快晴の中、雪かきを背負いビニールハウスへ向かう。
綺麗な青空と、昨晩から降った雪で地面は白銀の世界だ。
おまけに風も強い。
犬や猫がブルブルと体を振り、濡れた体から水を飛ばすように、唐松が左右に幹を揺らし枝に着いた雪を飛ばしている。
その雪がまた舞い上がり、次へ次へと雪が飛ばされていく。
浅間山も次々と雪が飛ばされ、ビニールハウスからは浅間山の中腹の半分しか見えない。
まったくもって風が強く、ビニールハウス内で仕事をしていても骨組みがカタカタと鳴り、このまま全部ビニールハウスごと持っていかれてしまうのでは?と思うほどだ。
外はそんな状態だけれども、ビニールハウス内は常夏、楽園だ。
RIP SLYMEの楽園ベイベーが頭の中で流れている。
この暖かさを楽園と思うのは僕だけではないらしい。
早くも害虫のヨトウムシを見つけた。
丸まっているが死んではいない。
外は地獄のように寒いが、彼はぬっくぬっくの楽園にたどり着いているのだ。
そんなヨトウ君を殺してしまうのは可哀想なので、野に逃がしてやった。
もうヌクヌクのヨトウではない、寒いヤトウだ。
民主党のようなもんだ。
どちらも運が良ければ生き残れるだろう。