気まぐれ日記

気ままに、また、思い出に

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 上野国立西洋美術館

2020-07-05 | 美術館(キルト展を含む)
スペイン絵画の発見

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
『幼い洗礼者聖ヨハネと子羊』
子供、とりわけかわいい少年(聖人も市井の子供も)を愛情いっぱいに描いている、ムリーリョの絵が2点展示されています。



『窓枠に身を乗り出した農民の少年』有名な絵です。



フランシスコ・スルバラン
『アンティオキアの聖マルガリータ』
すばらしく美しい絵です。
麦わら帽子を被り、左手に祈祷書、右手に羊飼いの杖を持つ穏やかな表情のかわいい女性は、一見、普通の女性に見えますが、後ろに大きな竜を従えているので、聖女マルガリータとわかります。
画中の全ての質感がそのまま伝わってきます。
彼女が持つ刺繍入りの袋は、そのステッチ糸までも一針一針見事なとしか称賛の言葉がうまくでないくらい思わず凝視してしまう、感動の作品です。



ルカ・ジョルダーノ
『ベラスケス礼賛』
レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』レンブラント・ファン・レイン『夜警』と並んで、世界三大名画『ラス・メニーナス』を描いたディエゴ・ベラスケスを讃えたのでしょうが、ベラスケスはもっとハンサムだと思いますけど。
怪しい魔法使いみたいです。
ベラスケスの絵画は、魔法でも使ったようなすばらしさだと表現したかったのでしょうか。



その、ディエゴ・ベラスケス

『マルタとマリアの家のキリスト』
タイトルの後ろの3人より手前の2人の女性たちに眼が向いてしまいます。
どうも、タッチがベラスケスらしくない(近くで観ると、どうみても荒いタッチなのに、離れて観ると細かく精密に観えるのが不思議!)
と思って観ていたら、20歳くらいの若い時の作品だそうです。

こちらも魚、卵、にんにくや調理道具の質感がはっきりと伝わってきます。


ファン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソ
『喪服姿のスペイン王妃マリアナ』

『ラス・メニーナス』


で国王フィリペ4世と一緒に鏡の中に描かれている、マルガリータ王女のお母さんです。伯父、姪の近親結婚で生まれた3人の子供が早世してしまい、喪服を着る事が多かったのでしょう。
悲しそうです。



エル・グレコ
『神殿から商人を追い払うキリスト』
鮮やかな色彩と厳しい表情のイエスが描かれています。

フランシスコ・デ・ゴヤ
『ウェリントン公爵』
ワーテルローの戦いで、連合軍を指揮して、フランスのナポレオンを撃破したイギリスのウェリントン公爵の肖像画です。
当時、宮廷画家だったゴヤが描きました。
ウェリントン公爵がこの絵をどう感じたかは不明ですが、威厳ある軍人というより、戦い疲れたようにも見えてしまいます。
やたらと勲章が目立っています。
下には、別の画家が描いた絵も載せておきます。





ウェリントン公爵は、勲章が目立ってなくても、おそらく、下の絵を喜んだと思います。
ゴヤのこの絵は、盗難に遇いましたが、なんとか無事に戻って来ました。