春日市白水大池公園 星の館

街中にある天文台で星空にとけ込もう

黄道12星座シリーズ_かに座(蟹)-最終回-

2013年01月16日 | 黄道12星座
にょろにょろです。
 
お正月気分も抜け出た感がありますが、遅ればせながら
  
あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
今年は、彗星狩りに期待を寄せているにょろです。
今年もがんばりすぎないように頑張ってまいります。(笑)
 
 
さて、昨年5月から開始しました黄道12星座シリーズ。いよいよ最終回です。
 
星座名   :かに座
季節    :春
学名    :Cancer(略 Cnc)
面積    :506平方度(第9位/黄道12星座)
黄道12宮 :巨蟹宮(6月22日~7月22日 トロピカル式)
 
かに座は、春の星座なんですねー。
深く考えていなかったんですが、なんかきりが悪いですよね。
かに座から始めていれば冬のふたご座で締めくくれたのに..。orz
 
ま、それはおいといてと。
 
かに座ですよ、かに座。
かに座は3等星以下の星の集まりなので街中では見つけにくい星座です。
見つけ方としては、ふたご座のポルックスとしし座のレグルスの間と覚えれば
いいと思います。
さっそく結んでみましょう。
 
Photo
 
正解はこちら。
  
_line
 
かに座自体は見た目、パっとしませんが、その甲羅には沢山の卵を抱えています。
結構有名ですのでご存知の方も多いと思いますが、散開星団のM44です。
 
プレセペ星団とも呼ばれます。約200個の星が直径16光年ほどの領域に集まって
いるものです。
おうし座で紹介しましたヒヤデス星団とともに、かつて同じ星雲領域で誕生したそう
です。
 
かに座は、ギリシャ神話では、化け蟹「カルキノス」として描かれていますが、実は
とても友達思いの蟹なのです。
親友の「ヒドラ」が勇者ヘラクレスと闘った際に、ヒドラが形勢不利な状況を見て、
危険をかえりみず、勇敢にもヘラクレスへ立ちはだかったところ、そのままたちどこ
ろに踏み潰されてしまったというなんともこう、コメントしずらい戦歴の持ち主なので
すが、熱血的で友達思いのこの蟹には誰もが心を打たれることでしょう。(笑)
 
この様子に感激した女神ヘーラがかに座として天に掲げたとのことです。
ちなみに、かに座はヒドラ(うみへび座)のすぐ頭上にあり、2匹は天でも仲良く語り
合っているようににょろには見えます。
うお座のアフロディーテとエロス、そしてカルキノスとヒドラ。
神であろうが、化け物であろうが大切なものを守る思いは同じな様です。
 
 

黄道。太陽の見かけ上の通り道。
天球上に描かれるその曲線と、それにかかる星座のつながりは、のどかなローカル
鉄道のようでした。12星座の各駅停車の旅は如何だったでしょうか。
 
黄道は、天の赤道に対して約23度ほど傾いていますが、その微妙な傾き加減によっ
て、華やかな星座から見逃しそうな星座まで、幅広く触れることができたように思えます。
 
「星の館」からでは、12星座のすべてをご案内することは難しいですが、少しでも興味
を抱いて頂けたら幸いです。
にょろにょろ。

(参考文献:ナツメ社「星座の辞典」より)
 
次回予告!
もっとも身近な天体、「月」を特集していきたいと思います。
お楽しみに。
 





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黄道12星座シリーズ_ふたご座(双子)

2012年12月12日 | 黄道12星座

明日12月13日(木)は3大流星群の1つがやってきます。
今年は新月で月の影響もなく最適な観測条件です。

その流星群とは、「ふたご座流星群」ですね。
 
流星の母体は小惑星ファエトン。
地球の公転軌道とファエトンの軌道が交差するポイントがこの時期に
あたるため毎年流星が見られます。
 
そして地球がファエトンの軌道に突入する方角のバックグラウンドに
ある星座がふたご座なのです。
従って、地球から見るとふたご座を中心に流星が放射状に流れる
ように見えます。
 
今回の観測ピークは14日午前8時ですので13日深夜が狙い目と
なります。
経験的にも夏のペルセウスと同等以上の立派な流星群と思います。
少なくとも暗い空では5分に3個は確認できるでしょう。
街中では10分に1個は期待していいと思います。
(数が減るのは流れていても空が明るく確認できないため)
 
