歌』が根本となる経典に近いものだとすれば、ペルセポネの死と再生の物語から、「死」という問題に関係していると考えられます
人間は死ぬけれども、再生する、再びこの世に生まれてくる
おそらく、エレウシスの秘儀に入信すれば、死後の再生、復活が約束されるというようなことが説かれたのではないかと想像できます
もしかしたら、生命の永遠とまではいかなくても、輪廻転生を説いたのかも知れません