サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

一度の大勝で有頂天になる人より、辛勝を重ねる勝負師に。

2016年12月12日 20時51分33秒 | 日記
「僅差で勝つ」というと、「やっと勝てた」とか「かろうじて勝った」という言葉が浮かびます。新聞の記事でも「辛勝」とか。負けた側から見たときは「惜しい逸機」「ツキ逃す」など、有難くない言葉のオンパレード。
 しかし、理に叶う「辛勝」と情けない「辛勝」は違うと思います。例えば、プロ野球で言うならば、ドラフト制度が始まって、もう半世紀は経過すると思いますが、これによって有名なチームにばかり選手が集まることなく、戦力の均等化が図られてきました。もう、どこかのチームが日本一を何年も続けることは難しい時代になりました。
 つまり、勢力が拮抗している時代にあって、僅差であっても勝てれば良しです。ちなみに、プロ野球で日本シリーズで4勝3敗で勝つことを想定する監督はなかなかの人ではないかと思います。両リーグの強いチーム同士が戦うのですから、シリーズ前に故障者でも出ない限り、互角の勝負になることを予想しているでしょう。
 言葉は悪いのですが、第6戦で全勢力を投入して負けた場合、翌日の第7戦は悲惨なことになります。とくに投手が。第7戦に投げられる人がいないというのは、敗戦が決まったも同じです。むろん、過去に3連敗してから4連勝したチームはございます。今でいうなら「神ってる」投手がいました。しかし、そんな奇跡を期待した勝負をやることは良い事ではありません。監督ともあろう人が、そういうチームマネジメントをしてはいけないと思います。無理を重ねたその投手は長続きしないかもしれないし、それ以外の投手は「自分は信頼されていない」と思うかもしれません。エース級の投手が複数いる場合は、特に注意が必要ですね。
 話しが野球に及びましたが、ビジネスでも競合と拮抗した戦いであることに変わりはございません。その際、「あれだけやったのに大勝ではなく、辛勝か」と嘆くのではなく、気持を引き締めて辛勝を続けられることが勝負師ではないかと思います。大勝して有頂天になり、その後、敗北したチームや会社は数限りなくあります。「辛勝を狙え」とはさらさら申しあげるつもりはございませんが、結果的に辛勝であるならば、改めて「勝って冑の緒を締めよ」で、次の勝負に臨みたいものです。