言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(6)

2011-12-10 | 社会科の言語活動



夏からずいぶん間が空いてしまいましたが・・・(苦笑)
社会科関係の記事の続編です。

社会科における4つの言語活動を
問題解決的な学習過程に位置付ける際、

「どのように教材研究をおこなうか?」

ということも重要になってくると思います。

その際に参考にしたのが、北俊夫先生の「知識の構造図」です。
この構造図をヒントにして、
言語活動の位置づけをこのように作ってみました。


【6年社会 戦国時代の単元構想】

(↑クリックすると拡大します)


【6年社会 織田信長の授業構想】

(↑クリックすると拡大します)


教師は、上からこのピラミッドを造っていきます。
すなわち「最終的におしえたいことは何か?」という、概念的な高位の知識をまずは設定するのです。
そして、その知識を身につけさせるにはどのような知識が必要か?
という観点から、知識のレベルを下げていき、ピラミッドを造っています。


逆に児童の思考は下からです。
授業中に児童は、基礎的、基本的な知識技能を習得活用しながら、
知識をどんどんどんどん上に積み重ねていきます。

積み上げる際に必要になってくるのが、
========
「言語活動」
========
なのです。


教師は上から(トップダウン)
児童は下から(ボトムアップ)

おすすめの教材研究です。


言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(5)

2011-08-19 | 社会科の言語活動
言語活動を意図的/計画的に単元に位置付けるために、
単元構想図を作成しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
縦軸が単位時間における問題解決的な学習過程
横軸が単元全体における問題解決的な学習過程
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
となるような一覧表です。


単元全体を俯瞰した際に,授業の目的に応じて,
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「読み取り」
「再構成」
「表現・説明」
「話し合い」
========
という四つの言語活動(=「活用」)が,
単元指導計画の中にどのように意図的・計画的に
組み込まれているかを確認できるようにしました。



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言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(4)

2011-08-17 | 社会科の言語活動
4つの言語活動(読み取り/再構成/表現・説明/話し合い)を、
問題解決的な学習過程に位置付けることは、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「習得」と「活用」の小刻みな繰り返し
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
であることを前回説明しました。

その具体例として、授業の一こまを紹介します。


ただし、45分の中で、
全ての4つの言語活動を一気に網羅するのは毎回は厳しいです。
この例は、あくまでも
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「問題解決的な学習過程に位置付ける」
「小刻みな繰り返し」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
のサンプルとしてみていただければと思います。

(↑ クリックすると拡大します)

言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(3)

2011-08-12 | 社会科の言語活動
問題解決的な学習は,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
基礎的・基本的な知識および技能の「習得」・「活用(=言語活動)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
を繰り返し,進めていくと考えます。
その過程を経て、思考力・判断力・表現力等の育成を目指します。



これについて,北俊夫氏(2008)は,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「一旦身につけた知識や技能は,それらを活用して学習することをとおして,
身に付けた知識や技能をさらに確実なものとしたり,
新たな知識や技能を習得したりする機会にもなる。
また,問題意識を持って,すでに習得している知識や技能を活用して
新しい知識や技能を獲得(習得)していく過程が探究している姿である。

(中略)

活用や探究によって,習得した基礎的・基本的な知識はさらに定着したり,
新たな知識・技能(調べて身に付く知識・技能,考えて導く知識・技能,
概念的で抽象度の高い知識・技能など)が習得される。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
としています。

北氏の言うとおり,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「習得」と「活用」は相互に関連し合って
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
おり,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「習得」「活用」の双方向的な流れを意識しながら
「活用(=言語活動)」を問題解決的な学習過程に位置付ける
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ことで,知識が確実に定着すると考えます。


また知識の質が,
=================
・考えて導く知識・技能
・概念的で抽象度の高い知識・技能
=================
へと深まる過程をとおして,社会的な思考力や表現力・判断力が身に付くと考えます。




これまで述べてきた問題解決的な学習過程における「習得」と「活用(=言語活動)」の関係を
以下のようにまとめてみました。




※ この図を具現化した授業モデルは次回紹介します。

言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(2)

2011-08-12 | 社会科の言語活動
社会科における4つの言語活動(基礎的・基本的な知識・技能の活用)
について、それぞれのイメージを以下のように作ってみました。


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読み取り
━━━━━



━━━━━
再構成
━━━━━



━━━━━
表現・説明
━━━━━



━━━━━
話し合い
━━━━━



言語活動を問題解決的な学習過程に位置付ける(1)

2011-08-12 | 社会科の言語活動
小学校社会科において,以下のような学習活動を,
言語活動(基礎的な知識・技能の活用)と、とらえてみます。

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━━━━━
読み取り
━━━━━
問題解決に必要な資料を収集・選択するとともに,資料から必要な情報や事実を読み取る。


━━━━━
再構成
━━━━━
読み取ったことを比較・関連付け・総合しながら再構成し,社会的事象の意味,意義を解釈する。


━━━━━
表現・説明
━━━━━
事象の特色や事象間の関連を考え,それらを自分の言葉で表現する。



━━━━━
話し合い
━━━━━
考えたことを伝え合い,話し合いをとおして,互いの考えを発展させる。


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以上の「言語活動(=活用)」を、
問題解決的な学習過程に以下のように位置付けてみました。


■単元全体に位置付けた場合
 

■単位時間に位置付けた場合