鉄マニズム
ホイドーズ鉄マンの日々
 



悲劇、将軍の行方

第四話 [片目の月]

沢山の人が並んでいる、皆、悲しみをたずさえて、、

葬儀は将軍一郎丸様の事とあって隣国、または四つばかりの山を越えねばならぬほど遠い国からも早馬で駆けつけた者もいた。

兄、一郎丸の人徳なのか、それともこの国の豊かな自然がもたらす作物、
それらを他国に売り、そして得た財産を我が物にと狙う輩か、

とにかく止めどなく人は来た。

次郎丸はその人のなかに、よもや兄を殺した下手人がいるのではないかと、
気を張った。

そうして二日がたった。

ようやく水を上げにくる人たちもちらほらとなり、次郎丸は二日間の気を張り巡らした心を緩めた。
めぼしい者もいなかった。
その日の晩である。
次郎丸は三人の家臣と考えていた。
蔵三という男が言った。[いったい誰がどんな方法で。
しかも、なにが狙いだ?]
鷹滋という男が言った。
[恨みか?
しかし尊敬されることはあっても、恨まれる事などないぞ! 将軍様は家臣、そして民にも心配りをわすれなかった]
冬力という男がいった。
[しかし、あの将軍様の胸から腹から、一撃で潰してあるのだぞ!!

籠城戦で外から来た敵を打ち返す、大木で作った[大振り子]でも使わなければ、ああはなりますまい!

そんなものが簡単に作れる訳もない。
大の大人が20人は要るぞ!

またそんな物を作っていたらすぐにばれてしまう!

事故か?

ならば、、、ならば、、、]


答えの出ない夜を片目の月が見ていた。


つづく

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