オー、ジョン・ライドン、お前の毛根にまだこびりついてる砂糖水の匂いに
ぞろぞろと群がってくる小汚いアリどもを笑えよ
まるでそこにしか歩くところがないみたいに
お前の後をついてくるそいつらのことを心から笑い飛ばしてやれ
Punk is Dead、あたりを見回してみることはない
70年代が終わる頃にゃそんなこととっくに分かってたさ
あれはもう20年以上も昔のことだ、俺の通っていたハイスクールに
ロンドンからやってきたブロンドの英語教師
誰かが面白がって投げつけたFuck youってフレーズを
「rock’n roll words」ってひと言で片付けちまった
あれはとても印象的な出来事だったぜ、そのころには、もう
パンク・ロックなんてリンカーンの銅像と同じぐらいの意味しかなかったのさ
90年代、黄金の国ジパングが土台からぼろぼろと崩れる準備をしていたころ
突然誰かがパンクって言い始めて
スリー・コードと鋲つき革ジャンが巷に溢れかえった
少年ジャンプでやたらと目につくような安っぽい自意識に
カワイクはないけどカラッポの小僧どもがこぞってこぶしを振り上げた
オー、パンクス、お前たちはばっちり決めていたけど
ピストルズの面影なんてそこにはひとつも見当たらなかったぜ
そうさ俺はとっくの昔から気がついていたんだ
パンクなんて初めからこの世の中には存在しちゃいなかったんだってことに
最初っからそんなもんは
マルコム・マクラーレンの寝言に過ぎなかったんだってさ
黄色い肌のパンクはまるで
腐った卵みたいな歌ばかりだった
夢や希望、俺たちの明日、こんな俺でも夢中になれるものを見つけたんだ
誰にも縛られたりなんかしない、ウルセエヨ
クリスマスの歌なんか論外だ
自分が考えたみたいに甲高い声で歌いやがって
パンクなんかどこにもなかった、パンクなんか
内なる闘いをくぐり抜けようとしないやつに
壊すという概念なんか理解出来るはずもなかったんだ
ようイエローマン、イエローモンキー
中指を立てた時点で一生パンクスになんかなれない自分をこの上なく恥じろよ
デタラメのいいわけ、デタラメのいいわけ、初めから
みんなすべてデタラメのいいわけだったんだ
愛してしまったからオシマイだったんだ、ろくに音も合わしちゃいないスリー・コードのストロークに
レイプされちまったときからそのことはよく分かってた
ライドン、ジョン・ライドン
俺だってお前の毛根に群がった小汚いアリの一匹さ
こんな俺をどうか笑っておくれよ、ほかにやりたいことなんてひとつも思いつけなかったんだ
Punk is Dead、Punk is Dead、踏襲するしかノウがないノータリンの小僧どもよ
お前の歩いてきた誰かさんそっくりの道のりを笑えよ
そんなの初めから
始める意味なんかひとつもなかったのさ
あんたは本当にメシを喰わせたくなかったのか
あんたは本当にメシが喰いたかったのか?
地獄に落ちた野郎どもには歌を歌うヒマなんてない
ロンドンはとっくに鎮火してしまってる
電撃バップは間引きされてもう電圧が足りない
さらばベルリンの陽、共産主義は冷たい土の下に
ロウ・パワーはアメリカの犬になり
ジーザスが死んだのがアンタのせいであるはずがない
吐気がする、吐気がする、吐気がする、吐気がする
栄光がつかめるなんて本気で思っていたんだろうか
ああいと哀し自主製作盤のエレジー
ソノシートの幻影がデジタル・コンテンツの片隅で音割れしながら泣いている
トモグイ、トモグイ、トモグイ、トモグイ
ジーザスが死んだのは、アイツ自身がパンクだったせいさ
Punk is Dead、Punk is Dead
コピーばかりを繰り返し輪郭をなくしていく愚かな小僧どもよ
死んだ赤子をあやしてる気のふれた女のようだ
Punk is Dead、カワイクもないのにカラッポ、頭の中にはウメボシの種が
たったの一個転がっているだけさ
Punk is Dead、Punk is Dead
それでもまだそれを信じ続けるって言うんなら
それでもまだそれを信じ続けるって言うんだったら
俺の存在を
頭から、頭から、頭から、頭から、頭から、頭から、頭から、頭から、頭から、頭から…
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