さて、本題。
黄道12星座、今回はそのふたご座です。
 
星座名   :ふたご座
季節    :冬
学名    :Gemini(略 Gem)
面積    :514平方度(第8位/黄道12星座)
黄道12宮 :双児宮(5月21日~6月21日 トロピカル式)
  
ふたご座には明るい星が2つあります。
1つが銀色の星、名前はカストル。双子のお兄さんです。
もう1つが金色の星、名前はポルックス。弟です。
この2つの星を目印に星を結んで見ましょう。
  
Gem_2
 
正解はこちら。
  
Gem_line_2
  
ふたご座流星群の放射点は下の写真通りで、このあたりを中心に星
が四方八方に流れます。(黄色の矢印)
  
Gem_line__2
 
「星の館」では明日の21:00-23:00でふたご座流星群の観望会を開催します。
申し込みされた方は楽しんでくださいね。天気が良いこと祈りましょう。
  
ここで観望のヒント。
放射点をじっと見つめているよりも、やや外れた地平線に近いほうを360度
見渡しているほうが発見しやすくなります。
 
流星は地球の上空でファエトンが残した塵が地球の大気圏突入により燃え
尽きる現象です。
地平線に近いほうが、大気の層を斜めに厚く見ることになるため、流星の数
は見かけ上増え、流れる長さも長くなります。
 
お願い事目当てに流星を見る人はあまり高くないところを見ましょう。(笑)
でも結局は運ですけどネ。
 
次回は、いよいよ黄道12星座最終回!
かに座です。

にょろにょろ。

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黄道12星座シリーズ_おうし座(牡牛)

2012年11月29日 | 黄道12星座
 
空気にも季節のにおいがあると思いませんか?
最近、冬の空気を感じるにょろです。
 
夜の8時頃ともなると東の空にひときわ明るい星が目に止まります。
みなさんご存知の木星ですね。
 
12月3日には、太陽 - 地球 - 木星が一直線の並びとなる「衝(しょう)」を迎えます。
「衝」になるということは一晩中、木星が見えるということですので、今、木星は見頃
を迎えているということになります。
 
その木星のそばには、オレンジ色に輝くアルデバラン、その2つの星の上方には、
プレアデス星団(すばる星)があります。
何だかとてもにぎやかになってきましたが、この付近の星座は何でしょう。
 
 
黄道12星座シリーズ
今回から冬の始まり。
おうし座です。
 
星座名   :おうし座
季節    :冬
学名    :Taurus(略 Tau)
面積    :797平方度(第6位/黄道12星座)
黄道12宮 :金牛宮(4月20日~5月20日 トロピカル式)
 
おうし座にはアルデバランという1等星があります。
オレンジ色の巨星で、太陽の50倍の大きさがあるといわれています。
この星を頼りにおうし座を見つけてみましょう。
 
牡牛なので2本の角もあります。星座絵を頭に入れてアルデバランから星をたど
れば何とかなるでしょう。
おうし座には、アルデバランやヒアデス星団、プレアデス星団など見どころも多い
ので是非探せるようにしましょう。
  
ここでちょっとお詫びですが、写真の構図。 全景が入っていませんでした。
ごめんなさい。
プレアデスとかオリオンとのコラボとか好きな構図を妄想?しながら撮ってました
ので全景を意識していませんでした。(笑)
でもオリオン座流星群の流れ星がど真ん中を流れました!
狙い通りです!(ウソです。 流れてる方向が違うでしょ!人工衛星です。)
..これで勘弁してください。orz
中途半端ですが結んでみましょう。
  
Tau_2
  
Tau2_2
  
正解はこちら。
アルデバランとプレアデスが分かればそれで正解です。
  
Tau_line_2
  
Tau2_line_2
  
アルデバランを筆頭にV字型に星が並んでいるのが分かるでしょうか。
おうし座の顔を形作る部分ですが、これがヒアデス星団と呼ばれる散開星団で、
日本でもその形から「釣鐘(つりがね)星」と呼ばれていました。
 
このヒアデス星団とアルデバランは、地球から見ると一緒に見えますが、アルデ
バランはヒアデス星団の星の1つではありません。ヒアデス星団は約150光年、
アルデバランは約65光年と距離が違うのです。集合写真を撮ってる前を見知らぬ
ひとがカブッた的な感じでしょうか。(笑)
 
