◎「幸福論(第2部)」より 2
★「幸福論(第2部)」(ヒルティ 岩波文庫)より少し抜き書き 2
・現実の生きた生活で実証もされず、また実行もされないような哲学は、役に立たない
・いま1つの欠陥は、現代教育の全体が、真の信念や真の知識の獲得を目的としないで、むしろ記憶力の対象となるようなものを機械的に習得することに向けられているという点である
・真の教養の証拠は、第1に、精神の健康と力とがしだいに高まってゆくことであり、次ぎに、一種のより高い聡明さがあらわれてくることである。そして最後に、その人の器量が独特の大きさを加えることである
・財宝は人間の幸福にとって大切なものではなく、むしろたえず財宝を追求していると、人間はただ魂を失うだけである
・にせものの教養や不十分な教養の最もみやすい主な特徴は
暮し方がたいへん贅沢なこと
すっかり教養をつんだ人は、外見にも、住居や飲食などにも、あまり大きな値打をおくことはない
贅沢は自分にふさわしくないもの、他人に対しては不正なものとして用心ぶかく避けるだろう
度はずれのお洒落や、どの指にも金指輪をはめたり、…、窮屈なほど家具ばかり並べ立てたり、どんな逞しい健康をもこわしかねないほどの宴会を催したりするのは、すべて無教養のまったく確かなしるしである
教養ある人の最も確かな外的な特徴は、こうした衣食住のすべてにわたって、全体の外見や生活態度に、一種の気品のある、くつろいだ簡素さがうかがわれることである
・教養のある無しを見るのにきわめて便利な、特色ある目じるしは、本を持っているかどうかである
しゃれた家に住みながら、わずか1ダースばかりの本を読みもせずに、きれいな本棚に並べているのを見たら、あなたはその家の住人全部を、安んじて無教養だと考えてよい
・多読ということは、実際今日では、一般的教養にぜひとも必要である
・教養を欠く人の特徴は、騒々しい慎しみのない態度である
公共の場所、たとえば汽車の中や料理店などで、ひどく大声で喋ったり、傍若無人な振舞いをしたり、一般に、おおぜいの人の集まる場所で、非礼な挙動をすることなどがそれである
・さらに教養に必要なものは勤労である
働かないこと、すなわち怠惰は、世間でいうように遊んで暮せる身分の場合でも、つねに教養とは正反対の、卑しい心掛けのしるしである
・人間は、より高い目的を持てば持つほど成長する
・働くことは脳を発達させるゆえんであり、仕事が過度でなければ、それは老年にいたるまで脳を健康に保つものである
・しかし、あまり仕事に狂奔しすぎることも、怠惰と同じく、無教養のしるしであり、怠惰におとらず有害である
・真の教養をめざして努力することは、骨折りがいのあるものであり、それを実際に望むものは、貧富を問わず、学問の有無にかかわりなく、だれでもこの宝を手に入れることができる
★「幸福論(第2部)」(ヒルティ 岩波文庫)より少し抜き書き 2
・現実の生きた生活で実証もされず、また実行もされないような哲学は、役に立たない
・いま1つの欠陥は、現代教育の全体が、真の信念や真の知識の獲得を目的としないで、むしろ記憶力の対象となるようなものを機械的に習得することに向けられているという点である
・真の教養の証拠は、第1に、精神の健康と力とがしだいに高まってゆくことであり、次ぎに、一種のより高い聡明さがあらわれてくることである。そして最後に、その人の器量が独特の大きさを加えることである
・財宝は人間の幸福にとって大切なものではなく、むしろたえず財宝を追求していると、人間はただ魂を失うだけである
・にせものの教養や不十分な教養の最もみやすい主な特徴は
暮し方がたいへん贅沢なこと
すっかり教養をつんだ人は、外見にも、住居や飲食などにも、あまり大きな値打をおくことはない
贅沢は自分にふさわしくないもの、他人に対しては不正なものとして用心ぶかく避けるだろう
度はずれのお洒落や、どの指にも金指輪をはめたり、…、窮屈なほど家具ばかり並べ立てたり、どんな逞しい健康をもこわしかねないほどの宴会を催したりするのは、すべて無教養のまったく確かなしるしである
教養ある人の最も確かな外的な特徴は、こうした衣食住のすべてにわたって、全体の外見や生活態度に、一種の気品のある、くつろいだ簡素さがうかがわれることである
・教養のある無しを見るのにきわめて便利な、特色ある目じるしは、本を持っているかどうかである
しゃれた家に住みながら、わずか1ダースばかりの本を読みもせずに、きれいな本棚に並べているのを見たら、あなたはその家の住人全部を、安んじて無教養だと考えてよい
・多読ということは、実際今日では、一般的教養にぜひとも必要である
・教養を欠く人の特徴は、騒々しい慎しみのない態度である
公共の場所、たとえば汽車の中や料理店などで、ひどく大声で喋ったり、傍若無人な振舞いをしたり、一般に、おおぜいの人の集まる場所で、非礼な挙動をすることなどがそれである
・さらに教養に必要なものは勤労である
働かないこと、すなわち怠惰は、世間でいうように遊んで暮せる身分の場合でも、つねに教養とは正反対の、卑しい心掛けのしるしである
・人間は、より高い目的を持てば持つほど成長する
・働くことは脳を発達させるゆえんであり、仕事が過度でなければ、それは老年にいたるまで脳を健康に保つものである
・しかし、あまり仕事に狂奔しすぎることも、怠惰と同じく、無教養のしるしであり、怠惰におとらず有害である
・真の教養をめざして努力することは、骨折りがいのあるものであり、それを実際に望むものは、貧富を問わず、学問の有無にかかわりなく、だれでもこの宝を手に入れることができる