国語科における着語法指導(1)

2011-10-30 | 国語:着語法指導
国語教師なら(多分)知らない人はいないであろう

野口芳宏先生

から10数年指導をいただいています。

その野口先生を師匠とあおぐ照井先生からも
10数年指導をいただいています。

私の国語授業は、野口先生が話される「着語法」指導を中心に行っています。
多分、10年近く変わっていません。

今回、自分の実践を様々整理する上でも、
この「野口国語」を追試してきた自分のスタイルを
ブログで紹介しながら、
諸先輩方に指導をいただき、改めて自分の力にしていきたいと思っています。


あくまでも、野口先生の授業を受けてきて、自分なりに消化した上での
「千葉」の授業スタイルであり、野口先生の実践とはほど遠いものであるし、
かつ、改善の余地が多々多々あるということは、ご理解ご了承くださいませ。



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1 一文ずつ、とにかく読んでいく
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とにかく、一文ずつ、読んでいきます。
子どもたちに読ませます。
列ごとにが多いです。

ただし、声が小さい子は、やり直しさせます。
(当たり前ですよね・・・)

「無理にでも声を出します!」
と、ハッパをかける事が多いです。


教室でぎりぎり聞こえるくらいの声を出す子は、
体育館で行われる全体集会でも、平気で、いつもと同じレベルでしゃべります。
聞いている方はたまったものではありません。
本人にも、聞いている方にも、全く+になりません。

小さい場合には
「全力で」
「教室の端にいるこに聞こえるように」
と、励ましながら、やり直しをさせています。

そして、子どもたちの力では読解できない部分(子どもたちの読解の限界部分)
に焦点をあてて、発問を入れていきます。

(それは、次回に紹介します)


思考を促す社会科授業(6)

2011-10-09 | 思考を促す社会科授業

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┃┃ 思考を促す社会科授業(6)
   ー問題解決的な学習過程に言語活動を位置づけるー


            
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 私が、思考を促す社会科授業「づくり」のために、いつも心掛け
ていることは、
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問題解決的な学習過程に、言語活動をしっかり位置づける。
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ということです。これは学習指導要領でも一番初めに明記されてい
る、きわめて大切な要素です。

 問題解決的な学習過程は、例えば、
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課題把握→予想→追究→交流→まとめ
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という流れで進んでいきます。その流れの中では、児童の問題意識
や、思考の流れを大切にして授業が進められていきます。
 課題解決の過程で、児童の基本的な知識や技能をより高次なもの
に変容させていくのです。

 児童の思考回路を大切にした学習過程に、言語活動を位置付ける
ことで、思考力や判断力、表現力等を高めていきます。私は、学習
指導要領をはじめ、様々な文献を通して、以下の4点を「社会科の
言語活動」と捉えました。
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1)読み取り
2)再構成(比較・関連付け・総合)
3)表現・説明
4)話し合い
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これらの活動を、学習過程の中に意図的計画的に位置付け、児童の
思考を促していきます。

 例えば3年生の、スーパーマーケットの学習。

 店内の写真を使って、たっぷり情報を「読み取り」ます。その際
に、読み取った情報と店内の配置図を、比較・関連付け・総合させ
ながら、『たくさん商品を売るためのお店の工夫』として「再構成」
します。
 そこで得た情報について、自分の考えをノートや社会科新聞等に
「表現・説明」しながら、「話し合い」を行い、知識を深めていき
ます。

 このように「言語活動」を、単元あるいは一単位時間の問題解決
的な学習過程に位置づけることで、児童の思考を促していくことが
できるのです。

 これまで、「発問」や「モノの提示」「ICT活用」等、様々な授
業技術について紹介してきましたが、それらは全て、この問題解決
的な学習過程に位置づけた言語活動によって光ってきます。

 基礎的・基本的な知識及び技能の習得・活用による思考力、判断
力、表現力等の育成が新学習指導要領の最大提案です。そのための
方策は、様々あると思いますが、やはり、授業の流し方の「基本」
を大切にしていく姿勢が一番重要だと考えます。

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問題解決的な学習過程に、言語活動をしっかり位置づける
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 以上述べたことは、社会科好きの方には当たり前の事だと思われる
かもしれません。しかし、当たり前のことが当たり前に行われていな
かった現実があるからこそ、このような「言語活動」という名前で、
新学習指導要領に明記・強調されてきたのではないでしょうか。
 その現実に対して真摯に向き合い、謙虚に授業改善を図っていく必
要性を、今痛感しています。

 社会科の学習指導要領をもう一度読み返してみることで、思考を促す
ための根っこが見えてきます。
 そこで見えてくるものこそが、「社会科指導の原点」なのではないか
と思っています。