そしてこれを語らずにはいられません。
全天で最も美しい星団の1つ。プレアデス星団です。
 
日本でもすばる星として古来より親しまれています。
  
45_2
  
プレアデス星団は約120個ほどの若い星の集まりですが、中でも明るい星が9つ
あり、それぞれに名前が付いています。
 
ギリシャ神話の神であるアトラスとプレイオネ、そしてその間に生まれた7姉妹に
由来します。
  
45_name_2
  
これから望遠鏡や双眼鏡で観察することも多いと思いますので、2-3個は覚えて
いても良いでしょう。
にょろは眼視観察では力強い輝きのアルシオネ、写真では星雲をまとったメロー
ペが好きです。
 
スバル自動車(富士重工業)のマークはこの星団に由来することは有名ですが、
7姉妹も国内外向けの車名として使用されています。
国内では1991年のアルシオーネSVXが印象に残っています。
  
如何だったでしょうか。
牡牛座。
冬を代表する勇猛で煌びやかな星座でしたね。
こらからの季節の主役です。
  
次回はふたご座です。
にょろにょろ。

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黄道12星座シリーズ_おひつじ座(牡羊)

2012年11月11日 | 黄道12星座
何か最近寒いですねー。
ついこの間まで暑いとかいっておりましたが。
朝夕は15℃を下回る気温になってきています。
まだTシャツ1枚って人はいませんよね?(笑)
風邪引く前に長袖推奨です。
 
さて、こんな寒い日には、皆さん体に何を羽織りますか?
 
いきなりダウンジャケットはちょっとと思う人もいますよね。
そこで思い浮かぶのがフリース!
そう、フリースが大活躍です。
 
にょろもユ○ク○のフリースを3着持ってます。
皆さんはフリース何着持ってますか?
 
安価で着やすく暖かく星見には必須アイテムです。
 
黄道12星座。
今回はそのフリースのお話です。
 
星座名   :おひつじ座
季節    :秋
学名    :Aries(略 Ari)
面積    :441平方度(第11位/黄道12星座)
黄道12宮 :白羊宮(3月21日~4月19日 トロピカル式)
 
皆さん「アルゴ探検隊の大冒険」ってご存知でしょうか?
古代テッサリアの王子イアソンは乗っ取られてしまった王国を取り戻すために、
国を繁栄させる奇跡の力があるとされる「黄金の羊の毛皮」を手に入れようと
ギリシャ中の勇者を集め人類史上最初の大型帆船「アルゴ号」で出航するという
物語なのですが、この黄金の羊の毛皮こそが「ゴールデンフリース」、おひつじ座
の毛皮という訳です。
 
現在では、PET(ポリエステル)ボトルのリサイクルで織られた安価な衣類としての
意味合いが強いですが、フリース(Fleece)の原義は羊一頭から刈り取られた一つ
ながりの羊毛をいいます。
奇跡の力を有するそのパワーは秋の星座のトリをつとめるに相応しい存在なのです。
 
 
...と、ここまで持ち上げておきながら言うのもなんなんですが、実際にはおひつじ座を
認識できる人はごく一部でしょう。
しかし、おひつじ座は明るい星が2つありますので、秋の星座としてはなんとか見つけ
ることはできるかも知れません。
 
おひつじ座には立派な2等星、「ハマル」があります。これを手がかりに探してみましょう。
星結びというよりは、街中でこの「ハマル」を見つけることができればおひつじ座を見つ
けたも同然ということでOKです。
では、写真で確かめてみましょう。
 
1
 
正解はこちらです。↓
 
_line
 
結構シンプルな形をしていますね。
お気づきと思いますが、左のほうに何やら星がごちゃごちゃしています。
次回のおうし座で詳しく紹介しますが、これがプレアデス星団(すばる星)ですので、
これを目印に辿るのも良いかもしれません。
 
もう少し、周辺を見てみるとこのようになります。
 
_
  
おひつじ座の周囲には、プレアデス、M33(銀河系外の天体)、カリフォルニア星雲など
実は賑やかだったりするのです。
 
 
おひつじ座には、紀元前18世紀、暦がつくられた頃には春分点がありました。
そのため、おひつじ座は黄道12宮のトップに位置しています。
 
その春分点を特定したのは、古代シュメールの人々です。
 
地球上の場所を示すとき、経度、緯度が使用されますが、星空で星の位置を示す
ときは、赤径、赤緯という座標を使います。
その赤径0度、赤緯0度の点が「春分点※」なのです。
(※現在、春分点は地球の歳差運動のため「うお座」にあります。)
  
