監督日記

試合の本当の“速報”また私から見た部活動の様子をライブで発信いたします。

iPS細胞から歯の再生へ

2009-12-15 19:38:47 | 小ネタ
先程まで講演会に行ってきました。
歯の再生の講演会です。

面白かったですよ。
iPS細胞とはInduced pluripotent stem cellsって言って、
人工多能性幹細胞の事。

これは、体細胞へ数種類の遺伝子(代表的なのは4種類)を導入することにより、
ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性と、
分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。

京都大学の山中伸弥教授らのグループによって、マウスの線維芽細胞から2006年に
世界で初めて作られた。

元来、生物を構成する種々の細胞に分化し得る分化万能性は、胚盤胞期の胚の一部
である内部細胞塊や、そこから培養されたES細胞など、一部の生殖細胞由来の培養
細胞のみに見られる特殊能力であったが、iPS細胞の開発により、
受精卵やES細胞をまったく使用せずに分化万能細胞を単離培養することが
可能となった。

分化万能性を持った細胞は理論上、体を構成するすべての組織や臓器に分化誘導
することが可能であり、ヒトの患者自身からiPS細胞を樹立する技術が確立
されれば、拒絶反応の無い移植用組織や臓器の作製が可能になると期待されて
いる。

歯科の分野でもこの技術を利用し、私の分野では、歯髄幹細胞を作って、
象牙質を再生したっていう報告があります。

この歯髄にも幹細胞があるって云われるようになったのはごく最近の事。
しかし、歯髄幹細胞には大きな問題点がある。

一つは、歯髄幹細胞は自体が少ない。全体の歯髄細胞の中に0.5~1%
これを分離・同定するのは大変な事。

二つ目は、安全性と個人差
意外と歯髄幹細胞の報告はあるのだが、個人差による比較を調べたものは
ない。(なるほど)

それ以外も、iPS細胞は一歩間違うと、癌細胞になってしまう事である。
そもそもの制作過程で、ウィルスベクター法での遺伝導入や、癌関連遺伝子
を使用しているので、癌化の可能性は大いに考えられるそうなのである。
(まあ、最近はそれも克服しているようですが。)

しかし、彼らの研究では最近、通常の細胞にある阻害剤を使用して行うと、
簡単にiPS細胞が作れる事を見つけたみたいなのである。
(これにはびっくりしました)

話を一気に飛躍しますが、そんな内容の講演会を聴きました。

ゆくゆくは、歯髄幹細胞→神経細胞に誘導→パーキンソン患者・
アルツハイマー患者の治療を考えているそうです。

彼は小児歯科の教授ですから、あくまでも乳歯にこだわり、それと
歯髄にこだわってこのプロジェクトを進めて行きたいって言ってました。

どう思います?
今日は本当にいっぱい刺激を受けました。

みなさんも明日の研究に向けて頑張って行きましょう。
(研究してなかったね)


コメント
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