あともう少しだけ

日々の出来事綴ります。やらずに後悔よりやって後悔。

対話 「後の水かけ祭り」

2017-02-28 23:19:19 | コラム

「・・・」

「どうしました?パソコンとにらめっこして。あらずい分ご機嫌斜めな顔だこと」

「この前大東の水かけ祭り写真撮りにいったじゃん?」

「行きましたね。あ、あの祭りスギちゃん参加してたらしいですよ。芸人の。発見できなくて残念でしたね」

「芸人なんぞどうでもいい!あーっ!写真うまく撮れんかった!くそぉぉお!」

「ああ、そんな日もありますよ」

「せっかく買ったからと望遠でチャレンジしたのは不味かったかなぁ・・・。ああいう込み入った場所だと超ポジショニングシビアだ・・・。いや、俺の腕不足なのはもちろんなんだけど、ああ、もう少しどうにかならなかったものか・・・」

「射程が遠距離のものは接近戦で敗れるのが定石ですからね。そもそもレンズの選択が間違っていたかもしれません。意地を張らずに標準レンズで撮影すればよかったんですよ」

「せっかく高性能なもの買ったんだし、少し無謀でも使ってみたいと思うのは仕方のないことだし。あぁ。。。また1年後か・・・。しかし、しかしだよ?ちょっと一部のカメラマンのマナー悪すぎじゃね?何で競技者が目前まで来ているのに逃げないのあのばばぁ。大迷惑なんですけど?走るの邪魔なんですけど?周りに思いっきり注意されてたんですけど?射線完全に潰されてんですけど?あの人いなければ結構ジャストな写真撮れたんですけど?うらめしいうらめしいうらめしい」

「写真のこととなると口が悪くなりますね。気持ちはわかりますが、仕方ないですよ。想定不足ということで」

「いやぁ、下準備はしてたんだよ。撮りやすい角度とか位置とか事前に確認していたんだよ。けどもあれだ。想定外の動きをする人がいるってことを想定していなかった。ああいった行事はポジションの奪い合いだってことと、ルールを破るアホがいるってことを考えていなかった・・・」

「そんな中でもちゃんとした写真をものにするだけの技術を身につけなければいけない、ということで教訓にしましょうよ」

「ああああああああああああああああああああああああ」

「しつこいですね」

「来年に向けて切り替えるにはちょっと時間があり過ぎるんだよおおお」

「別の行事の写真でも撮ればいいじゃないですか。蘇民際だってまだ他にもあるでしょう」

「それはそれな訳でね。やっぱり失敗したっていう悔しさはどうにもこうにもならん。来年リベンジだ畜生」

「そうですね」

「では、来年どうやったらベストな写真が撮れるか考えよう」

「はい、・・・って今から?」

「鉄は熱いうちに打てと言うだろ」

「そもそも祭りあったの2週間前ですよ?鉄も大分冷めてるでしょ?」

「ぶり返したんだよ!熱さが!とりあえずだ!来年は周りのカメラマンは全て敵だと思うことにする!」

「殺伐としてますね」

「次に!来年は標準レンズを使用!」

「やはり無理はしない方がいいですよね」

「標準レンズを付けたカメラと望遠レンズを付けたカメラの2台持ち!これで行く!」

「うわぁ、引く」

「みっつ!集団に紛れ込んだときは必ず一番前を死守する!前にいるカメラマンはじりじりじりと前にせり寄ってきてこっちの画面に入り込んできやがる!あいつら糞だ!」

「貴方もそう思われてますからね?」

「よっつ!沿道からでなく正面から撮影できるように位置をとる!いつつ!勘で撮らずにファインダーをのぞきながら狙って撮る!ラッキーパンチは数を重ねたからって当たるもんじゃない!数より質!」

「結構残念な写真多かったですものね。確かにもっと落ち着いて撮った方がよかったかもしれません」

「むっつ!カメラはできるだけ身軽にする!ストロボいらない!カメラ用合羽いらない!」

「完全に邪魔でしたね、あれは。あれだけ離れてたら光届かないですし、合羽もカメラの操作に邪魔でしたし」

「ななつ!シャッター連射しすぎない!ジャムる!」

「一度に写真撮りすぎるとメモリーカードにデータ遅れなくなって数秒間撮影不能になるんですよね。解説ですはい」

「やっつ!撮影は光が当たる場所を狙え!影の中じゃいくら構図が良くてもいい写真にならん!ここのつ!シャッタースピードとF値は高くていい!ISOでカバーしろ!」

「いくつまで続くんですそれ?」

「とお!ああいった祭りの場ではルールを守らない馬鹿がいるということを念頭に置いて段取りしろ!以上!」

「はいお疲れ様でした」

「リベンジ戦は春だな」

「何かお祭りありますっけ?」

「なにかしらあるでしょ」

「ところで今回撮った写真はコンクール出さないんですか?」

「コンクールあるんだか無いんだかわかんないんだよね。あるんだろうけど、アナウンスしなさすぎ。ネットで探しても見つからないし。いいよもう。適当な写真誌に応募する」

「なんだかんだでいい写真撮れたんですか?」

「正直自信あるのはほとんどない。でも写真は人に見せて何ぼのものです」

「それは一理あります」

「ああ、とりあえず吐き出したら悔しさが少し晴れた。しっかしあのばばぁ・・・」

「ぶり返すな」

 


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