時は流れ21世紀の現在、このようにして黄道12星座を話題にできるのも、何の疑問も
持たず1年を12ヶ月とするカレンダーを使っているのも、時間など60で桁が変わる不思
議な60進法を使っているのも、古代シュメールの人々とそれを引き継いだバビロニアの
人々の星への探求心のおかげです。
 
 
おひつじ座。
黄道12星座、原点の星座で奇跡の力を持つ黄金の毛皮。
おひつじ座生まれの人、万歳です。
 
次回は、プレアデス星団(すばる星)を有するおうし座です。
 
おまけ。
11月11日は「ポッキーの日」だそうです。 
1111ポッキーに見えますか?
見えたあなたは、心にゆとりがある人です。(笑)
にょろにょろ。 


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黄道12星座シリーズ_うお座(魚)

2012年10月26日 | 黄道12星座
双魚宮。
うお座 黄道12宮での呼び名です。
双魚ですから双子の魚が仲良く泳いでいる姿かと思いきや、そこには逃げる
のにいっぱいいっぱいの母子の姿がありました...。
    
 話を少し戻してやぎ座のお話を覚えていますか?そう、前々回のやぎ座です。
うお座のギリシャ神話はやぎ座のそれと時が同じです。
  
 今は昔、ナイル川のほとりで神々たちの宴が催されていました。
羊飼いの神、パーンは角笛を吹き鳴らして舞い踊り、宴は最高潮を迎えていた頃、
怪物テュフォンが突如現れ神々に襲いかかりました。
  
神々はクモの子を散らすように逃げ惑い、パーンは魚に変身して川へ逃げよう
としましたが、変身に失敗。下半身だけが魚のやぎの姿でジタバタ...。
  
 そしてそこには母子の姿もありました。
母の名はアフロディーテ。そしてその子、エロス(キューピット)の姿でした。
2人は魚の姿に変身し、ナイル川へ飛びこみましたが川の流れは想像以上に
速く、今にもはぐれそうになったため、アフロディーテはエロスの尾と自分の尾
を互いにリボンで結わえることで、はぐれることなくその場から逃れることができ
たそうです。
  
 うお座に描かれている2人を結ぶ紐はちょっと幅があるように描かれています。
愛と美の女神 アフロディーテの美しい長い髪を結わえていたリボンだったので
しょうか。
子を護る母の愛の形が天に掲げられています。
   
ということで黄道12星座シリーズ。今回はうお座です。
   
星座名   :うお座
季節    :秋
学名    :Pisces(略 Psc)
面積    :889平方度(第4位/黄道12星座)
黄道12宮 :双魚宮(2月19日~3月20日 トロピカル式)
 
 前回、みずがめ座の結びに難解な星座と書きましたが、その理由はやっぱり
明るい星がないということに尽きます。
 
うお座のα星は3.8等星。以下4等星のあつまりです。
街中では存在すらわかりません。空の暗い高原へ行ってもすぐに星を結ぶのは
難しいでしょう。
 
 では、星結びは絶望的かと思いきや、実は秋の四辺形が星結びを手伝ってく
れます。秋の四辺形はペガサス座ですよね。
四辺形は2.5等星くらいですから探すことはできます。
「星の館」でも秋の星空案内では定番になっています。
ポイントは、四辺形で最も明るい左端の2等星アルフェラッツ(実はこの星はアン
ドロメダ座)、南に下がったγ星、その右上のα星を結んだV字形を利用します。
 
 実はうお座もV字型をしており、この四辺形のV字に沿った形をしています。
やや鋭角のV字ですがこれを利用して探し当てれば良いのです。
 
とりあえずチャレンジしてみましょう。
  
Photo
 
正解はこちら。
 
_line
  
あーなるほどって。やっぱりちょっと難しいかも。
  
写真に撮っても星が暗くて微妙ですね~。
あっ みずがめ座に続いてまた暗いって言った。失礼ですねまったく。
うお座だって負けていませんよ。
今、うお座を観察いただくと、もれなく天王星が付いてきます。(笑)
東の魚の下あたりです。6等星ですので望遠鏡で観ることができます。
ちゃんと写真にも写ってるんですよ。ほら。↓
 
_
 
何はともあれ、うお座はみずがめ座と共に秋の静寂な空を飾る美しい星座なのです。
  
次回は、おひつじ座です。
にょろにょろ。
(参考文献:ナツメ社「星座の辞典」)













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