サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

諦めないで。50代の皆さん。実は、皆さんの活躍を期待している時代になるから。

2016年12月10日 20時05分05秒 | キャリア開発
会社員の皆さんを見ていると、「なんで、そんなに自分はエライと思っているんだろう」と思うことがあります。立場で「〇〇長」と言う肩書きがつくのと比例して、その傾向が強くなりますね。
 ある会社でリストラが起きたときの悲しいお話し。人材派遣会社でから「貴方は何ができますか?」という問いが、ある部長に向けられました。そうしたら、「わたしは部長ができます」という回答。世の中に部長職という名前がつく人が何人いるか知りませんが、そんなにすごい立場・役割なのでしょうか。これは失礼な発言なので、一般論で語るのはよくないかもしれませんが。
 また、部下育成の責務があることを認識しているのはよいのですが、ほとんど丸投げだったり、判断が個人固有のものであったり、文句を言って指導したつもりになっていたり。経営者に通じるマクロ観や高度な専門性があるとは思えないケースに出くわします。もっと、自分で苦しんで考えてみたらどうなんでしょうね。これ、失礼ながら上場企業さんの部長職に見よくられるケースです。もったいない。
 ある経営者の方がこんなことを言っておられました。
 「ウチの部長ったら、朝から沢山のメールをみて、たまに返信して、それで仕事をした気になっている」と。パソコンの前にどっぷりつかって、送られてきたメールを見るのが日課になり、本当にやってほしい改革についてはノータッチ。
 そして、さらに良くないことは、50代の部長で、定年が見えてきたせいか、権限移譲のもと「これからは君たちの時代。君たちが主導でがんばってほしい」というかっこよすぎる言葉。恥ずかしくないのでしょうかね。自分で歯を食いしばって、問題に立ち向かおうという気持ちはないのでしょうか。簡単に言えば、高給をもらって逃げているだけです。そして、何かというと「腰が痛い」「BMIが」と健康のせいにする。むろん、大なり小なりそういうことはあるでしょうし、家族や介護の問題もあるでしょう。しかし、これで勝てる組織を作ることができるのでしょうか。。簡単に言えば、ぶら下がり健康法。「どうせ頑張っても、これ以上の昇給・昇格はないから、このまま音もなく、大過なく過ごしたい」のでしょう。
 実は、日本の、とくに大企業の人員構成は、50代が膨れ上がる時代を迎えます。この年代がこの気持で行くと、費用対効果と言う面で大変なコストを発生させる時代に突入するわけです。

さて、50代を非難ばかりしてきましたが、会社もよくない。折角頑張ろうとする50代に対して、「ああ、それは若い人にやってもらうから。彼らを鍛えないと」といわれる。これは、きっと寂しいに違いない。ここで権限を委譲した上に、給料も下がったら、踏んだり蹴ったりの思いでしょうね。
 「甘い。それは大企業だから、給料は下がらない。恵まれている」という言葉も聞かれます。これは個々の企業の事情もあるので、是々非々を言うべきではないのですが、とにかく、この50代の人たちに、どう頑張ってもらうか。これが、これからの日本企業の活力・業績を左右する課題であることは間違いないと思います。このテーマについては、また語る場を作りたいと思います。