花火やキャンプなど夜間のイベントを通じて、夏の夜空を見上げる機会も増えると思います。
「星の館」も微力ながらバックアップいたしますので、週末はお気軽にお越し下さい。
では黄道12星座シリーズを始めましょう。
第4回は「さそり座」です。
さそり座は夏の星座の代表格ですね。
さそり座は3等星以上の星の数が17個も存在し、全天の星座において最もにぎやかな星座
です。(第1位/88星座)
形も整っていて大変美しい星座だと思います。
星座名 :さそり座
季節 :夏
学名 :Scorpius(略 Sco)
面積 :497平方度(第10位/黄道12星座)
黄道12宮 :天蠍宮(10月24日~11月22日 トロピカル式)
早速、星結びをやってみましょう。明るい星ばかりですから今回は大丈夫ですよね。
正解はこちら。
さそり座の心臓あたりに赤く輝く1等星はアンタレス。
その名の由来は火星に対抗するものという意味で、アンチ・アレス(Anti-Ares)である
ことは有名です。火星が接近する時期は赤さを競います。
また赤色超巨星であり、大きさは太陽の700倍、太陽系の中心に置くと火星の軌道まで
呑み込む大きさです。
さて、さそり座には双眼鏡で楽しめる天体がたくさんありますが、私のおススメを3つほど
紹介したいと思います。双眼鏡はレンズの口径が5cmほどのものでも楽しめますが、
必ず三脚に固定して手振れしない状態で観察しましょう。
まず1つ目はアンタレスの右横にある球状星団M4です。
写真のようにアンタレスの近くなので探しやすく、明らかに1つの星でない光の雲のように
見えます。
「星の館」の望遠鏡では写真の様にしっかり星の集団であることが分かるでしょう。
次にさそりのしっぽ中ほどにあるζ(ゼータ)星のエリア。
散開星団NGC6231、NGC6242。高度が低く空の条件によって見え方が左右されますが、
月のない澄み切った空の時は、密集した星が宝石箱のようです。天気が良い日は注目です。
最後は、毒針付近の散開星団、M6とM7。M6は小ぶりながらも明るいため、NGC6231よりも
見やすく、M7よりも星が密集しているところが楽しめます。
そしてM7。これは散開星団の代表格ですね。冬のプレアデス(すばる星)M45に対抗できる夏の
散開星団と私は思います。
明るさでは敵いませんが大きさと星の数ではM45を上回る印象を受けます。
さそり座、いて座は私たちの天の川銀河の中心方向に位置しているため、バックグラウンド
の星たちが大変にぎやかで、これらの天体を盛り上げます。
暗い空で眺めると本当に美しく、何度も何度も双眼鏡を覗き込んで、飽きることがありません。
さそり座なくして夏の夜空は語れません。夏の大三角と一緒に楽しみましょう。
にょろにょろ。