前回は、多種多様な資料から「読み取り」をどのように行うかに
ついて説明しました。今回は、読み取った情報をどう「再構成」し
ていくかについて考えます。
ちなみに、学習指導要領において「再構成」は以下のように解説
されています。
==============================
読み取った情報を、比較・関連付け・総合し、再構成する
==============================
さて、【比較・関連付け・総合】とは一体どういう事なのでしょう
か?なんだか言葉が難しそうです。しかし敢えて一言で言うとすれ
ば、「見えなかったモノの『見える化』をはかること」だと考えま
す。
5年生の社会科授業(工業分野)で説明します。日本の交通網に
はどのような特徴があるのか調べる学習です。まずは、
==============================
■高速道路の広がりをあらわした地図
■鉄道の広がりをあらわした地図
==============================
の2枚を読み取り、それぞれの情報を【比較】します。
すると、どちらも同じようなルートで日本を縦断している事がわ
かります。比較する事で、共通点が見えてきました。
今度はそのわかったことを別の事象と【関連付け】ます。例えば、
==============================
■日本の地形図
==============================
です。比較して明らかになった事を、地形図と関連付けて説明させ
るのです。
すると、「平地を中心に日本の交通網は、広がっている」という
ことがわかります。ただ、これだけではまだ交通網の説明としては、
不十分です。そこで最後に、
==============================
■日本の人口分布図
==============================
を提示します。これら全ての資料を【総合】させて、日本の交通網
の広がりの特徴についてまとめさせます。

すなわち、
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本の交通網は、平地で、人口の多い都市を中心に広がっている
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
という中心概念に導かせるのです。その【比較・関連付け・総合】
のプロセスが、まさに「再構成」なのです。
再構成には、方法論的な捉えもあります。一例がカードの活用で
す。試行錯誤しながら、カードの並び替えをする活動などが挙げら
れます。
たとえば自動車組立工場では様々な作業過程があります。その作
業過程の写真と解説文がそれぞれ教科書に掲載されています。写真
と解説文をそれぞれカードにし、バラバラにして提示するのです。
==============================
作業過程の写真と説明文章を組み合わせて、作業順に並べましょう
==============================

子どもたちは、写真や文章からたくさんの情報を読み取り、そし
て、それらの情報を、【比較・関連付け・総合】させながら、作業
過程順に組み合わせていくはずです。この学習過程も「再構成」と
言えるでしょう。
自身も多いに反省するのですが、社会科は資料の読み取らせっぱ
なしの授業に陥りがちです。だからこそ、教師が意図的に「情報を
再構成する」という意識をもつことが大切です。読み取った情報を
加工することで、今まで見えなかったモノを見えるようにするのが、
「再構成」なのです。
ついて説明しました。今回は、読み取った情報をどう「再構成」し
ていくかについて考えます。
ちなみに、学習指導要領において「再構成」は以下のように解説
されています。
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読み取った情報を、比較・関連付け・総合し、再構成する
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さて、【比較・関連付け・総合】とは一体どういう事なのでしょう
か?なんだか言葉が難しそうです。しかし敢えて一言で言うとすれ
ば、「見えなかったモノの『見える化』をはかること」だと考えま
す。
5年生の社会科授業(工業分野)で説明します。日本の交通網に
はどのような特徴があるのか調べる学習です。まずは、
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■高速道路の広がりをあらわした地図
■鉄道の広がりをあらわした地図
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の2枚を読み取り、それぞれの情報を【比較】します。
すると、どちらも同じようなルートで日本を縦断している事がわ
かります。比較する事で、共通点が見えてきました。
今度はそのわかったことを別の事象と【関連付け】ます。例えば、
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■日本の地形図
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です。比較して明らかになった事を、地形図と関連付けて説明させ
るのです。
すると、「平地を中心に日本の交通網は、広がっている」という
ことがわかります。ただ、これだけではまだ交通網の説明としては、
不十分です。そこで最後に、
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■日本の人口分布図
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を提示します。これら全ての資料を【総合】させて、日本の交通網
の広がりの特徴についてまとめさせます。

すなわち、
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日本の交通網は、平地で、人口の多い都市を中心に広がっている
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という中心概念に導かせるのです。その【比較・関連付け・総合】
のプロセスが、まさに「再構成」なのです。
再構成には、方法論的な捉えもあります。一例がカードの活用で
す。試行錯誤しながら、カードの並び替えをする活動などが挙げら
れます。
たとえば自動車組立工場では様々な作業過程があります。その作
業過程の写真と解説文がそれぞれ教科書に掲載されています。写真
と解説文をそれぞれカードにし、バラバラにして提示するのです。
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作業過程の写真と説明文章を組み合わせて、作業順に並べましょう
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子どもたちは、写真や文章からたくさんの情報を読み取り、そし
て、それらの情報を、【比較・関連付け・総合】させながら、作業
過程順に組み合わせていくはずです。この学習過程も「再構成」と
言えるでしょう。
自身も多いに反省するのですが、社会科は資料の読み取らせっぱ
なしの授業に陥りがちです。だからこそ、教師が意図的に「情報を
再構成する」という意識をもつことが大切です。読み取った情報を
加工することで、今まで見えなかったモノを見えるようにするのが、
「再構成」なのです。